2004/02/25(水)00:33
おにぎりテレビ
じいちゃんの夢を見たので、じいちゃんの事について書かいてみる。
じいちゃんは、90歳で映画好き。
でも、耳が遠いので字幕つきの洋画ばっかり観ている。
「第三の男」、「マルタの鷹」のようなフィルム・ノワールが大好き。
かと思えば、ルノワール、小津・・・何故かトトロも好きらしい。
バットマン・フォーエバーは最初のバットマンより全然イケテナイってそういえば熱く語ってたなぁ・・・。
そして、年間何百本と観た映画をいちいち記録するのが日課。観た日、監督・役者・プロダクション名は勿論の事、じぃちゃん的感想もきっちり小さなノートにとっている。何気にコマメ。
会いに行けば、決まって
わしが、死んだらひねもすにこれ全部譲るわ。だぁ~れも他に貰ってくれる人いいひんしなぁ・・・。いらんかったら煮るなり焼くなりしておくれ」
・・・と呟く。
ノートも良いけど、彼が持っている何百本もの映画ビデオも一緒に貰えるので、正直嬉しかったりする。
ありがとう♪でも、まだ逝かないでね~♪
そんな、じぃちゃん。ばぁちゃん(前書いたばぁちゃんは母方で、こっちは父方の祖父母)との会話がなかなかいけてる。
ある日、NHKの暮らし系健康番組を親戚で見ていた時・・・。
じぃちゃん「ばぁさん。ばぁさんやぁ、アレなんやったけ?ホレ、あのぉ~・・・テレビ番組。お昼にやってる・・・ほれ、あれやぁ・・・・・・・・・イブ・モンタンが出てるやつ」
ばぁちゃん「はいはい。あ~、イブ・モンタンですか。あれは、おきにいりテレビでしょ?」
じぃちゃん「えぇ~??なんやてぇ??」
(左の耳にしか補聴器をつけているのに何故か右耳に手をあて聞き返す)
ばぁちゃん(1トーンでかい声で・・・)
イブ・モンタンのおきにいりテレビ!!!
じぃちゃん「そぅや、そうや。おにぎりテレビやった・・・」
・・・・・・・・・・
説明すると、じぃちゃんとばぁちゃんはどうも、みのもんたのおもいっきりテレビについて話をしてたらしい・・・。ちなみにイブ・モンタンとは既に他界したフランスの名歌手・名優。
流石、映画好き。この辺の記憶は絶妙。
記憶のぶっ飛びと難聴から来る暗号めいた会話のやり取りは、新鮮そのもの。下手な漫才より全然イケてる。
話題はテレビアニメの話になり、初代ガンダムの素晴らしさついて、従兄弟(中学生)に僕が語ってると・・・じぃちゃんも頑張って孫に話を合わせようと、最近のサブカル系のネタ振り。
「あれぇはぁ~なんやったっけ。最近はやってるテレビ漫画。おばけが出てきて戦うやつ」
ひねもす「ゲゲゲの鬼太郎?」(古い)
じぃちゃん「ちゃうちゃう。えっと・・・」
ここで、会話は途切れたが、夕食時に、
じぃちゃん「そや、思い出したわぁ!あれぇやぁ!」
ボケもん!!!
・・・・・・・・・
っま、ポケモンと間違ってる事は一目瞭然。
すると心無い従兄弟が・・・
「ボケもんはじぃちゃんやぁ・・・」
っと無常な突込みをボソッとする。
なのにもおじぃちゃんは万遍の笑!?
おぉ!オトナ!っと思った瞬間、
えぇ?なんやてぇ?
どうやら聞こえてなかったらしい・・・。
そんなじいちゃんも今ばぁちゃんが倒れて病院暮らしなので、淋しげ・・・。
あの、二人の絶妙な会話が早く見たい。
教訓:あの素晴らしいボケをもう一度ぉ~♪ひ孫の顔見るまで死んだらあかんでぇ~!長生きしてね♪