サンタのおばさん 文 東野圭吾 画 杉田比呂美
小説家 東野圭吾が書く童話。しかもサンタのおばさんについて。
サンタの会議で、欠員サンタの代わりにやって来たのは、中年女性だった。驚く他のサンタたち。しかし会長サンタがみんなに問いかける。
「なぜサンタクロースは男性だと決めてかかるのかね」
博学のオランダ・サンタが言う。
「聖ニコラスが男性だったからです」
しかし聖ニコラス=サンタクロースではないと反論される。
日本サンタが言う。
「サンタクロースは父性の象徴だと思うのですが」
日本では父親の地位が失墜しており、そんな中で男性ではなく、女性のサンタクロースが現れたら、子どもたちは父親のありがたみを感じなくなる、サンタクロースは父親たちの最後の砦だと訴える。
カナダ・サンタは、サンタが父性の象徴とは限らない、肝心なのは子どもを愛する心だと反論する。それぞれの意見を主張するサンタたちの言い争いが始まり......。
思い込みが偏見を助長していたということが、よくわかるお話。サンタクロースは白人男性だと決まっていた?その根拠は?
東野圭吾氏がこういうジェンダー問題を取り上げた作品を書いていたとは知らなかった。
サンタクロースのおばさんが、スカートをはき、化粧をするところでは、「?」と思ったが、他の部分きちんとジェンダー問題を捉えていると感じた。
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最終更新日
2016/03/06 12:09:53 AM
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