私の音楽的生活

2008/02/21(木)16:32

母べえ

映画(44)

大学生の娘がスキー合宿のため、今朝6時過ぎにあわただしく出かけて行きました。 私は、朝5時起きしてお弁当のサンドイッチをつくり、バス停まで送って行きました。 大きな荷物を抱えて娘はバスに乗り込んで行きました。 スキーは生まれて初めてなので、怪我しないように祈るのみです・・・ だいたい、普通に道を歩いていて有り得ない形でコケて怪我をしたりする娘のことですから、スキー場で何があってもおかしくないのですけどね(笑) さて昨日は、久々に暇だったので映画を見てきました。 以前から見たいと思っていた「母べえ」です。 昭和の日清戦争から第2次世界大戦の頃を舞台背景に、吉永小百合演じるしっかり者の母と2人の娘、そしてそれを取り巻く人々の、「普通」の日常の様子をていねいに追ったドラマでした。 ドイツ文学者の夫が思想犯の容疑で逮捕され、残された妻(母べえ)は小学校の教員として働きながら、女手一つで子ども達を育てます。 その家族を何かにつけ助けてくれるのが、夫の妹と、夫を「先生」と慕う教え子でした。 浅野忠信演じる教え子は、美しい先生の奥さんに恋心を抱きますが、その想いを一言も口にすることなく、奥さんや子ども達に暖かく接し、やがて徴兵され戦死していきました。 その秘めた男心の美しさ、潔さに、思わず涙してしまいました。 こういう場合、たいていの恋愛物語は、自分の気持ちを抑えきれず、相手に迫ってすったもんだを繰り広げるのが常套です。 しかし、心の底から相手を想うからこそ、自分の想いを固く封印して、ただただ相手に尽くしていく・・・、そんな昔の日本人の美学を感じました。 教え子の想いを義妹から知らされた「先生の奥さん」は、一瞬驚きますが、それでも変わることなく今までどおりに接していきます。 夫不在で心細い時、慕ってくれる男性の愛情にすがりつきたい気持もあったかもしれません。 でも、そこに囚われることなく、この女性もまた、たくましく自立した生き様を見せてくれました。 何でもかんでも自分の心の欲望の趣くままに生きたがる現代人が忘れてしまった人の心の温かさと優しさと強さを感じました。 相手の幸せを本当に願う時、自分の心に起ってくる様々な感情を抑制していくことも大切なんだと思いました。 情に溺れず、何よりも自分の生きるべき道を貫く強さが、この時代の人々にはあったのかもしれません。 襟を正して、正座をしなければ・・・・(笑)、と思わせてくれる映画でした。 また、映画には戦争の残酷さ、馬鹿らしさ、洗脳の恐ろしさについても、痛烈に描かれていました。 今の時代、私達も洗脳されていませんか? 現代では明らかに「おかしい」と思えることが、戦争中の日本では「常識」とか「正義」の名の下で正当化されていたのです。 国が提唱する「常識」と「正義」に逆らえば「非国民」として逮捕されたのです。 今の時代の「おかしさ」に、今気付く人は少数派です。 それに気付いてしまった、ドイツ文学者の「夫」は逮捕され獄死しました。 今の時代にも、似たようなことが起こっているのではないでしょうか? 昔のようにあからさまな弾圧はないでしょう。。。。しかし、目に見えない弾圧、目に見えない制裁が、日々、正当化されて行われている・・・そんな気がしました。 最近のマスコミの、一方的な「批判」調の報道に、背筋が寒くなる想いをしている1人です・・・・母べえ母べえ

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