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カテゴリ:HONDA GB250クラブマンE型
クラブマンのフロントブレーキは固着していて、運搬出来ない為にディスクから外されていた。フロントはディスクブレーキで2ポットキャリパーとなっている。初期型のみHONDAのロゴが鋳抜かれているが、2型からはNISSINに変更されているようである。
取り敢えずマスターのオイルタンクからスポイドでオイルを吸い取る。上下のバンジョーボルトを緩めて、ブレーキホースをキャリパーから外す。外したキャリパーからブレーキフルードを完全に抜き取る。こぼれたフルードは素早く水洗いする。フルードは塗装面を強力に剥離する作用があるので、放って置くと塗装面が直ぐに剥げ落ちてしまうので要注意だ。続いて2本のパッドピンを抜き取り、パッドを外す。パッドの厚みはまだ十分であったので、再利用する事にして、ピストンを抜きに掛かる。 キャリパーからピストンを抜くには、フルードを抜かずに、パッドを外してブレーキレバーを握ってピストンを押し出す方法もあるが、この場合は1ポットでは有効だが、2ポット以上だと同時に全てのピストンが抜けないので、結局1個しか外す事が出来なくなる。 ピストンをペンチで摘んで引き出そうとすると、ピストンに傷が付くし、これがそう容易には出て来ない。一番確実で、早いのはエアーコンプレッサーのノズルをブリーダーバルブの穴に突っ込んでエア圧で抜く方法である。 バンジョーボルトの穴を塞ぐにはオイル通路の穴の空いたバンジョーボルトは使えないので、径とピッチが同じボルトを穴にねじ込んで、ピストンの飛び出す部分にウエスをあてておく。2ポットの場合どちらか片方が先に飛び出すので、飛び出したピストンを再びキャリパーに軽く押し込み、それ以上出ないように、スパナなどの厚みのあるもをキャリパーとの隙間に嚙ませて、再びエアーを送ると、もう片方のピストンが飛び出すという訳である。 このピストンは固着していた割りには2個共スンナリと外す事ができた。ピストンが抜ける時は「ポン」というかなり大きな音がするので直ぐ分かる。抜けたピストンだが、汚れてはいるが大きな傷も無く再利用可能と判断して、ピカールと妻の履き古したストッキングで磨き上げる。キャリパーの汚れはボンスターとナイロンブラシとパーツクリーナーで落とす。ピストンシールとダストシールは要交換なので、精密ドライバーで外してみると、酷い汚れである。このアルミの腐食やフルードやゴミのカスがシールの内側に堆積してピストンの固着が進行して行ったものと思われる。シリンダー内にもアルミ錆が出ている所があったので、ピカールで磨き上げる。 マスター側はブレーキレバーを外して、シリンダー回りと、オイルタンクのアルミ錆を除去する。マスターシリンダーからのオイル漏れは無いようなので、今回は分解しない事にした。 全てのパーツの磨きを終えたので、HONDAからピストンのシール類が届くまで組み立てはお預けである。クラブマンのキャリパーは初期型だけ異なるようなので、シール類の在庫があるのか少し心配になってきているが、さてHONDAからの返答は如何に。 ![]() 経年劣化で茶色く変色したブレーキフルード ![]() パッドを外したキャリパー/ピストンがかなり汚れている ![]() 抜いたピストンとキャリパー ![]() シールを外したシリンダー/錆と汚れで酷い事になっている
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