2010/09/25(土)15:12
窮すればすなわち変ず/北尾吉孝・著
窮すればすなわち変ず/北尾吉孝・著
縁あってSBIホールディングス・CEOの北尾さんの著書を数冊いただきました。
この本は北尾さんが書いているブログを元に編集されています。
ちょうどリーマンショックが起こった直後から1年ぐらいの間にかかれたブログが元になっており、激動する世界経済の中で、日本企業がどう行動すべきか?という一つの考え方を提言しています。
その中で、日本が低金利政策をとって景気対策を行っても、欧米の利下げが激しく、金利差が縮小することで金融政策は意味がないことを語っていますが、まさに昨今円高に苦しんでいる状況を言い当てていると思います。
しかし、リーマンショックはアメリカの金融システムの問題であり、日本の金融機関は問題ない、なのに日本の株価がこれだけ下がるのは理屈に合わないと言っています。
当時私もそう思っていましたが、実際にはもう一つの問題、つまり、日本経済がかなりの部分、直接、間接的に輸出依存であったということです。
輸出がGDPに占める割合は10数パーセントであることから、内需拡大で金融危機を乗り切っていけるという話が出てきますが、雇用問題を含めて、間接的には輸出の減少が大きな影響を受けていることと特定の国(アメリカ)への依存度が高いことで、むしろ日本への影響は大きく、また、回復が遅れているということは否めないと思います。
もう一つ、この本の特長として、北尾さんが中国古典に精通し、経営方針にも取り入れられているということで、色々な古典の教えを紹介されています。
これには共感する部分が多く、学生の頃、論語は結構好きだったなあと思い出しています。
中国古典を勉強してみたいという気持ちになりました。