「萌えの朱雀」というステキな映画を世に送り出した監督、それが
河瀬直美さんです。
ドキュメンタリータッチの作品ですが、登場人物の心の動きがダイレクトに伝わってきて、心揺さぶられます。
河瀬監督はこの作品で、1997 年にカンヌ国際映画祭カメラド-ル賞を受賞しました。
今夜NHKでオンエアされた
「関西もっといい旅」に河瀬監督が出演されていました。
彼女は生まれ育った奈良にこだわり、今も奈良で活動しています。
番組では、彼女のお気に入りの場所を案内してくれるという形で進行していきました。
番組の随所に、彼女の作品「萌えの朱雀」と「沙羅双樹」のシーンが挿入されます。
残念ながら「沙羅双樹」の方は、全部見たことが無いのですが、後半だけはTVで見たことがあります。
どちらの作品も、静謐な印象を受けます。でも退屈じゃない。
ハリウッド映画のようなドラマチックな展開はないけれど、人が人として生きる姿を淡々と、しかし切なく描いています。
「萌えの朱雀」で好きなのは、甥が叔母を慕うシーン。甥が幼いころから叔母は傍にいて、彼が青年に成長したとき、彼女にほのかな想いを抱くんです。そのシーンが瑞々しくて、どきどきしながら見ました。
「関西もっといい旅」の中で河瀬さんは言います。
彼女の好きな奈良町には匂いがある。
匂いは、記憶の過去も未来も自由自在に行き来することができる。
同感です。
視覚、味覚、聴覚、触覚もそれぞれ大切だし、記憶を呼び覚ます効果があります。
でも嗅覚=匂いの比じゃないんですよね。
私も同様の経験があります。
くわしくは
こちらをご覧下さい。
河瀬監督と同じ考えを持っていることに、ちょっとうれしくなった私でした。←単純
「ゆれる」の西川美和監督といい、河瀬直美監督といい、これからが楽しみな映画監督がいて、日本映画も捨てたもんじゃないですね!(私のだ~い好きな是枝裕和監督もいるし!)