自殺・・殉死・・乃木希典
自殺のうち、自殺の原因というか目的が、主人・王様などの死とともに自分も後を追って死ぬ場合を殉死という。主人・王様の死とともに死ぬ場合でも、強制的に殺されるのは生贄であって殉死ではない。さて、「殉死」司馬遼太郎著、文春文庫である。私がこの本を読むのは2回目です。ほとんど忘れていました。今回はかなり感動しましたね。この本は明治天皇の崩御に殉死した乃木希典の物語です。乃木はもともと長州(今の山口県)の人で、軍人。だから乃木将軍と通称されていました。私には乃木希典という人は、子供心に“偉い人”という潜在意識がありました。私は第2次世界大戦終戦の1945年に小学1年生でした。この時代の日本人にとって乃木将軍は英雄であった。1904年に始まった日露戦争において、乃木は日本海のロシア側旅順港を見下ろす高台にあるロシアの要塞を陥落させた英雄ということになっている。しかし、司馬遼太郎の本によると、乃木将軍が有名になったのはジャーナリストのおかげのようだ。真実は・・・・乃木は戦争が全く下手だった。旅順攻略では6日間で16,000人の死傷者を出した。数日で陥落させると言っておきながら150日経っても陥落させられなかった。旅順要塞、実際はそのそばにある203高地を奪取した戦の指揮官は児玉源太郎である。彼は乃木に代わって指揮を執り、乃木が150日かかっても落とせなかった203高地を僅か4日で落とした。では、なぜ、乃木将軍が有名になったのか?それは、司馬遼太郎さんの「殉死」を読んでください。http://bencharong.info/