和菓子のアン 坂木 司 光文社
梅本杏子、18才。高校を卒業後の進路に迷っていた。勉強が好きでもないのに、大金を払って大学に行くのはもったいない。しかし就職となると何か違う。そして向かった先はデパ地下。そこで出会った和菓子屋のみつ屋でアルバイト始める。
何しろ食べることが大好きで小太りLサイズの杏子なのだから。
店長の椿に店員の立花、アルバイトの桜井。一癖も二癖もある人たちに囲まれ、さまざまな事情を抱えた客とのやり取りをこなし、杏子は和菓子の奥深さに魅了されていくのだった。
杏子(立花にアンちゃんと呼ばれている)のキャラクターがまず魅力的。彼女の家族も良心的で、読んでいて気持ちいい。
客がなぜ和菓子を買いに来るのか。ミステリーのような謎解きが面白い。そして謎が解かれた時の爽快感。和菓子と同様、文献に残らないような市井の人たちの営みこそが尊いのではないだろうか。
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最終更新日
2016/08/16 05:18:01 PM
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