私の音楽的生活

2008/02/23(土)11:17

マーティン・スコセッシ監督の「クンドゥン」~ダライ・ラマ14世物語り~

映画(44)

今、WOWOWで、マーティン・スコセッシ監督特集をやっていて、先日は「クンヅゥン」という97年の映画をやっていました。 私もこの映画については初めて知ったのですが、内容は現在、インドに亡命しているダライ・ラマ14世の半生記です。 ご存知のように、現在のチベットは中国の侵略に遭い、ダライ・ラマ14世は18歳の時、インドへ亡命しインドにチベット亡命政府を設置しました。 私は昨年、チベット仏教のイベントに行き、そこで現在のチベットの窮状に付いて知りました。 http://plaza.rakuten.co.jp/sweetrendezvouz/diary/200705070000/ http://mixi.jp/view_diary.pl?id=425313923&owner_id=4375937 以前から、多少は知っていたつもりでしたが、チベットは中国により、文化も伝統も破壊され、人々は満足な教育も受けられないそうです。そのため、わずか8歳くらいの子ども達が命を賭けて、雪のヒマラヤを越えて、ダライ・ラマのもとに亡命してくるのです。 その途上で死んでしまう子どももたくさんいるそうですが、それでも毎年、親達は子どもを亡命させます。 中国に支配された現在のチベットには夢も希望もなく、ただダライ・ラマのもとに行くことだけが人々の希望だということです。 (ここまではチベット仏教のイベントで紹介されていた「現在のチベットの置かれている状況」についての説明でした) さて、ここから映画の話になりますが・・・ 映画を描いたのは、外国人監督のマーティン・スコセッシですが、本当に良くチベットの文化や宗教を理解して描かれていると想われます。 農村で生まれたわずか6歳の子どもが、突然現れた僧から、「あなたはダライ・ラマの生まれ変わりです」と言われ、宮殿に連れて行かれます。 チベットでは、人々は何よりも仏教を大切にし、ダライ・ラマを中心としたラマ僧を尊敬しています。 これは、私が何かの本で読んで知ったことですが、チベットには一家に1人、お坊さんになれば、その家族は守られて幸福になるといわれ、男の子を1人、寺に出家させるという風習があるそうです。 のちにダライ・ラマとなるその少年の家でも兄が出家していました。 少年がダライ・ラマの生まれ変わりであると認定されたのち、兄は弟の世話係のような役割になりました。 貧しく質素でも仏教の教えにより守られてきた平和なチベットの国に、共産主義革命に成功した毛沢東の軍隊が押し寄せてきました。 「チベットの独裁者から人民を解放するために」と叫んで、中国共産党はチベットの血に土足で踏み込んできました。 侵略者は自らを「解放軍」と呼び、たくさんのチベットの一般人や僧侶を殺しまくりました。 毛沢東と会見した時、ダライ・ラマはわずか16歳。 16歳の少年が、国の運命を握らなくてはならないという重荷を背負ったのです。 当初は、チベットの文化や伝統に敬意を払う態度を示していた中国でしたが、毛沢東はダライ・ラマに対してこのように言い放ちました。 「宗教は毒です」 仏教の教えを大切に守ってきたチベット民族を全面否定するその言葉に、絶対に相容れないものを感じたダライ・ラマは、中国から提示されていた協定への署名を拒否しました。。。。その内容は、チベットが中国に編入されることを承認するものでした。 武器を持って戦おうと提案する側近に対して「暴力は反対だ」と、インドへの亡命の道を選びました。。。。その時のダライ・ラマは18歳でした。 日本で言えば、まだ高校生くらいの少年です。 そんな少年が、「自分がダライ・ラマの生まれ変わりというのは、もしかしたら間違いではなかったのか?」と自問自答しながらも、チベット民族の未来を見据えて決断をしなくてはならなかったのです。 どれだけ過酷な運命を背負ってきたか・・・・ 亡命の途上で砂曼荼羅を作って祈った後、その砂を川に流す光景で、録画DVDは当然終了!・・・・・しまった!録画時間のタイマー設定を間違えていたらしい(涙)・・・最後の10分が切れていました 最近の新聞記事で、チベットに関する記事を見ました。 それは、「今後、ダライ・ラマの承認に関しては、中国政府の許可を必要とする」・・・・こんな法律が、中国でできたそうです。 中国とチベットでは、民族的な歴史も文化もまるで違うのに、同じ一つの国だと主張する中国の言い分は無謀だとしか思えません。 台湾問題に関しても同じようなことがいえます。 台湾と中国は、同じ漢民族ではありますが、政治体制の相違で分裂したわけです。 共産主義国家に「NO!」と言った人々が台湾に移住したわけです。 それを、中国に編入しようというのは、言論の自由、思想の自由の剥奪です。 中国は、民主主義国家ではないわけで、選挙もなく、共産党が勝手に国の首長を決めるのです。国民はそれに従うしかないのです。 そういう国と台湾は一つの同じ国なのでしょうか? 私は、高校生の時、まだ何も知らずに、共産主義という思想に理想を描いていたことがありました。しかも、一番、理想的な形で共産主義を実現したのは、中国だと想っていました。 しかし、次々と暴かれてきた共産主義国家の矛盾、そして権力者の横暴。。。。 中国がチベットや周辺の少数民族を弾圧してきた事実をみて、本当に幻滅しました。 確かに、王侯貴族や一部の金持ちによって支配されていたかつての中国は多くの人々が貧困にあえいていて、それを救ったのが毛沢東率いる共産党だった・・・・という伝説も一理はありましょう。 しかし、自分たちの理想を他国の人々にも押し付けるやり方はどうなのでしょうか? 貧しいながらも心豊かに平和に暮らしてきた山岳地帯の少数民族に、「解放」と称した侵略行為を行うのは、共産主義の理想にかなぅて入るのでしょうか? それが共産主義なら、もうガッカリ、幻滅です。 共産主義なんて、この世に要らないですね。 中国共産党も、きっといつかは崩壊するでしょう・・・・それを願っています。 過激発言、失礼しました。 映画を見終わって、何だか中国に怒りが湧いてきました。 おりしも、中国毒ギョーザ事件、その前にも世界中で起こっている中国製品の問題・・・・。死者まで出ているんですからね。 北京オリンピックは、中国共産党崩壊の第一歩かもしれませんね。 ことわっておきますが、この文章に政治的な意図は何もありません。 あくまで、私個人の私見です。

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