残しておきたい気持ち紗佳が産まれる少し前に、私の実家には2代目となるクレープードルのラッキーがやってきました。 そして、紗佳が産まれてから。 ラッキーは赤ちゃんの紗佳がとても気になる様子で、私達の目を盗んでは部屋に入り、紗佳の顔をなめ遊んでいました。 紗佳が少し大きくなった頃。 まだズリバイも出来ない紗佳に向かって「こっちへ来い!」とばかりに吠えいつしか紗佳はずりばいが出来るように。 紗佳がお昼寝をしている時は、まるで紗佳を守るかのように足元にそっときて一緒に眠っていました。 紗佳が2歳になる頃には、立場は逆転。 いつしかラッキーをハイハイで追いかけるように。 そしてボールを投げて一緒に遊ぶようになりました。 まるで兄弟のように。。。 紗佳が初めて口にした2文語は「ワンワン おいでおいで」でした。 一人っ子だった紗佳にとってラッキーは兄弟のような存在。 そして知的に障害のある紗佳にとっていい先生でした。 ところが・・・ 紗佳、2歳8ヶ月になったある日。 ラッキーは突然3歳半という若さでこの世を去ってしまいました。 まだ少しぬくもりのある、でも硬直してしまったラッキーを紗佳は一生懸命起こそうとしていました。 頭を撫でてみたり、毛を引っ張ってみたり。 やってはみたけど反応のないラッキー。 紗佳は怒り出してしまいました。 帰宅するまで怒っていました。 そして。。。 数日たって実家に連れて行くと、紗佳はラッキーがいつもいたテーブルの下を一生懸命探していました。 いつものようにラッキーの大好きな音のなるボールを投げていました。 ボールを投げるとどこからかラッキーが出てくると思ったのでしょう。 何をしても「ラッキー」と呼んでも、もう出てくることのないらっきー。 紗佳は顔をクシャクシャにして、とてもとても悲しい声を出して泣き始めました。 それを見ている親は、とても辛く切なく、胸が張り裂けそうになってしまいます。 障害があるから、小さいからまだわからないだろう。 正直そう思っていました。確かに「死」というものを理解はしていません。 だけど紗佳は・・・ ラッキーにはもう会えないと言うこと、これがとてもとても悲しいということはしっかり分かっているようです。 実家に連れて行くたびに、しばらくはこんな状態が続くのだと思います。 でもいつかは忘れてしまう日がくるのかな? まだ言葉が出ないので私に「悲しい」と言うことはありません。 だからこそ残しておきたいと思いました。 ラッキーの記録ではなく、紗佳の成長の記録として初めて「とても悲しい」という経験をしたということを・・・ 何気なく撮ったこの写真が、まさか最後になるとは思いもしませんでした。 ラッキー、安らかに眠ってね ジャンル別一覧
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