カテゴリ:BLEACH連載SS
(1月3日(水) 小島 水色)
世の中に無駄は沢山あるけど、チャドと携帯で話すより無駄なことはあまりないと思う。 彼は言葉に重きを置いてないので、自分からかけてくることは殆どない。 メールもあまりこない。 正月早々連絡をとってくるなんて珍しいな、と思ったら 「井上が戻った」 成る程それは大ニュースだ。 チャドと井上さんはわりと仲がいい。 一年のとき、一護を挟んで親しくなったらしい。 どちらも周囲から浮くタイプだから、というのは僻みかな。 チャドはそれきり何も話さない。 詳しい事情を知らないのか、話すほどのことじゃないのか、言いづらいのか、一体どれだろう。 判断材料がないから、突っ込んで聞きだすことも出来ない。 「彼女、元気だった?」 「ム」 元気なのか。それはよかった。 僕が知りたいのは、最終的にはそれだけだ。 「変な心配かけないでよね。チャドが自分から電話とか、何があったとかおもうじゃないか」 チャドは答えなかった。 彼に又会う日はあるんだろうか。 ふとそう思ったが、僕はただこういった。 「じゃあ、新学期に」 彼は何も言わない。 僕は何も聞かない。 実に淡白な関係だと自分で思う。 まあ、僕たち四人って、何時も啓吾が一人で喋っているようなもんだけど。 携帯をきってからなんとなく、石田さんについて聞けばよかったような気がして、それからすぐ打ち消した。 一護ならともかく、一護の彼女のことなんて気にしてどうなるんだか。 しかも別の女の人との旅行中に。 彼女を好きになる可能性があったりしたのかな、いやまさか。 だったら二年も待たずとっくに何とかしてる。 正月そうそう何血迷ってるんだよ、お屠蘇で酔っ払った? 僕は考えるのをやめた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年05月14日 20時46分32秒
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