リリー・フランキー「ボロボロになった人へ」
先日、恩田陸著「夜のピクニック」を読んだ。その解説で、「夜のピクニック」は第2回本屋大賞受賞作であること、第1回は小川洋子さんの「博士の愛した数式」、第3回がリリー・フランキーの「東京タワー、オカンとボクと、時々、オトン」であると知った。本屋大賞の本は当たりはずれが無いので、その2冊も読んでみようと思いBOOK OFFへ行った。しかし、2冊ともなかった。それで、同じ著者の本を1冊ずつ買ってきた。その1冊が、この「ボロボロになった人へ」である。結論だけ言うと、全然面白くなかった。6つの短編を収めた本である。6つとも、主人公もほかの登場人物も世間の平均から外れた社会的、知的に底辺の人たちであり、その生活行動や考え方も常識から大きくずれている。なるほど、そういう考えの人もいるのかとは思ったが、だからどうしたと言うこともなく、高齢で平均的な人生を送ってきた私には何の教訓にもならず面白くもなかった。文章も上質とは思えなかったし、この人の「東京タワー、オカンとボクと、時々、オトン」が本屋大賞に輝いたなどということが信じられなかった。それで、「東京タワー、オカンとボクと、時々、オトン」を新本で買って読んでみようか迷っている。