笏取り虫

2018/09/01(土)11:10

スライドドアの修理

ボンゴフレンディー/KD-SGL5(95)

四国のUFOライン(瓶ヶ森林道)でガードパイプにスライドドアをぶつけてしまった工作車。「どうしたものか」と思案していたが、20年越のクルマなので、新品同様の修復クオリティーはいらないし、金も掛けたくない。丁度スタッド溶接機がある事だし、修理してみる事にした。素人修理なので、目立つ傷が消えて、それなりに見えれば良いのである。 スライドドアなので、外して作業を行った方がやりやすいのではないかと思い、内張りの外し方を研究してみたら、ドアの中にロック機構があり、更にフレームがある事が分かった。内張りを外して、内側から叩き出す事が出来ないのだ。特にドアの下部付近は袋状になっているため、工具も入らない。これは素人では無理と判断して、ドアは付けたまま、外側から修理する事にした。 3本の傷を詳細に調べてみると、一番上は凹みが均一なので、引き出しは出来そうである。真ん中は一番軽く、パテ埋めは僅かで済みそうだ。一番厄介なのは一番下の傷だ。傷と言うより鉄板を抉っているようにかなり深い凹みである。 取り敢えず傷の部分の塗装をグラインダーに取り付けたワイヤカップで地金が出るまで削り取る。次にウェーブワッシャを凹みに合わせて溶接するのだが、ガイドがドアの地肌に当たるようにして引き金を引くと僅か1秒で溶接できる。ハンダだとこうは行かない。スタッド溶接機の威力である。 ウェーブワッシャの凹み部分を全て溶接できたら、熊手の様な形をした専用クランプの爪をウェーブワッシャの凸部分に引っ掛けてスライドハンマーで引っ張り出すのだ。一番上の傷はあっさり出たが、一番下は一筋縄では行かない。傷の真ん中と上下3箇所にウェーブワッシャを溶接して引き出すのだが、ガードパイプで強力に押されている小さな深い傷なので、なかなか出て来ない。スライドハンマーにあまり力を入れすぎるとドアが変形しそうなので、両足の裏で抑えながら引っ張る。 格闘の末、何とか凹みを戻したが、凹み部分の鉄板が延びてしまったために、ドアの膨らみ加減に歪みが出てしまった。プラハンでドアを叩くとベコリと凹むし、ウェーブワッシャを溶接して引っ張るとベコリと凸て膨らむ。折角直しても、ドアを押さえただけで、凹んでしまっては元も子もない。 この状態を根本的に直すには、ドアに切れ目を入れて歪みを解消するしかないように思えたが、これをやるには大手術が必要だ。こんな薄い鉄板を溶接する技術は持ち合わせていないので、不本意ながら得意の誤魔化し修理を行う事にした。 ドアを凹ませた状態でなるべく元の状態に近づくように凹み大きい部分を引き出し、パテで埋めて整形。これならドアの開閉の衝撃や少々叩いた位では膨らまないだろう。後は傷の部分にパテ埋めを行う。パテが乾いたら、サンドペーパーを取り付けたサイクロンサンダーで均して行く。またパテを盛って均すの繰り返しだ。指の腹でなぞって段差を感じなくなるまで、只管磨く。地味で一番時間の掛かる作業だ。お蔭で写真も撮っていない。パテでの補修が終わったら、マスキングを行い、いよいよ塗装である。塗料はホルツのM64マツダ車用ハイライトシルバーM/カラー№18G1本1,376円を使用。クリアーはTYのタンクを塗った時に一緒に吹く予定である。中央の凹みラインの付近が少し凹んでいるが、これ以上は無理なようなので一応修理完了とする。素人修理なので、塗装のムラやパテの甘さなどはあるが、3本のライン傷は分からなくなったので、良しとしよう。 スタッド溶接機でウェーブワッシャを溶接する 溶接が終わったウェーブワッシャ ウェーブワッシャに引っ掛ける専用クランプ ウェーブワッシャに取り付けた専用クランプ ダブルで溶接したウェーブワッシャ 凹みを引き出した傷部分 パテ盛り 作業時間を短縮させてくれたサイクロンサンダー ホルツのマツダ車用缶スプレー Before After

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