098550 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

Sydneyより時を超えて

Sydneyより時を超えて

Begin

私と前の人は、
どんどん自ら悪い方向へ向かって行くようだった。


いつも泣いていた。
1人きりのシェアルームで夜中も泣き続けていた。


ネパール出身の彼、そして日本出身の私。
途上国と先進国・・・。

そして結婚・・・。

二人の結婚への決断はどんどん鈍くなっていった。


私は一歩踏む切れない彼にいらいらし、
不安も大きくなっていった。





そして私は決断した。


自分の道をすすんでいくこと。



::::::



そんな時、

偶然ゆーは韓国人の彼女に電話で一方的に別れを告げられた。

今日は1人にして欲しい。

携帯メッセージにそうつづられていた。



・・・・。





前の人との6年間は決して否定できるものではなく、
むしろ私には宝もののようである。


そんな6年を思い出していると涙がとまらなかった。

体をうずめて泣いていた。





そんな時、ゆーから電話があった。



そして話しているうちに涙顔ながらも笑顔がでている自分がいた。


何かの予感がした。










その瞬間。











窓の外を眺めながらゆーと電話をしている私の目の前に、





2羽のレインボーカラーの鳥がとまった。





「ゆー。。。。」





しばらく仲の良さそうな鳥達を見つめる私。







そして
その鳥達はさっとシドニーの青い空へとびたった。





きれいな、きれいな鳥だった。






「何の意味だろう・・・。」



ぼーっと考えた。




私はゆーにその事を告げなかった。

でも、予感がした。




あの鳥は幸福の鳥かもしれないと・・・。









****


いつもと変わりのない英語学校の日常。


でも確実に変わっていくものがあった。

それはゆーとの距離。



彼はいつも私の隣に座っている。

先生の目を盗んで二人でノートにささっとメモを書いて会話。



どきどきした。




放課後はシドニー大学の庭を二人で散歩しながら
日本語講座をしてみたり、

ダーリングハーバーのジャズフェスティバルで
花火を二人で見上げた。


花火を見てけらけら笑う私に


ゆーは惹かれていった。







ある日、私の誕生日がやってきた。

シドニーでは祝ってくれる人などいないな・・・。

とあきらめていた私。



いつものようにノートに私は書いた。



(ま)「今日は誕生日なの。」


(ゆ)「誰とパーティーでもするの?」


(ま)「ううん。別に。特に予定はないんだ。」



・・・。






彼は何かを考えている。







先生の話なんか聞いてなかった。
彼は何を考えてるのかな、そっと見た。







そして大きな手がさささっとノートの上を滑り出す。













「今日、家に行っていい?」















ちょっとびっくりした。






午後にご飯でも食べようかとかそういう話なのかと思ったけれど。


でも彼はどうみても下心を持っていそうに無い。
すごく真面目な顔をしている・・・・。






ちょっと家に呼ぶなんて良くないかなと思ったけれど、
彼の真面目な顔を見て、大丈夫だと思った。







(ま)「いいよ。なんで?」
















(ゆ)「家で誕生日を祝おうよ!」








彼はノートに屈託なくつづる・・・。










そして


彼は学校の帰り道、ホールケーキを買いに走った。
ろうそくもしっかり26本。





私は微笑みがこぼれるのをそっと隠していた・・・。













夜。













2人でろうそくに火をともして、





私はふーー!!!っと




吹き消した。








「おめでと~~~~!!」






ゆーが拍手をしながらほほえむ。





うれしかった。









そしてその晩、
























私はそんな彼に


キスをした・・・・・・・・・・・。









(Happy END and Beginning of our life !!)





(後日談)その時は本当に1人で誕生日をするのはかわいそうだと思って思いついたらしい。そして問い詰めると・・・下心は1%はあったそうだ・・・・。^^;


2005-09-19 02:34:09








© Rakuten Group, Inc.