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カテゴリ:古典芸能・観劇
行ってまいりました、「グリーンフィンガーズ」
当日を迎えるまで、何らかの事故や急用があって見にいけないような事態にならないように、祈っておりました。そして当日も、自分が乗った電車が事故で遅れないか、観劇前に食べた昼食でお腹をこわさないか・・・ありとあらゆる災難を想像して、ドキドキしていたオバカな私です。 ま、ちゃんと見ることができましたけどね。(笑) 先のケータイ更新日記にも書きましたが、相葉ちゃんは天使の美しさでございました。はい、彼の背中に羽が見えましたわよ。彼の一挙手一投足を見逃さないように神経を集中させていたのですが、それはもう芸術品のような美しさでした。 相葉ちゃんについては後でめいっぱいお話しするとして、まずはお芝居そのものについての感想を。 ストーリーは、堀も鉄条網もない開放型刑務所エッジヒルに一人の孤独な青年コリンが移送されてきたところから始まります。何事にも関心を示さず、一人で過ごすことが多いコリンに、ルームメイトの老囚人ファーガスは、何かと世話を焼きます。病気療養のため部屋をあけていたファーガスは、自分のいない間に、コリンが自分の世話している植物に水をやってくれていたことを知り、クリスマスの日、コリンにお礼の気持ちでスミレの種を渡します。最初は嫌がっていたコリンでしたが、無造作にばらまいた種が翌春美しい花を咲かせたことを知り、少しずつガーデニングに興味を示します。それを知った刑務所長は、コリンの他数名の囚人達に更生プログラムの一環として、刑務所内でガーデニングを命じます。花を育てるうちに、彼らは打ち解けはじめるのですが・・・。 以下ネタバレありです。明日の千秋楽に行く方、ネタバレが嫌な方はご覧になられないように注意してくださいね。 ストーリーは実話を基にしているそうですが、なんとも起伏が無くて面白みに欠けていました。原因は脚本?演出?それとも役者?う~ん、どれも当てはまるかもしれませんね。 相葉ちゃんがパンフに書いていますけど、場面転換が早くて1シーンが短すぎますね。こんなにパッパと場面が変わるのなら、不必要なシーンもあるんじゃないかと思えてきます。登場人物の気持ちもつかめないまま、やたら場面が変わっていきます。私は彼らの心の動きをじっくりと見たかったですね。強盗や殺人という罪を犯した男達が、どのように罪の意識を感じているのか、どのように自分自身を更生させたいと思っているのか、それをガーデニングを通してどのように消化させようとしているのか、もっと感じたかったです。 あれよあれよと言う間にガーデニングが始まり、すっかり善良になった囚人達を見ても、あまり感動しませんでした。もっと苦しんだはずなのに。 それはコリンも同じです。最愛の弟を殺してしまったという罪の意識に苛まされている彼が、ダブルバイオレット(スミレ)の花が咲いているのを知り、ガーデニングに更生の道を見つけるのですが、なぜコリンが急にスミレを愛おしく思ったのか、彼の心の動きがよくわかりませんでした。彼のどこが天才庭師なのかも、よくわからなかったし。伏線が少ない脚本だという印象を受けましたね。 コリンがファーガスに、自分の罪を告白する場面も、相葉ちゃんが本物の涙を流していて熱演していたのですが、イマイチ弟殺しの苦悩が伝わってこなかったです。というのも、自分のガールフレンドが、自分以外の男とベッドの中にいたため、逆上して相手の男を殴り続けたら、男はぐったりしてしまった、それが弟だったという話なのですが、ガールフレンドに対してのコメントが無いんです。弟を殺してしまったショックもさることながら、弟が彼女を寝取ったという事実に対しての苦悩や、彼女が自分を裏切ったことに対する憎しみの感情が感じられないんです。ただ自分が最愛の弟を殺してしまったという事実にのみ捕らわれているような印象を受けました。殺人に対してもですが、きっと男女間のもつれに対するモヤモヤも抱えたまま生きてきたはず。それをもっと出してくれれば、コリンの屈折した年月が感じられたのにと残念でした。 流石にファーガス役の平幹二朗さんは名役者でした。セリフはささやく場面でもクリアに聞こえましたし、凶悪な殺人者としての過去も感じさせつつ、コリンに気を配るファーガスをきちんと演じていました。 ただいつのも重厚な役でもストーリーでもなかったので、最初は拍子抜けしましたけどね。(笑) コリンとプリムローズの恋愛も、『いつ好きになったの?』と首をかしげるばかりで、主人公に感情移入できなかったですね。黄色いバラを彼女に渡して別れてしまったのに、いとも簡単にヨリが戻ってしまったし。 フラワーショウに出す庭園も、ワイルドフラワーや香りを感じる庭がテーマなら、いっそのこと会場に香りを感じさせる工夫をすれば、観客が庭園にいるというイメージを抱きやすかったのでは? お話の展開が早くて、ストーリーを表面的になぞるだけの舞台になってしまったようで、とても残念です。 罪を犯した人間の罪の意識については、今私が観ている韓ドラ「インスンはきれいだ」がとても丁寧に描いていて、秀作だな~と思っているのですが、同じようなテーマだっただけに、「グリーンフィンガーズ」はもうちょっと囚人たちの更生に至るまでの心の動き、罪の意識をきちんと描いて欲しかったです。 ラストシーンも、まだ続きがあるとばかり思っていたら、あっさり終わってしまって肩透かし状態でした。 でも・・・ここからは相葉ちゃんファンとしての壊れた感想になりますが・・・・。 演技はそれほど評価しませんが(ごめん、相葉ちゃん)天使的清らかさの存在感はピカイチでございました。彼が舞台に出てくるだけで、そこがふわっと明るくなるような・・・。 ええ、ええ、見えましたとも。相葉ちゃんの背中には天使の羽が生えていました。あの透き通るような、それでいて太陽の色をした微笑に癒されないわけにはまいりません。 ファーガスの好意を無視してベッドに横になるコリン、いや相葉ちゃんの体のラインの美しいこと!まさに芸術品でございました。小さな頭から首、わき腹、腰、足に至るラインや、うつぶせになったときの頭から首、背中から腰、臀部、足に流れるラインの美しさは、もう言葉を失ってしまうほど。やはり彼はアイドルなんですね。存在するだけで光を放つという。 あ~、相葉ちゃんのお父さん、お母さん、相葉ちゃんを産み育ててくれてありがとう!この世に彼という存在を生み出してくれてありがとう!といいたい心境です。 いいの、いいの、相葉ちゃんはそこにそうして生きていてくれるだけで充分なのよ~としみじみ感じてしまいました。 そうそう、今回の舞台でもう1つ良かったと感じたのは、大沼遼平クンという役者さんを見つけたこと。無口なヒルツ役がよく似合っていて、とてもキュートでした。どことなく「コーヒープリンス1号店」のユン・ウネに似ています。(笑)スタンディングオベーションのとき、音楽に合わせてリズムを取っていたり、観客に向かってピースをしたり、手を振ったり、そんな仕草がとても可愛かったです。これからちょっと注目してみたい俳優さんです。 これから後のお楽しみは、25日発売の国立DVDと、5月の美輪さんのお芝居と、7月の萬斎さんの狂言と・・・でしょうか。嵐の今年のコンサートもめちゃくちゃ楽しみですけど、一体いつになるんでしょうね。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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