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がん医療をマニュフェストに!(文書版)

 
がん医療の拡充をマニュフェストに!
1.がん専門の医療スタッフの拡充

   A)放射線腫瘍学会の認定医を4倍に!
   その理由は、定位放射線治療を行う施設は全国に700もあるのに、
  放射線腫瘍学会の認定医は全国にたったの458人だというのです。
  認定医を4倍くらいに増やさないと、せっかくの設備が、
  1年のうち殆ど使われないという状態になります。(←現在は、そういう状態です)
   一人の医師が、複数の施設を駆け回って掛け持ちしていたのでは、十分な治療を行えません。


 B)抗がん剤治療専門医を2000人!
   これも、むちゃくちゃな数字とは思いません。足りないくらいです。
   全国に、医師は17万人もいるのに、抗がん剤を、正しい知識で使いこなせる医師は、
  ごくごくわずかしかいません。
   先日ブログに書きましたが、2次医療圏も含めると、がんの治療を行う、
  充実させるべき施設は505 あるというのですから、
  各施設に3~5人の抗がん剤治療専門医(腫瘍内科医)を配置すると考えれば、それくらいは必要です。
   足りないくらいです。
   正しい知識を持って、さじ加減すれば、体で感じる辛い副作用はかなり軽減できます。
   そういう医療を患者は望んでいるのに、実現される気配すらありません。

 C)看護師の資格・待遇の拡充
   看護師の仕事は、大変な重労働で、時間も不規則です。
   しかも、誠意と真心まで要求され、また、ほんのちょっとしたミスも許されません。
   こんなに大変な仕事であるのに、まず、賃金という点で、十分ではないと思います。
   それこそ、「善意と根性」に頼り切っているのではないかと思います。
   経験や、技術によって、資格認定をもっと細かくして拡充し、資格を得るごとに賃金や待遇が
  ステップアップしていくようなシステムの確立が必要なのではないかと思います。
   現在は、看護師は作業をやるだけで、責任は医師が取るというシステムになっているようです。
   疼痛緩和など、薬剤によっては資格を持った看護師の権限で行えるようになれば、
  患者にとってありがたいことですし、そういう資格によって看護師の賃金も充実していく
  ようであれば、やりがいも生まれると思います。
   笑顔で排泄物の処理をして下さるような方々に、もっと敬意を表せるシステムにするべきです。


2.患者サポート体制の充実

 D)各拠点病院(2次医療圏も含む)に患者支援室を整備   
    現在の治療法についての不安や疑問、そういうものを相談できる窓口がきちんとなければ、
   患者は右往左往します。
    自分や家族の病気に対して、正しい知識を得ると同時に、自分たちの責任で治療法を選んでいく
   ということが、これからのがん医療には求められます。
    どこにそういう情報があるのか、ということを、教える窓口も必要です。
    また、治療に必要な装具類、かつらや車椅子、ポータブルトイレや電動式医療用ベッドなど、
   どこで調達できるか、レンタルや購入についてアドバイスが受けられれば、
   必死で調べる無駄な時間がいらなくなります。とてもありがたいことです。
    そして、自分だけが・・・という孤独感を解消したり、いろいろな情報を得たり
   交流したりする場として患者会がありますが、そういう患者会がどこでどういう活動を
   しているというのは、患者や家族にはなかなかわかりません。近隣の患者会の紹介なども
   してもらえれば心強いですよね。
    あとから振り返って、「あの時こうしておけば・・・」「あの時これを知っていれば・・・」
   ということが、できるだけ少なくなるように、こういう施設は必要だと思います。

  E)情報センターの拡充
    今もさまざまな情報を提供するサイトなどがありますが、バラバラに存在していて
   かき集めるのが大変です。
    おまけに、玉石混交です。
    そろそろきちんと整備されるべきではないでしょうか。
    きちんとした情報センターがあれば、それを元に患者支援室も迅速に対応できます。
    国主導の情報センターだったら、拠点505施設の治療情報を、がんの治療情報として確保し、
   それぞれの病院の客観的データとしてフィードバックできれば良いのではないかと思います。
    たとえば、肝臓にがんがあり、手術や肝動注などが選択肢となった場合に、
   ここの施設では肝臓の転移がんの手術の症例数が年間○○件で、5年生存が●●・・・
   生存期間中央値が■■・・・こっちの病院では、同じ療法で△△・・・・肝動注では□□・・・
   というように比較できれば、自分で納得して選択できると思うのです。
    そういうデータを知った上で、自分の条件で選ぶことができれば、残念な結果に終わった
   としても、後悔が少ないのではと思うのです。


3.未承認薬の承認について

  F)医師主導治験の整備拡充
     現在も、検討会が行われていますが、あまり成果が上がっているように思えません。
     抗がん剤治療は、いくら病院の設備が立派でも、精通した医師のもとで行われるのでなければ
    十分な効果も期待できないし、そればかりでなく大変危険です。
     病院の設備で治験の許可が下りるのではなく、行う医師に対して許可が下りるようなシステムが
    必要だと思います。

  G)迅速承認
    2003年7月16日の厚生労働委員会で、坂口厚生労働大臣(当時)が、
   「諸外国で認められているもの等(抗がん剤)につきましては、
     半年なら半年の間で結論を出すということにしたいというふうに思っておりまして、
   この四月(2003年)にそういうことをスタートさせまして、現在、その人選を
   進めているところでございます。」
   と、答えていましたが、いまだにそのようになっていません。
    その点についてももっとはっきりとシステム化し、実現してもらいたいと思います。

  H)保険承認の垣根の緩和および撤廃
     抗がん剤の治療に関しては、組み合わせ方しだいでいろいろな効果が期待できます
    (反面、慎重にやらなければ危険度も増大)。
     ところが、現在は、この抗がん剤は、このがんだけ、この抗がん剤は、このがんとこのがん・・・
    というように、保険の縛りがきつく、効果が見込めるものを十分に使用することができません。
     また、抗がん剤に限らず、放射線治療に関しても制約があるようです。
     どのような種類のがんでも、たとえ稀なケースであっても、たとえば骨に転移したら
    骨粗しょう症の治療薬が効果を発揮したり、胃がんの抗がん剤TS-1が効果を
   出したりするのです。
    ところが、がんの骨転移では、前述の骨粗しょう症薬は、乳がんの骨転移か高カルシウム血症の
    場合しか使えません。誰にでも効果を発揮するわけではないとしても、全く試すこともできない
    というのでは、十分な治療を受けられたと感じられないことになってしまいます。


4.上記のような整備拡充に対し、具体的な対応と予算の確保を約束してほしい

  今まで書いたことをやるには、厚生省が予算をとってやらない限り無理ですよね。
  道路とかダムとかトンネルとかイラクとか・・・本気でどっちが大事ですか??
  救急医療で使われる予算の半分は、交通事故のせいなんだそうです。
  交通事故で使われる救急医療費は、自動車のせいなのだから国土交通省の予算から取ったら
 いかがですか?
  じつはものすごい金額なんですよね。
  それをがんに回せたら、すごくいい。

  タバコの税金も、がんの予防対策の財源にできるようにするといい。
  予防にかかる費用も、がん診療の対策と比べるとかなり大きな金額です。
  タバコの発がん性や、近辺の非喫煙者に与える影響を考えれば、妥当ではないかと思います。

  そして、アスベスト問題の対策も厚生労働省ですが、使うのを許可してきた建設省からも、
 予算を取るべきではないでしょうか。

  このようにして予算を獲得し、今まで厚生労働省として確保してきた予算をすべてがん医療に回せば、
 先進諸外国と比べて10年遅れといわれている「失われた10年」を挽回することも、
 夢ではないかもしれません。

  これからの時代は、医療の財源とはいえ、関係する各省庁から予算をもぎ取って
 確保すべきじゃないかと思うんですよね。
  そうしない限り、経済や産業ばかりが優先されて、公害や労働災害などは発生し続ける・・・・。
  そして、その対応に人材も予算も奪われて、いつまでたってもがん医療の充実には回ってこない・・・。
  そういう堂々巡りには、ここでハッキリ終止符を打たなくては。


 


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