久々に映画館に足を運ぶ。なんたってレディースディですもの。
映画館の中は、見事に女性ばかり。
監督はチャン・イーモウ。彼の作品は、出演作も含めて初期のものをよく見ていた。「古井戸」(主演作)「紅いコーリャン」「菊豆」「紅夢」「秋菊の物語」など。
最近の「あの子を探して」「初恋の来た道」「至福のとき」はまだ未見。レンタルビデオを借りて見る予定。
私が見た彼の初期の作品は、ストーリーが余り印象に残っていない。ただ鮮烈に心にあるのは「色」の記憶。
今回の「HERO」も色彩の美しさが心に残った。
ストーリーは、秦王を狙う刺客を倒した無名が語る、刺客を倒した経緯と、秦王が想像した経緯、最後に本当の経緯の3つの話が順を追って再現される。
それぞれの話によって、衣装や背景の色が鮮やかに変わる。
見ている者の脳裏に、強烈なインパクトを与えようとするように。
確かに綺麗だ。インパクトもある。
なのにストーリーが付いていってないな~という感想。
最初の「赤の場面」は陳腐な展開だし(秦王でなくても気がつくかも)「青の場面」は美学で固めすぎる。
やはり真実の「白の場面」が、見ていて一番しっくりくる。
ワイヤーアクションもふんだんに取り入れていた。
香港映画のワイヤーアクションは大好きなのだが、今回の「HERO」では使いすぎの感が否めない。
決闘などのシリアスなシーンで、ワイヤーアクションが多用されており、なんだかコミカルな印象を受けたのだ。
ワイヤーがないほうが、力強いアクションシーンを楽しめたと思うのだが。
しかし、トニー・レオン、今回はマギー・チャンに切られっぱなし。どの回想シーンでもマギーにグサッとやられて、かわいそう・・・。
彼に注目したのは台湾映画「非情城市」からだが、本当に素敵な俳優だと再確認。男前だし・・・。
あと秦王役の陳道明さんが、歌舞伎俳優の中村勘九郎さんにそっくりで、目が離せなかった。(笑)素敵・・・。
スタッフとして、アクション監督に程小東の名があった。彼が監督をした「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」は、私が香港映画にはまるきっかけを作った作品だ。懐かしい。
他にスタッフは、ヴァイオリン演奏にイツァーク・パールマン。
なかなか豪華な顔ぶれである。
豪華なスタッフとキャスト。色彩を際立たせた形式美、とでも言おうか。
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