日本人がスイスで働くために必要な事(ビザが無いけどスイスで就職したい人向け)
私は、スイスに住んでいる普通の日本人ですが友人が海外就職を目指していることもあり、そういった方の参考になればと思い微々たる経験をもとに日本人がスイスで働くにはどうするべきなのか?と言う記事を書くことにしました。スイスでの就職に関しては、情報が少ない上にスイスに住んでいないようなスイスでの勤務経験が無いような人が書いたまとめ記事も見かけます。少々厳しめではありますが、海外就職の現実を書いていきたいと思います。今回は、私のように結婚してビザがあるなどの場合を除いたお話です。(参考になるかは分かりませんし、私の意見が100%正しい訳でもないので参考程度にm(__)m)仕事を見つける難しさ結論から言うと、日本でスイスに支店がある会社に入社して駐在する。日本で、国際的な企業に就職して派遣してもらう。博士号を取ってポスドク・インターンから探す。と言うのがスイスで働くためには一番現実的だと思います。後ほど理由を詳しく書きますが、日本からスイスの現地採用を探すのは相当なスキルと経験と運が必要です。スイスで働く第一歩スイスで働きたい場合、まず最初に雇用先を見つけなければいけません。スイスの場合、雇用の優先順位として第一にスイス国民が優先されます。次に、EU・EFTA 加盟国の人・スイスで労働許可をすでに持つ人たちです。労働許可をすでに持つというのはすでに結婚などでビザがある人の事です。その次にその他の国の人という優先順位で雇用されます。もし、日本人を雇って労働許可を得たい場合、EU加盟国の人や現地に住む外国人、当然ながらスイス人の中から十分に必要な人材を探す努力をしましたが見つからなかった。という証明を雇用主が行い、政府に申請しないといけません。例えば、日本食レストランでウエイトレスを探している。ビザのない日本人とビザがある日本人が応募してきた。となったら基本的にはすでにビザのある日本人を優先しなければいけないのです。もし仮に、ビザのない方のビザを申請して雇用したい場合は、なぜビザがある日本人ではだめなのかという事まで理由がないといけません。となると、日本人にしかできない職種と言うよりかはあなたにしかできない事、が無いといけないと思ってもいいぐらいです。なので専門性の高い職業、管理職などは認められる可能性が高いのです。また、外国人の募集があるような日本に関係する仕事や化学系の仕事はビザ保有者のみ・B or C のビザ保有者のみなどと記載されていることも多く募集要項にビザの有無について記載されていないといいう事はビザがないといけない・ビザがある前提の話と思っていいと思います。おそらく、ビザの申請をしてもらえる・過去に事例がある場合は募集要項にビザのサポートがあると書いてあるはずです。お隣のドイツではそういった案件があったりするようですが、スイスでは日本食レストランで日本人を必要としている場合はあってもビザありが条件であることが大半(むしろそれしか見たことが無い)です。日系企業だからと言って日本人が必要なわけではないドイツやオランダに比べると数は少なくなりますが、大手製薬会社の武田製薬・日本たばこ・HISスイス支店やみずほ銀行(プライベートバンキング)などスイスにも日系企業はあります。ただ、日系企業で日本人が欲しいのであれば駐在員を派遣するのが一般的です。それは、日本の外資企業も同じです。マクドナルドがアメリカの企業だから面接にきたビザなしのアメリカ人を雇うかと言ったら雇いませんよね?上記に記載した大手企業の求人を見ても日本の文化背景を知っている、日本語が話せるという人が優遇されるというのは一切書かれていません。むしろ、スイスの大学を卒業している事が条件として加えられている事もあれば、旅行会社であれば、旅行会社の職業訓練を受けて国家資格を持っていることが条件に入れられているぐらいです。日本人が優遇される仕事上記でかなり厳しい現実について述べましたが、スイスで日本人であることがプラスに働くような案件もあります。1.日本食レストラン2.アジアンスーパー3.日本人が顧客相手の仕事これらの仕事では、日本語が母国語(もしくは堪能である)ことが求められたり日本の文化背景・礼儀などを知っているというのがプラスになる場合があります。先程、日系企業で日本人が必要とは限らないと書きましたが、日系企業とだけあって企業理念や社風などをより深く理解しているという面では面接やカバーレターなどが書きやすいと思います。寿司職人を甘く見てはいけない海外で働きたい人へ向けたまとめサイトに寿司職人の求人は多いとありますよね。実際、日本食は年々人気が高まり求人がある事は事実です。(ビザの話は別として)ただ、スイスの料理人と言うのは日本のレストランでのアルバイトとは全く違うのでそこは誤解のないようにしておく必要があります。スイスの料理人は当然ながら、料理人として職業訓練を受けてきた人です。最終試験では、その場で知らされた食材で何品作る、そして審査員が試食する。そういった厳しい試験もあります。オーナーがスイス人であればキッチンには料理人の経験を持つ人を採用するというのは当然で、未経験可である日本での飲食店のアルバイトとは異なります。なぜスイスにはワーホリが無いのか?友人がワーホリに行く準備をしていて知ったのですが、スイスにはワーホリがありません。でも、それを聞いたとき、「そりゃそうか。。」と思ったんです。理由としては、別に技術の無い外国人の労働者を欲していない、もしくは、お金がない外国人をこれ以上増やしたくない。(あくまで私の見解)ワーホリがあったところでスイスで暮らす資金をもっている若者が世界にどれだけいるでしょうか?家賃の3か月分がブロックされ、毎月の家賃は12万は平気で超えます。会社から支給される交通費もなければ住宅補助なんてありませんし、そもそも人気な都心のアパートを1年しかビザが無い外国人に貸してくれるなんてことはコネがある場合を除いてまずない。雇用がみつかる見つからないの前段階でスイスにはそういった制度が整っていないので、受け入れができないのだと思います。どんな技術が自分のやりたい仕事には必要なのかスイスでは一般的にEU加盟国を除いた国に対するビザの発行はかなり厳しいと何度も書いてきましたが、スイスに貢献できるような技術を持った人はスイスでの雇用を見つけ、就労ビザを獲得しています。実際に、研究室の先生の知り合い(博士)でスイス工科大学に転職しそのまま現地のスイス人と結婚した。という人がいます。彼女は自力で仕事を探してスイスに来たので結婚によるビザではありません。ただ、前職は国家公務員研究者と聞いているので世界に通用する学歴、経験や実績、技術を持っていた方だったことは間違いありません。高い技術や専門性・運やコネというのも必要ですが不可能ではありません。同じ日本人でも 生け花・日本舞踊・包丁研ぎ・盆栽・着付けなどそういった他の人にできない事を身に付ける方がよっぽど仕事は見つかると思います。あなたにしか出来ない技術を身に付けること、それは化学的な研究かもしれませんし上記に挙げた日本特有の技術、ITの技術、さまざまです。その技術と言うのは、将来やりたい仕事につながるものですから自分のやりたい事の中で自分にしか出来ない事を見つけることが大切です。それでも海外で働きたい人に伝えたい事いかがでしょうか?少し厳しく淡々と書いたので希望を無くした方もいるかもしれません。それでも、これが私の知る現実のごくごく一部なのです。英語が話せる・ドイツ語が話せるだけではスタートラインにも立てない。それが現実なのです。それならEUに住むドイツ人を雇えばいいだけですから。海外にに行って現地で仕事を見つけた人がブログを書いていたり、まとめサイトを書いていたりしますよね。でも、現実には見つからずに好きな仕事ができないなら…と帰国した人もいっぱいいるはずです。そういう帰国した人がブログを始めるかと言ったら、始めない人のほうが多いのではないでしょうか?私は帰国することが負けでも現地で採用された人が成功とも思いません。ただ、自分の見たい・聞きたい・知って希望が持てる情報だけを見ていても自分の思い描いた未来には近づけないと思うのです。なので厳しいですが、私ごときに生意気ですがこのような記事を書いたのです。今、もし海外での就職を目指している人がいるならば、あなたにしかできない技術を身に付ける事です。その技術は時に、語学よりも重要で重宝される場合もあるのです。日本で仕事をすでに持っている人やまだ学生の若者がこんなはずじゃなかった。ああすればよかった。と思う事が少しでも無くなればと思い書きました。私自身、ビザがあっても仕事に関しては後悔している事が多々あり私の場合はもうスイスに来てしまったのでどうしようもありませんが今、学生・社会人を日本でしているのであれば色んな選択肢があるはずです。また、ネットにはいろんな人の情報が載っています。インパクトのあるキャッチフレーズで語学力0で現地企業就職。なんて事もあるでしょう。確かにその人はそれで夢がかなえられたかもしれません。しかし、そういう人には隠れた努力や才能・キャラクター・コネなどブログからだけでは分からない事があったりするのです。何度も言いますが、希望を無くしてほしくて厳しく書いたわけではありません。ただ、現実を述べると厳しくなる。と言うのが正直なところなのです。そして、このブログは私がスイスで経験した、感じた、知った事であって、それが絶対ではありませんからいろんな情報を仕入れて一個人の意見として参考にしてくださいね。(#^^#)