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やさしく、ありたい

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2019.09.08
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カテゴリ:嬉しかったこと

突如前回突如、父方の祖母の家へ行くことになった。
その前に会ったのは春先だった。

祖母の家は高台にある。そして険しい石段だ。
一度母が足を踏み外して怪我を負ったことがある。
血だらけで抱えられて帰宅した母を見て驚いた記憶がある。
その後、祖母が私にだけ、
「ばあちゃん、つらくてつらくて」と打ち明けていた。
見送っていたら目の前で嫁が落ちたのだ。辛かっただろう。

この年になると、祖母は意外と私の伯父や私にだけ本心を打ち明けていたりして、
何気なく母に話したりしたら、母がかっと顔つきが変わったりして、
ああこれがいわゆる嫁姑という立場なのだなと思った。

けれど一番あてにしていた伯父が病気になり、認知症を患い、
ホームに入所してしまってからはごく少数の人間しか識別できなくなった訳で、
父が一層祖母のお世話をすることになった。
もう一人伯父がいるが、何度も父と衝突している・・・

祖母の家は本当に山の中なので、トイレはリフォームしてあるが、
お風呂と洗濯機は外の小屋だ。
そしてむかしの家なのでエアコンもない。夏はできれば行きたくない場所だ。

春先、朝早くから祖母の家へ走ったのは、父が免許証を忘れていったからだ。
というかカバン丸ごと忘れていってあり、携帯電話だけは持っていて、
「あんた不携帯で捕まるよ」と電話すると、「まぁいいわい」とは言うものの、
「おまえ持ってきてくれるか?」と問われ、私はそのころうつ状態で、片道30分の
道を運転するのも怖いなと思っていた。
パニック障害も起きていた。

「ゆっくり行くよ」と答えて家を出た。
なぜ父が外出していたかというと、前述したとおり母も落ちたので、
危ないと思い、回り道になるが、父が木材やらむしろやら敷いて釘でうちこみ、
安全な道を作っていたのだ。たしか同級生の方にも声をかけたという話で、
吐きそうになりながら、祖母の家へたどり着き、山道をのぼっていたら、
大きなトラックが停まっていた。
「おはようございます」と声をかけながら歩いていくと、父がいて、
「ばばの家に入れといてくれ」と言われたので、祖母の家に上がったら、
(チャイムが鳴っても祖母は補聴器を外している場合があるので気づかないから
勝手に入る仕組み)
薄暗い部屋の中でヒーターも入れず、うつらうつらしている祖母がいて、
「ばぁちゃんばぁちゃん寒ないけ?」と大声で声をかけたら、
祖母は白内障で目もよく見えないので「だれ?・・・」とつぶやいていて、
私が名前を言うと「よぅ来てくれた」と補聴器を耳に入れていた。
こんな真っ暗な中で、とか炬燵の電源も入ってないよ?とか言った気がするが、
「入れてなかったけ?」とかいう。
「ヒーターだけ入れておくよ!」と伝え、父のカバンを置かせてくれと伝え、
尚且つそのころ母の調子も悪く、血圧が安定せず寝たきりだったこともあり、
「すぐ帰らんなんからごめんね! また来るちゃ!」と祖母に言い残し、
半年が経っていた。

家族で(祖母の家を掃除するため購入した掃除機や布団を父は持ってきた)祖母の
家に入ると中には誰もいなくて、祖母は畑にいた。
声をかけてもやはり誰かは解らなかったらしい。しばらくすると
「よぅきた」と家の中に一緒に入った。
その日私は父の付き合いで立て続けに緊張する場所に赴いていて非常に疲れていて、
なんというか躁状態だった。
だから、あんまんとかカレーまんだとかお菓子だとかそんなのを、父はコンビニで
弟と山のように買い、いつもこの二人はドライブに行くとこうなんだろうか…と
驚きながら、3人で2千円以上の買い物をし、
いざ、祖母の家へ行くと汗びっしょりになっていて、とにかく水分が欲しくて、
祖母の家の冷蔵庫から烏龍茶をもらって全員で飲んでしまった。
いま思えば、あんまんだのそんなのはいいから、冷たい飲みものを持参すべきだった。
薄暗い台所でコップを洗ったりしながら、祖母がなにげに
「あんた、こればぁちゃんの若いころの下着。いらんけ。着れるやろ」

えーーーーーー!!ばぁちゃん、さすがにそれはちょっと!!
時代が時代ですよ。サイズがどうのじゃないですよ。下着くらい自分で選びたいよ!

と声を大にして言いたかったが、私は外孫として育ってるので、
あとお年寄りにはあまり強い言葉で言えず、まぁ結局のらりくらりと断った。

後日、父がデイに祖母の送迎に行った日、私がすごく明るくなっていたね、
と喜んでいたと話した。
すみません、たぶん、躁が入っていて、ちょっと口数が多かったり、身振り手振りが
大きかったのでしょう・・・
けれどそんなことは祖母にも父にもいわない。言っていいことはない。

そして先月のおわり、祖母は99歳の誕生日を迎えたそうだ。
「こんなに長生きしても」と寂聴さんみたいなことを口癖のようにいうが、
祖母は一人で父含め3人の兄弟を育てたシングルマザーだ。
ガッツは人一倍ある。猛暑にも負けない強さがある。愚痴や話が始まったら長いが、
幸い認知症もそんなにない。

いまの暑さがひと段落したら会いにいこう。
(この暑さであの家はちょっと私がしのげない・・・)
ばぁちゃんおめでとう。







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最終更新日  2019.09.08 15:56:15
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