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(続)Sydneyより時を超えて

(続)Sydneyより時を超えて

結婚挨拶・プロポーズ

pck_love-4[1].gif2007.8.4


本日8月5日、
朝9時半、ゆーは韓国へ帰りましたー。




6日間の日本滞在、
本当に色々なことがあった。



なんというんだろう。充実感?
やったー感?安心感???



今回の一大イベントは我が家への結婚の申し込み。



そして、祖父・祖母・叔父・叔母への挨拶。




無事に全て終了しましたー★




日本に到着した翌日、夕方2時半に二人で我が家へ向かう。



スーツ姿に以前父・母からもらったネクタイをびしっときめて出発。



本人に聞くとさほど緊張はしていないという。
二人でラーメン屋さんに入り、ラーメンをすすりながら
これからゆーが言うであろう言葉を再確認。



「よしっ、それでいこう」



と二人で電車に乗って自宅に向かう。




そして始まるこの時間。
人生の大きなこの瞬間。



家の門をあける。
実は私の心はハイテンション。



まずは母親が玄関にあらわれ、
そして父親が現れる。



(ゆ)「こんにちは。お邪魔しますっ。」




ゆーの挨拶。「どうぞー。こんにちはー」
という母親。




そしてリビングに通されるゆー。




私とゆーは二人並んでソファーに座り、
母はダイニングのいすに父より後ろに座り、
父は父専用の椅子に腰掛ける。



まあ、対面している感じ。



暑いですねー。いやー、この間はどーも。という会話から始まる。



そして、父親から、
ゆーの会社はどうですか?などの質問がでる。



的確(!?)にはきはきと日本語で答えるゆー。
会社の状況、部署のこと、今後の会社での方向性などなど、
会社のことを中心に会話が始まる。



それが続く事10分ぐらい。。。。



私は「んだ、んだ。」とうなずくばかり。
少しはジョークもでて、まずまずの雰囲気。



でも、会社の話しが一段落して時々流れる4人の沈黙に
私はいてもたってもいられず「ううぁぁー」と奇妙な声を出す。(!?)



もちろん父も母もゆーが何を言いにきたのか知っているわけで、
その沈黙の間、待っているわけである。ゆーが口をひらくのを。



みんなわかってるのに、
流れるその沈黙。くっくるしー。



何回か沈黙があり、私もゆーの顔を見て、
うん、うんと促すが、ゆーの口からはまだ出てこない。



私とゆーで目を合わせてなんとも言えない笑顔で
笑い合う二人。
どーーーっどーーーしよっ。




父も「うん。」と言い、いすに深く腰をかけ、
口を一文字に結んでいる。



母は後ろで黙って下を見つめている。




そして、ちょっとした沈黙のあと、
ゆーが口をひらいた。



(ゆ)「今日こちらに来たのは、実は意味があるんですっっっ。」



ききっききたーーー!!!!!!




父もややこわばった顔でうなずく。




(ゆ)「まりこさんと結婚したいです。」




胸をはってはっきりと父の目を見て
伝えるゆー。




そしてゆーはこれからの二人のプランを
淡々とのべていった。



何月には何をして、何月には何をして・・・。



(ゆ)「早ければ来年の4,5月。遅くて来年の7月には
    結婚式をしたいと思っています。


    お父さんはどう思いますか???」




きっきっきっきたぞーーーーーーーーーーーーーーーー。




父の顔は明らかに少しこわばっている。
笑ってもいない。怒ってもいない。
ただ口を固く結んでゆーの話しを聞いていた。




(父)「一つだけ守ってほしいことがある。」





父は言った。




私が大事な大事な大事な大事な娘だということ。



だから、私が韓国に行くことは正直言ってすごくすごくすごく心配である。



(父)「あなたはまりこを守ってくれますか。」




もちろんゆーは力強くこたえる。




(ゆ)「はい。守ります。それは絶対。」




そして父は続けた。




韓国行ったら慣れない場所で私は相当つらいと思う。
父は何回も単身赴任で海外に何年も住んだことがあるけれど、
それは結局「外国人」としてだった。
だから、現地の人と同じように暮らす事というのは相当大変だと思う。




会社が忙しくてなかなか私の面倒を見られないということもあるだろう。



でも、私にはゆーしかいないのだから、
会社だからといって一人にさせないでほしい。
父も会社人だったからそれがどんなに難しいかは知っている。
でも、時間を私のためにできるだけ使って欲しい。




正直に言って本当に大切な娘だから。




母はそれを聞いて後ろで泣いていた。




私も、この3年間父と大きなけんかをしてから、
口をきいていなくて、



3年前に言われた「おまえなんか出て行け」
とかひどい言葉を聞いてずっと父と距離をとっていた。




それに父はずっと単身赴任だったし、
話す機会も小さい頃からあんまりなくて、



私に関心を示さない父は私を愛していない、
どうでもいい存在なんだってずっと思っていた。



だから、この前のけんかでも父にひどいことをたくさん言ったし、
「ずっと淋しかったんだから!!!お父さんなんて私に関心ないくせに!!!」
と泣きながら叫んだ。



「そんなん知るか!!!今ここから出てけ!!!!」



と言われて、この3年間一緒に食事をしていても口さえも聞かなかった。




だから、父の口から
「大事な大事な大事な大事な娘だから」




と出た時は私も涙が出そうになって、
自分は父にひどいことを言ったなぁ、
父は私をこんなに大切に思っていてくれたんだって、




どうしようもない気持ちになった。







でも、



親の前で泣くのも恥ずかしいから
すごく我慢して、





ゆーが続ける話しを聞いた。
隣でうんうんって聞きつづけた。






ゆーは、私を韓国につれていってしまうこと、
友達も親も誰も居ない新しい環境につれていくこと、


本当にその重要さは理解しています。



だから、私を守ります。




とはっきりと父に言って、




父は最後に「それならば、言う事はない。」




と許可をしてくれた。




本当にはりつめた時間だった。
私も外には見えないけどすごく緊張したと思う。
ゆーもしかり。






それからは一緒に母がつくったデザートを食べ、
夕方からは3人で丸の内のレストランへ向かい、




そこで合流した兄、祖母と食事をする。




うちの兄とゆーはすぐにうちとけあって、
最後には今度ゆーを野球観戦につれて行ってくれるという約束までしていた。




優しい兄にも感謝し、




祖母も色々とゆーに質問したり、
ゆーもたくさん祖母に質問したりして、




時間は過ぎていった。




ゆーが家族になった瞬間だった。




それからも他の日に一緒にうちにいって、
親と話しをしたり、



話しをしてうちとけようとするゆーに感謝した。



他の日に父・母・ゆー・私・祖母と
老人ホームにいる祖父を見舞いに行った時も、



ぼけてしまってあいまいな話しかできない
座ったきりの祖父に




ゆーはひざまずいて祖父の手をとり、
「元気でいてください。元気でいてくださいね。」



と言っているのを見たときは涙がまた出そうだった。



祖父の老衰ぶりを目にしたのも心が痛かったし、
そんな祖父に優しく、力強く話しかけているゆーを見て、



祖母も「優しいね、ゆーさんは優しいね。おじいさん。」



と言っていた。
私はこんな優しい人を旦那さんにするんだなって幸せに思った。






日本滞在の最終日、





二人で江戸川の花火大会を見に行った。




頭上でうちあがる1万4000発の花火を
二人で





「わーーーーー!!!!!すごーーーーい!!!!」





と見ていると、





ゆーの口調がいつもと違う感じで、
私に話し始めた。




声のトーンもいつもと違う。




暗さもあって表情もよく読めない。




頭上に広がる花火のもと、




ゆーは私にプロポーズをしてくれました。





実はそのプロポーズの応えをするのに、
20分間ぐらいかかった。




「うん」




って言うのは簡単だし、
私の心も決まっていたのだけれど、





簡単に表面だけで
返事をしたくなかった。




心で何回も何回も感じて、
吟味して、




一つの返事をだしたかった。




だから、ゆーは「俺は返事待ってるよ。」




と無言で空の花火を見つめていたが、
心配で心ここにあらずのようで、




ただただぼーーと見ているだけだった。




それを見て「あちゃー。私悪いことしてるなぁー」




と思ったけど、
ゆーに簡単に口からだして返事をしたくないんだと言って、




私も心ここにあらずで夜空に輝く花火を見つめていた。




そして、約束してほしいこと、
ずっと前から思ってたことをゆーに伝えた。




そして、



応えた。




ゆーの笑顔が一気に広がり、




二人で最高の笑顔で頭上の華を
見つめた。




本当にきれいな花火だった。





二人で「ここまで来るの、長かったねえ・・・。」
なんて話しながら、





美しい花火をながめていた。




そして、





今、







私の指には







ダイヤモンドの入った
指輪が光っている。


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