旅立ちの日
ついに韓国に到着しました3時半。仁川空港に到着。その前の晩は大変だった。母が夜寝る前にさびしいそうで、私の布団に入り込んできた。そして号泣。そんな母の涙についに私も笑顔ではいられず、淋しくて淋しくて涙を流す。母の淋しさが私の身をつきぬけました。母が自分の布団へ去ってから、手紙を書きました。今までありがとう。お母さんの子供で幸せだなぁ・・・としみじみと感じる今日この頃です。お母さんの愛をいっぱい受けて自分は育ったと感じています。お母さん泣かないでください。お母さんが泣くと私も悲しいから。そんな内容です。もちろん父にも書きました。今まで一生懸命私のために働いてきてくれてありがとうございました。お父さんあっての今の自分だと思います。前にお父さんのことを「嫌い」といったけれど、本当はお父さんの笑顔を見るのが私は大好きです。強く、明るく、前向きに韓国でがんばります。翌日空港で簡単な食事をした後、父・母とお別れをしました。(母)「写真とらなきゃ!写真!!」とゲートの前ではしゃぐ母でしたが、写真を撮り終わると、涙。泣いてしまい、父は一歩離れた所で見ている。父の目を見て、「がんばるんだよ。」という言葉にうなずく。でも、母も泣いていて、私もこれ以上いると泣きそうだったので、(ま)「じゃ、行ってきます!」と笑顔で言った。韓国で強く明るく、前向きにがんばると決めたんだ。ここで涙を見せたら両親が心配する。最後に残る私の顔は笑顔であってほしい。涙を奥にぐぐっとしまって、涙がこぼれる前にゲートへ向かう。セキュリティーチェックを過ぎて、ちょっと行くと見送りする人をガラス一枚越しに近くで見られる場所がある。母はそこへ走り寄って泣いていた(大泣きではないけど)ガラス一枚越しに見える母はもう遠くに感じた。たったガラス一枚なのに。だからもっと悲しくなった。でも笑顔でがんばる。父が別の場所の遠くから見ていた。心なしか淋しそうな顔をしていた。そんな父を見ていられなかった。だから笑って大きく手を振った。そしてガラスにすがりつく母に向かって「大丈夫だから。大丈夫。韓国へ来てね。」声は聞こえないけれど、ジェスチャーと一緒に伝えた。私の笑顔が心に残るよう。そして両親に大きく手を振ってお別れをした。でもやっぱり通関の前では涙が目にいっぱいになってしまった。隠れろ、涙。自分は強くあるんだ。飛行機から韓国の大地を見た。初めて昼間に行ったのでその景色は初めてだ。雲と雲と間に韓国の地が見える。川が流れていて、太陽が水面に反射してキラキラしている。綿のような雲のまわりには霧のようなものが幻想的に輝いている。本当にきれいな景色だ。神様もきっと私を応援してくれているに違いない。そんなことさえ思える景色だった。雲と光る大地を見つめながら思った。私は強く明るく、積極的にがんばる。大丈夫。ゆーとの人生を着実に進んでいく。それでも脳裏によぎる母や父の影が私のまぶたを熱くして、窓側を見つめながら涙をふいた。強くあれ、強くあれ。何度もつぶやいた。いよいよ、飛行機が韓国に到着。もうその時には後ろを振り向く自分はいなかった。ゲートを出る。でも・・・ゆーはそこにはいなかった。電話をしてみると、バスが遅れて空港に来るのが遅くなるらしい。一人ゲートの横のいすでゆーを待つ。残してきた父と母のこと、友達のこと、私と時間をともにすごしてきた人々のこと。それなのに、ゆーはどうしてここに待っててくれなかったんだ。そんなことを考えると悲しくなってきてしまった。バスが遅れたからしょうがないけど、待っていてほしかった。色々なことが頭の中をぐるぐるまわる。そして1時間後。やっとゆーが現れる。私の旦那さんになる人。ゆーは謝って静かに私の横に座った。私の目から涙がこぼれる。色んな思いが全部涙として出る。我慢するけれど、涙がぽろぽろでる。ゆーはただただ謝るばかりで、私の涙を手でぬぐっていた。でも、すぐに私も笑顔になって、父や母のこと、最近あったことなどを伝えた。 We've just started our new life !!その後二人で日韓辞書を買いに行って、夜ごはんを食べて、家に向かった。さすがゆー★部屋はきれいにできている。よくがんばったねー★なんて話ながら、ふくらむ夢。家具はどうしようか。ここにはこれを置いて・・・。そしてお義母さんが帰ってくる。ゆーが「じゃあ、挨拶をしよう」と言って、二人で韓国式の正式な挨拶をお母さんにする。これから新しい生活が始まる。どうか素敵な日々でありますように。祈りながら目をつぶった。★★★仁川空港にて★がんばるぞー★ ★★★