母の気持ち 妊娠~出産私が妊娠に気付いたのは、あと1月弱で結婚記念日という8月の終わりだった。 いや、その前から生理が遅れていることには気付いていてなんとなく 「妊娠したかも」という予感めいたものがあった。 8月の終わり私は深夜から朝にかけて、胃の痛みに苦しんでいた。 とりあえず午前中は仕事を休もう。 お昼近くになると胃痛もなくなり体調も元に戻ったので仕事へ行く準備をしていた。 トイレに入ったときふと目に付いた「妊娠検査薬」 そろそろ期限も切れるし・・・ そんな軽い気持ちで試してみると見事に「陽性反応」 かなりびっくりした。 ちょっと動揺してしまい、そのまま産婦人科へ。 まだ何も確認はできなかったが、それから10日後 私のお腹なの中に小さな命が宿っていることが分かった。 「そろそろ子供できてもいいかもね」 そういい始めて3ヶ月目の出来事だった。 妊娠中は極めて良好。 予定日は5月9日。 私は3月20日まで仕事をした。 おかげで体重が増えすぎることもなく順調にその時を迎えたのである。 陣痛が始まったのは5月2日の夕方だった。 1~2時間おきにお腹が鈍い感じになった。 「最近便秘だからかな・・・」 深夜0時。 便秘にしてはちょっとひどすぎるぞ! 布団とトイレを何度も往復した後、やっとこれが陣痛ということに気がついた。 車の通りが少なくなったバイパスを旦那が車を走らせる。 「やっと会えるんだね、頑張ろうね」 そんな話しをしながら産院へ向かった。 ところが陣痛は長かった。 子供は「回旋異常」で普通は後頭部から出てくるはずなのに、おでこから出てこようとしている。 そのために陣痛はどんどん遠のき、子宮口は開かずかなり苦しんだ。 陣痛促進剤を使い、やっとのことで子供が出てきた! 2003年5月4日午前3時42分 大きな産声と共に紗佳誕生。 へその緒でつながれたままの紗佳をお腹の上に乗せられたとき、何とも言えない幸せな気分に包まれた。 「やっと会えたね・・・」 初めて対面したときの旦那のあの嬉しそうな顔。 一生忘れることができない。 ・・・なのに、それから数時間後。 紗佳はドクターカーに乗せられ、一人大きな病院へと運ばれていきました。 ふらふらの体で私は紗佳を見送りました。 あまりのショックに名前さえ呼んであげられず、ただ小さなその手を握り締めてあげることしかできませんでした。 |