今年も萬斎さんの新春狂言を楽しみました。1月9、10日に大阪の厚生年金会館・芸術ホールで公演があったんですよね。私は10日に見に行きました。
萬斎さんの新春狂言を、申年から見ることになったので、今年で5回目でしょうか。
毎年その年の干支にちなんだ番組を披露してくれるので、今年は「ねずみ」にちなんだ舞台が見られるんだな~って思っていました。
それでは、今回の番組の紹介を。
謡初 「雪山」 萬斎さんほか、連吟。
レクチャートーク 萬斎さん
「宝の槌」
太郎冠者・・・野村万之介
主・・・・・・竹山悠樹
すっぱ・・・・石田幸雄
「水汲」
新発意・・・野村万作
娘・・・・・高野和憲
素囃子 「神楽」
「松囃子」
万歳太郎・・・野村萬斎
弟・・・・・・高野和憲
兄・・・・・・深田博治
やはり新春は謡初「雪山」から始まらなければ、年が明けたという気がしません。(笑)
今までは萬斎さんや万作さんの独吟が多かったのですが、今年は萬斎さん他の連吟でした。萬斎さん一人で凛とした空気の中での独吟も堪えられませんが、萬斎さんを筆頭に、朗々とした声が重なり合う連吟も捨てがたいものでした。
レクチャートークの萬斎さんも、もう慣れたもので、途中時計を見て時間をチェックしたり。(笑)今年の干支、ねずみが出てくる狂言がほとんどないという話や、数少ないねずみ登場場面を実演してくれたり、毎度の事ながら、とても楽しめました。萬斎さんのレクチャートークを聞いて番組に臨むと、狂言の言葉や場面が無理なく理解できるような気がするんですよね。
さて今年の干支、ねずみはどの番組にでてくるのでしょうか・・・。
まず最初の「宝の槌」は、主人に都に行って宝比べの宝物を買ってこいと命じられた太郎冠者のお話です。ある男に打出の小槌だというモノを売りつけられ、すっかり信じ込んで屋敷に戻った太郎冠者は・・・。
これにもねずみは出てきません。
「水汲」は、見習い坊主役の万作さんがコミカルな動きをする演目。娘が野中の清水で洗濯をしていると、彼女に思いを寄せている見習い坊主がやってきて・・・。
いろいろと娘に言い寄るのですが、なかなか娘はなびかず、とうとう最後に汲んでいた水を頭からかけられます。
そう、それで見習い坊主役の万作さんが言うのです。「濡れねずみ」だって。
出てきましたね、ねずみ。(笑)
動物ではなく、言葉で登場。なかなか粋ではないですか。
休憩の後は、素囃子「神楽」を聴きました。囃子方は若手でしたね。音が青いと感じたのは、偏見かしら?(笑)それでもお囃子の音は好きですね。心が高揚します。
最後に萬斎さん出演の「松囃子」を見ました。
昔は年頭に、祝儀の舞いを舞う芸人がいたようで、縁起モノだというので、年末に米などを差し入れし、年頭に舞いを舞ってもらうという習慣があったようです。その芸人が万歳太郎で、昨年末に米をもらえなかったので、しぶしぶおなじみの兄弟のところへやってきます。簡単に舞を済ませてしまおうとする万歳太郎と、差し入れを忘れている兄弟とのやりとりがおかしく、ようやく米をもらえることになった太郎が、喜んでいつもの舞を舞う場面は、とても華やかで見ごたえがありました。舞いの途中で側転が連続3回ほどあり、狂言の衣装を身につけたまま、萬斎さんは見事に側転を決めたのでした。ふふふ、ジャニタレにも負けないほどでしたわよ。
今年もこうして新春狂言を堪能したのでした。
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