アメブロだめだ~~~~!(叫)全然サクサクと更新ができないよぉ~~~。(涙)
で、またまたこちらにアップしますです・・・。(汗)
暗くなった町を、ソンジェは走った。葉子の顔が見たくて仕方がなかった。会って思い切り抱きしめたかった。
『後悔したくない・・・!』
しばらく行くと、一人の男が下卑た笑いを浮かべながら、スイカを持って歩いているのが目に入った。
葉子のアパートのすぐ前だ。
「今夜こそ、あの奥さんをモノにするぞ。ああいうお堅いタイプは、無理やりやっちまったら意外となびくもんなんだ。ヒヒヒ・・・。」
ブツブツ呟きながら歩いていく。
葉子のアパートの階段を上っていくその男は、ソンジェには気付かず、葉子の部屋のドアをノックした。
階段の途中で、ソンジェは様子をうかがう。
「どなた?」
葉子の声が聞こえた。
男は無言でニヤニヤ笑っている。
「・・・ソンジェ?」
葉子が自分の名前を呼び、ドアを開けた。
男はするりと中に入っていく。
ソンジェは用心深く階段を上り、葉子の部屋の前に立った。
ドアの隙間から、中を覗く。
葉子の叫び声が聞こえた。
「やめてください!」
ソンジェは部屋に飛び込んでいった。
葉子の上に、さっきの男がのしかかっている。ソンジェは男の腕を掴んだ。
「なんだ?」
男が振り向いた。
ソンジェは男の横っ面を思い切り殴る。
『誰にも彼女を渡したくない!彼女に指一本触れさせない!』
男はソンジェに殴られた拍子に、自分で持参したスイカに頭をぶつける。
スイカは無残にも砕け散った。
驚いた男は、あわてて部屋から逃げ出していった。
ソンジェは倒れている葉子を抱き起こす。
「葉子さん・・・」
「ソンジェ・・・」
安心したのか、葉子は急にぐったりとした。
「葉子さん?」
驚いて、葉子の額に手を当てた。熱い。
『こんなに熱がある・・・。』
ソンジェは葉子を抱きしめた。
『葉子さん、ごめん。貴女はこんなになるまで体と心を酷使していたんだね。僕のために・・・。』
ソンジェは布団を敷き、葉子を横たえた。氷水で濡らしたタオルで彼女の額を冷やす。
『ずっと看病するよ。貴女のそばにいるから・・・』
夜が明けた。ソンジェは一晩中、葉子の汗を拭き、額のタオルを交換した。体温を測ると、すでに平熱になっていた。
『何か食べるものを・・・。』
台所に立つ。冷蔵庫の中を探し、ミョックの材料を集めた。
ソンジェが野菜を切っていると、葉子の声が聞こえた。
「ソンジェ・・・」
ソンジェは振り向いて微笑みながら言った。
「熱、少し下がりました。ダイジョウブ、治ります。ご飯できるまで、寝ていてください。ミョック作ります。」
葉子の安堵した表情に、ソンジェはうれしくなった。ミョックを作る作業も軽快になる。
「さ、出来ました。食べてください。」
葉子の前に座り、ソンジェはミョックを一匙すくって、彼女の口元に持っていく。
「おいしい・・・」
ゆっくりと口に含み、葉子は微笑んだ。
もう一匙、彼女にミョックを差し出したが、口をあけようとしない。
「どうしたの?」
「なんかうれしくて。よかった、ソンジェが戻ってきてくれて。」
「ごめんなさい。葉子さん、倒れたの、僕のせいです。」
「ソンジェ・・・。」
「葉子さん、僕のために働いて、僕のためにご飯作って、僕のために一生懸命やってくれた。でも僕は、困らせてばかりいた。心配ばかり・・・。僕、葉子さんの気持ち、何も考えないでいました。ごめんなさい。」
ソンジェは心から詫びた。葉子を傷つけてばかりいた自分が恥ずかしかった。
「もういいの。大事なのは、これからよ。私はただ、ソンジェに元気になって欲しいだけ。ソンジェの笑顔が見たいだけ。ただそれだけ。」
「葉子さん」
「ね、ソンジェ、ヤクソクして。」
「ヤクソク?」
「もうどこにも行かないって、ヤクソクして。」
葉子の言葉に、ソンジェは心が震えた。
『こんなにも彼女は僕のことを想ってくれているのに、僕は今まで何をしていたんだ。もう絶対に彼女のそばから離れない。』
ソンジェは葉子をしっかりと抱きしめた。そして柔らかなその唇にそっと口づけた。
『葉子さん・・・』