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第163回【衆】予算委員会 古川元久議員

163-衆-予算委員会-3号 平成17年10月03日

○古川(元)委員 民主党の古川元久でございます。
          (略)
 残りの時間で、大臣も一生懸命取り組んでおられるがんの対策についてちょっとお伺いしたいと思います。
 今や、国民の二人に一人ががんにかかって、三人に一人はがんで亡くなる時代になっている。年間、新たにがんが判明する人は六十万人を超えておりますし、そしてまた、がんで亡くなられる方も三十万人を超えている。これは一日当たりに直すと、毎日毎日新たにがんだということが判明する人が千六百人以上いて、毎日毎日八百人以上の人が亡くなっているんですよ、単純に割って計算すると。
 そういう意味では、がん対策というのは、患者の立場に立てば本当に一刻の猶予もない。命がかかっているんですね。政治の最大の責任は国民の生命を守る、命を守るということであれば、このがん対策というのは本当に一日も早く、我々、党派にかかわらず取り組んでいかなきゃいけない、そして救える命を一人でも救う、それをやらなきゃいけないと思うんです。
 そういう意味で、政府もようやく少し重い腰を上げてがん対策推進本部をつくられた。そのことは評価しますけれども、ただ、がん対策推進本部に、厚労省、厚労大臣がトップですけれども、文部科学省が入っていないんですね。これは何で入れていないんですか。

○尾辻国務大臣 がん対策に力を入れなきゃいけないということは、全く私どももそう思っておりまして、そうしなきゃならないというふうに考えております。
 そこで、政府全体のがん対策でありますけれども、第三次対がん十カ年総合戦略というものを政府全体としてはつくっておりまして、それは、厚生労働大臣と文部科学大臣が共同して策定もし、両省が協力してその実現に向けて取り組んでおるということで、政府全体としてはそのようにいたしております。
 今お触れいただきましたがん対策推進本部でございますけれども、これは、患者さん方の強い御要望もございまして、その政府全体で取り組んでおる中で、では厚生労働省がさらにそれを推進して取り組むために、厚生労働省の中にがん対策本部をつくったらどうかというお話でございましたので、私もそれはそうだと思いましたので、私を本部長にする対策推進本部をつくったわけでございまして、申し上げておりますのは、それは厚生労働省の中につくりましたのでそういうことになっておるということを申し上げたところでございます。

○古川(元)委員 役所の性格として、そういう役所の中につくるとほかの役所となかなか連携がうまくいかないんですね。それは隣に座っている中山大臣もおわかりだと思いますが。特に、これは医療の問題ともかかわるわけですけれども、日本の医療改革をやろうと思ったら、まさに文部科学省と厚労省に医師の養成と大学病院の話、また医局の話、この辺も医療改革をやるときの大きなネックになってくると私は考えておりますけれども、そういう意味からもきちんとした連携がされないと、特にこのがんに対して有効な、包括的な措置を打つというのは極めて難しいと思うんですね。
 そういう意味では、役所の中でそうやって縦割りに分かれてしまうと、連携をとるというのは相当考えないと、政府全体でというのは、大体、それは大臣よくおわかりのように、政府全体でやるものというのは幾つもあるわけですよ。がんだけじゃないわけですね。しかし、がん、先ほども申し上げたように、これは命にかかわる話なんですから、そういうことからしたら、機動的に、やはりちゃんと連携のとれるような体制というものがこの推進本部の中でも盛られるべきではないかというふうに思いますけれども、中山大臣、どうですか。

○中山国務大臣 今、厚生労働大臣が説明されましたけれども、厚生労働省の設置しておりますがん対策推進本部、これは、省内のがん対策全般について部局横断的に連携しよう、こういうふうな組織だと聞いております。
 私どもは、今厚労大臣が話をされましたように、第三次対がん十カ年総合戦略の中で、特に文部科学省としてはがんの研究ということを積極的に推進しよう、こう考えておりまして、その点で、厚生労働省とは第三次対がん研究推進会議というのを合同で設置いたしておりまして、両省でがん研究の連携を図っているということでございます。

○古川(元)委員 大臣、がん研究を中心にと言うんですけれども、研究も、とにかく患者を救わなかったら、救えない研究では意味がないんですよ。患者の皆さんは、本当に、いつ自分の命がなくなるかわからない、そういう状況の中に置かれているんですよ。
 そういう意味では、今のお話を聞くと、それは役所の立場で物を見ていて、もっと、やはり患者の視点に立ったら、きちんとそこのところが、何のための研究をするのか、その研究成果が、本当に今がん患者さんたちが求めているような研究がちゃんとやられているのか、そういうフィードバック体制も含めて、全体としての体制がとられなきゃいけない。そういう意味では、もう一回、政府の中の連携のあり方を含めて、見直していただきたいということを申し上げたいと思います。
 次に、がん登録についてお伺いしたいんですが、与党の健康フロンティア戦略には、平成十七年度から平成二十六年度までの十年間の目標として、がんの五年生存率を二〇%改善するというふうにあるんですけれども、これは何をベースにしてこの二〇%というのを計算するのか。
 そもそもこれは、均てん化の委員会の報告でも触れられておりますけれども、日本の場合には、がん登録が進んでなくて、実際に、国民がどういうがんにかかって、どういうふうな状況で治療とか受けているのか、そういうデータが極めて少ないわけです。ですから、がん患者の正確な数も把握できていない状況で、一体、これは何を基準に二〇%改善するというふうに言っているのか。
 しかも、また、がん登録を推進するというふうに言っているんですけれども、ではどういう形でこれを具体的に、本当のがん対策をやろうと思ったら、これはアメリカでも、まずはデータ、まずは状況がどうなのかという現状把握をするということをまず最初に手をつけたわけであります。
 そういう意味でいえば、日本の場合も、がん登録をきちんと義務づけるところは義務づけたりして、また、がん登録の基準となるフォーマットの作成も早くして、これはだれがつくるのかわかりませんが、ぜひそこも教えていただきたいですけれども、きちんと統一フォーマットをつくって、そして、それでちゃんとがん登録を進めるということをまず第一にやらなきゃいけないと思っているんですけれども、これはどういう状況になっていますか。

○尾辻国務大臣 まず、先ほどの、私どもと文部科学省との連携のお話もございましたけれども、これは、申し上げましたように、政府全体としては、第三次対がん十カ年総合戦略というのをつくって進めておるところでございますから、改めて、両省緊密に連携しながら取り組んでまいりますということを申し上げておきたいと存じます。
 そこで、がん登録の話でございます。
 このがん登録につきましては、標準登録様式に基づくがん登録の推進の重要性が今指摘をされておるところでございます。したがって、そのがん登録の標準登録様式について、厚生労働科学研究において項目の検討がなされまして、既に公開をされております。今後は、この標準登録様式の普及を促進することが重要であるというふうに考えておるところでございます。
 今、各地にございます拠点病院の中でこの登録を進めてもらおうということで努力をいたしておるところでございます。今後、こうしたがん登録を進めながら、今お話しのような、がん患者の皆さんに対するがん対策の推進ということで進めていきたいというふうに思っております。
 ただ、一つ申し上げますと、やはり、がん登録というと、個人情報との微妙な関係もあるものですから、その辺のところは慎重に進めざるを得ないという面があることだけは御理解をいただきたいと存じます。

○古川(元)委員 でも、普及を推進するというのは、具体的にどういう、何かこの中でも、インセンティブを与えたりとかそういうことも書いてありますでしょう、この均てん化委員会の報告書には。
 ただ普及を推進すると。役所で推進するというのは何もやらないことをよく意味したりするわけでありますけれども、ちゃんと具体的に、推進するならどういう形で推進するのか、説明していただけますか。

○尾辻国務大臣 今手元に資料がございませんので記憶で申し上げますけれども、拠点病院の数が百三十五だったと思います。そのうちの七十から八十ぐらいは、既にがん登録の作業を進めているというふうに記憶いたしております。要するに、百三十五の拠点病院の中で今がん登録を始めておるということでございますので、これをさらに進めていくというのが今考えておるところでございます。

○古川(元)委員 これはやはり、大臣、義務づけするとかそういうところまでやっていかないと、早くそういう客観的な現状認識の情報を集めないと、データを集めないと、次の対策を打てませんよ。ぜひそこは、がん登録、もっと急いで、そしてきちんとした体制ができるように、体制をとっていただくことをお願いしたいと思います。
 次に、がん専門医の育成についてちょっとお伺いいたしたいと思います。
 幾ら抗がん剤などの薬剤が進んでも、また医療機器などが進歩しましても、それらを正しく適切に使える、あるいはまた、機材で撮った写真などを見て適切にデータを判断できるようなそういう人材が必要であります。そのためには、腫瘍内科医とか放射線医などの専門家の養成が急務だ、がん対策をやるためには。とにかく人を育成するには、これは一日二日で、機械であればすぐにでも導入できても、人はそんな一日二日で育成できないわけでありますから、私はここが急務だと思います。
 特にこの辺については、こういった人材育成の具体的なプログラム、この部分は、厚生労働省はもちろん、また文部科学省も大きな責任を負っていると思いますけれども、こうした専門家の育成についての考え方、そしてこれからどう進めていくかについて、厚労大臣と文部科学大臣の方から御答弁いただけますか。

○尾辻国務大臣 私ども、がん医療水準の均てん化ということをこのところ盛んに言っているわけでありますけれども、その均てん化を図ります上で一番重要なことの一つが、今御指摘いただきましたがん専門医、それからまたコメディカルスタッフも含めてでありますが、専門医療スタッフの人材育成は極めて重要であり、喫緊の課題だというふうに考えております。
 そこで、がんの専門医療に従事する医師等の資質の向上を図るために、これら専門医療スタッフを対象とした研修の拡充に努めているところでございまして、今後もがんの専門医療スタッフの確保に努めてまいりたい、総力を挙げてまいりたいと考えております。

○中山国務大臣 全国どこでも最適ながん医療、治療が受けられるようにするためには、今厚労大臣も話しましたように、がん専門医の育成を進めることが極めて重要な課題であるということは認識しておるわけでございます。
 このがん医療水準の均てん化につきましては、第三次対がん十カ年総合戦略に基づきまして、平成十六年の九月に厚生労働省にがん医療水準均てん化の推進に関する検討会が設けられましたけれども、この検討会の開催に当たりましては、文部科学省としても検討に参加しておりますし、また厚生労働省の方に医学教育関係者を委員に推薦いたしたところでございます。
 この検討会の審査の結果、特に不足が指摘されております化学療法あるいは放射線療法の専門医の育成のために、大学の医学教育において化学療法や放射線療法についての基本的な知識教育が行われるように、そんな提言がなされたところでございます。
 また、各大学におきましては、医学生が卒業までに学んでおくべき必須の学習内容を整理いたしまして、がんにつきましても、学習の到達目標を定めた医学教育モデル・コア・カリキュラムを踏まえたカリキュラムの改革を進めているところでございます。
 文部科学省といたしましては、今後とも、各大学におけるカリキュラム改革、あるいは化学療法また放射線療法に関する教育の充実について、引き続き厚生労働省と連携を図りながら各大学の取り組みを支援していきたい、このように考えております。
    〔委員長退席、山口(泰)委員長代理着席〕

○古川(元)委員 これは、両大臣とも、今みたいな答弁を患者さんが聞いたら絶望的になりますよ。本当に、さっきから言っているように命がかかっているんですから、人材育成のために、育成を図っていくというだけじゃなくて、もっと具体的に数値目標ぐらい立てて、きちんとここまでに何人養成していくとか、ここの大学にこれだけのものをつくっていくとか、そこまで具体的なプログラムを出さなかったら、頑張ります、養成に努めていくということでは、これはいつまでたったって専門医なんてふえませんよ。アメリカに比べたら十分の一以下なんですから。そういうことを、これは本当に考えてもらわないと、本当に患者さんたちは救われませんよ。
 また、このがん専門医でもう一つお伺いしますが、がん専門医の認定をめぐって二つの学会が対立していますね。がん治療専門医を主張する日本癌治療学会と、臨床腫瘍専門医を主張する日本臨床腫瘍学会、これは話がついたんですか。どうですか、大臣。


○尾辻国務大臣 話がついたのかという御質問は、恐らくその二つ、大きく言うと内科と外科医の先生方がそれぞれに学会の中でやろうとしておられるという話を一体化するということで、そういう方向で進んでおるのかというお尋ねだろうと思いますけれども、今のところでは、やはりそれぞれの学会で進めていくというふうにお聞きをいたしております。

○古川(元)委員 政府、それでいいんですか。もっと政府が、がん対策ということであれば、患者の視点に立っていたら、これは医者のメンツで考えるという話じゃないですよ。政府がちゃんとリードして、こういう医者を今きちんと育てていくんだということで、ちゃんとこれは指導して、そして一日も早く、そんな対立しているような場合じゃないんですから、これはやはりもうちょっと政府として何かやるべきじゃないですか。いかがですか。

○尾辻国務大臣 その件につきましては、関連学会におきましても、共同の認定制度等を含めて検討していくというふうにお聞きをいたしておりますので、ぜひその方向で進めていただきたいと思っておりますし、また、私どももその方向で努力をしたいというふうに考えております。

○古川(元)委員 これも、いつまでにやれというふうにちゃんと言わなかったら、結局いつまでたっても何か平行線とか。繰り返しになりますけれども、患者さんたちの命がかかっているんですよ。学会の人たちのメンツじゃないんですよ、これは。本当に患者の視点に立って厚労省も動くというんだったら、今、日本の現状をもって、では専門医を何年までにはこういう形で、その後はこうするとか、やはりそういうガイドラインぐらい出すのが本来のあり方だと思いますよ。それを今もって、そういう方向で頑張ってもらいたいみたいな、そんな何か第三者的な言い方をしていたんじゃ、これは本当に患者さんたち救われないですよ。本当にしっかりしてください。
 次に、時間が限られますから質問を進めたいと思いますけれども、がん医療情報の提供推進につきまして、ちょっとお伺いしたいと思います。
 これは、大臣も出られたあの第一回がん患者大集会、本当に主催者の皆さん方の想定以上の人たちが集まって、いかにがんで悩んでいる国民の皆さんが多いか、そういうことを改めて大臣も実感されたと思います。
 ここの中で、がん情報センターの創設を求めるアピールが採択されて、そして、それを受けたと言っていいんでしょうけれども、厚生労働省の来年度の概算要求でも、がん情報提供ネットワーク構築推進のために、地域がん診療拠点病院において相談支援センターを設置するとか、国立がんセンターへのがん対策情報センターの設置というものを要求しておられるというふうに聞いておりますけれども、ここではどのような情報をどうやって患者に提供するんですか。
 患者さんたちが知りたいのは、がん治療、地域格差がある、あるいは病院格差があると言われています。それぞれの病院や医者ごとに治療方法や治療成績の違いというものがあるというふうに指摘されていますけれども、そういう治療実績の公表などもここで行われるんですか。どうですか。

○尾辻国務大臣 これは、がんセンターの中にセンターを置こうということでございまして、今、来年度の概算要求の中でも、人員を含めて予算要求をいたしておるところでございます。
 どういうセンターになるんだというふうにお尋ねになりますと、言葉でいいますと、総合的ながん医療情報の収集及び分析を行い、医療従事者や国民、患者に対し広くがん対策に関する正確な情報の提供を図るということにいたすつもりでございます。

○古川(元)委員 伴野委員がちょっと時間を私の方にくれるというので、引き続き質問したいと思いますけれども、それでは具体的な中身は全然わかりません。もう少し患者さんたちは知りたいわけですよ。
 では、実際に設置されたときにどういう情報がどのような形で提供されるのか、そういう内容を、中身を決めていく、そういう議論は今行われているのか、あるいはこれから行われるのか。また、情報提供の内容とか運営のあり方とか決めるときに、患者さんたちもそこの中に入れてそれを決めていくのか、そこはどうなっているんですか。


○尾辻国務大臣 センターと患者さんをどうつなぐかというようなことがまずございます。したがって、今考えていますのは、先ほど来申し上げております拠点病院を使ってさらにというふうに考えておるところでございます。そうしたネットワークのつくり方とか、あるいは、どういうことをお知らせするのがいいのかといったようなことを今検討いたしておるところでございます。
 それから、そうした検討の中で必ず患者の皆さんのお声というのは入れなきゃいけないと思っていますし、今私どもが、これは何もがんに限らずでありますけれども、がんについても患者の皆さんの立場でということを言っておるわけでございまして、これはそのとおりにいたすつもりでございます。

○古川(元)委員 では、これは大臣、こういう形で決まりましたというふうに患者の皆さんに突然知らされるんじゃなくて、内容を決める前に、そしてどういう形で運営するか、そういうことが決まる前に、きちんと患者の皆さん方も含めてそういう内容を決めていく、そういう作業をこれからやられるというふうに認識してよろしいですか。

○尾辻国務大臣 私が申し上げるとも思いますけれども、率直に言わせていただきまして、今患者の皆さんと私どもとの風通しというのは随分よくなってきているというふうに思います。したがいまして、絶えず意見交換をさせていただいておりますので、そういう意見交換の中でよりよいものをつくり上げていきたいというふうに考えております。

○古川(元)委員 最後に、患者の皆さんが極めて身近な問題として率直に感じておられる未承認抗がん剤保険適用外薬の話についてちょっとお伺いしたいと思います。
 未承認薬使用検討委員会を設置されて、治験の仕組みを利用して緊急避難的に混合診療を認めて未承認抗がん剤が使える仕組みがつくられましたけれども、実際にこの仕組みで患者が必要な治療を受けた実例というのはあるんですか。

○尾辻国務大臣 私、理解いたしておるところで申し上げるんですが、例えば、がん患者の、癌と共に生きる会の会長でございました佐藤会長がおられました。あの方なども、途中で治験と承認との間の谷間になっておるような薬の問題もございまして、そのことについてのお話もございましたから、そうしたものは私ども早速にやらせていただいたというふうに考えております。そういうことでは、佐藤会長などもそうした新しい制度といいますか、やり方を御利用いただいたんだというふうに思っておるところでございます。
 これまで患者団体等からの御要望がありました抗がん剤につきましては、未承認薬使用問題検討会議というものを設置しておりますので、その中でそれぞれに取り上げて検討していただいて、必要性が高いという結論をいただいたものについては、今治験の実施につないでおるわけでございます。今後ともこうした努力は当然のこととして続けてまいります。

○古川(元)委員 今大臣、治験の話もおっしゃっていただきましたけれども、実際には、治験は、製薬会社がやらないという場合には医師主導でやらなきゃいけないんですけれども、なかなか進んでいないのが実態です。がんだけじゃなくてほかの新薬でもそうなんですが。
 やはり治験をもっと促進するような、何かそういう仕組みは考えないといけないと思います。これはぜひ、がんの問題にかかわらず、非常に有効な新薬であるにもかかわらず、それが使えなくて命を失ったりあるいは症状がひどくなったりしている患者さん、がんの患者さん以外にもリューマチだとかたくさんいらっしゃいますから、治験のやり方をもう少し根本的に見直すということをぜひお願いしたいと思います。
 最後に、保険適用外薬の問題について、あるがんには保険適用されているけれども他のがんには保険が使えない、そういう薬の話でありますけれども、前に抗がん剤併用療法検討会で一部の薬については保険適用が促進されましたけれども、この検討会は終了してしまいましたね。そうなりますと、今後ともこういう薬というのは構造的に生まれてくることは明らかでありまして、しかし、検討会がないと新たに生まれてくる保険適用外薬を保険適用できない、こういう問題にどう対処するつもりなのか、そのことをお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

○尾辻国務大臣 今御指摘になりましたのは抗がん剤併用療法検討会のことだろうと思いますが、これは平成十六年一月に設置したものでございまして、これまで関係学会等から要望のあったものの中で、今もいろいろお話ございましたけれども、国内及び海外で有用性が確認されている延べ三十の抗がん剤に関する報告書を取りまとめまして、本年二月に同検討会を終了したところでございます。したがって、懸案になっていたものを一挙に、処理という言葉がいいのかどうかわかりませんが、処理をしたということでございます。
 とりあえず済んだというふうに思っておりますけれども、今先生の御指摘は、今後どうするんだというようなこともあろうかと思いますけれども、今申し上げましたように、国内外で有用性が確認されているものについては新たな臨床試験を不要とするなど、抗がん剤の適用外使用に係る承認が迅速に行われるように今後とも対処してまいるつもりでございます。

○古川(元)委員 とにかく、大臣、これは命がかかっているんですから、繰り返しになりますけれども、本当に必死になって、一日も早く、救える命が救えるような、そういう体制をつくっていただくようにお願い申し上げます。
 ありがとうございました。

○山口(泰)委員長代理 これにて古川君の質疑は終了いたしました。


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