ワイドビュー「しなの」と「姨捨駅」
まずは名古屋で所要を済ませ、みどりの窓口へ駆け込んで長野行き特急「しなの」の切符を購入。出発まで30分ほど時間があるので、名古屋のデパ地下にて旅のお供も調達しておくことも忘れない。待ち構えているのは16時ちょうど発の383系特急。カーブの多い路線のための振子式電車である。名古屋を出て市街地を走っていたかと思うと、ほどなく山間部に入っていく。1時間足らずで中津川駅を過ぎ、線路は木曽川に出会う。列車はしばらく木曽川に沿って右に左にカーブし、その度に車内が大げさに傾いているように感じるのはアルコールが回ってきたせいだけではないだろう。。。高島屋の地下で買った味噌カツ、飛騨牛のコロッケとミンチカツ。沿線の風景も楽しみながらビールが進む。塩尻着17:51。ここから列車は中央本線と分かれ、篠ノ井線に入っていく。数分で松本に着き、途中下車して松本電鉄に乗り換える衝動に駆られるが、本日の大きな目的のために我慢。やがて車内放送で日本三大車窓のひとつ「姨捨」にさしかかることが告げられる。車窓からはジオラマのような善光寺平が見渡せる。しかし、注意して見ていたが姨捨の駅舎らしきものは通過しなかった。この謎は後ほど判明。やがて30分ほどで終点長野に到着。すぐにみどりの窓口に駆け込み「信州北回廊パス」を購入。もう19時になっていて1日分はほぼ無駄になってしまうが、それでもこの後の計画には価値があると自分で納得。ひとまずホテルにチェックインし、時刻表を確認し、長野駅に向かう。と、駅の改札横で何やら妙な賑わいが・・・つられて入っていくと立ち食いそば屋だった。そうだ、信濃に来たからには、そばを食せねば。「かきあげ山菜玉子そば」を5分で平らげ、いざ篠ノ井線ホームへ。目指すは夜の姨捨。長野20時49分発の上り篠ノ井線は通勤、通学の客でそこそこの乗車率である。稲荷山を過ぎしばらくすると電車は突然停車。そしてバックする。。。スイッチバックか?客は誰一人として気にとめた様子は無い。しばらくすると車内放送で特急電車の通過待ちであることが告げられる。後で調べたところ、ここは桑ノ原信号場というスイッチバックで列車交換をする場所らしい。特急通過後、再び列車は進行方向を変え、ほどなく停車。バックして姨捨駅に入っていく。今日二度目のスイッチバック体験。ただ乗客にとっては毎日の出来事であるらしい。眼下の車窓に見入る人も皆無である。そして姨捨で下りたのは私一人。ホームにはおじいさんと孫らしき二人が夜景を眺めていたが、ほどなく去って行かれた。しばらくは善光寺平の夜景を独り占めにする。駅の周囲を散策しようかと足を踏み出したが、あまりに寂しげな場所なのですぐに戻る。蛙の鳴き声がやけに賑やかである。特急で通過した時に駅を確認できなかったのは、駅がスイッチバックの端側にあったからで、駅舎を通過しなかったからだと気づいた。(ちなみに肥薩線は運転手が一人なのでスイッチバックの際には運転手が反対側の運転席へ移動する「セレモニー」があったが、こちらは前後に運転手が乗っているらしく突然バック運転が始まるという感じであった)21時46分、下り電車にて長野に戻る。明日は信州北回廊パスを目一杯使う予定である。にほんブログ村 鉄道ブログ ローカル線へ