Sheva's Ballet Fan Ibra's Opera Fan

2005/10/10(月)08:51

Simon Keenlyside as Don Giovanni !!! Second night in Tokyo Part2

OPERA(2952)

第2幕。 お暇をいただきたい、と言うレポレッロ。 「何しろ殺されかかりましたからね。」 「冗談だろ、おい。」 レポレッロ、いなくなる。 「レポレッロ!!」 怒って、剣を投げ捨てるドン・ジョヴァンニ。 そしてマントを脱いでいる間に、 「シニョ~レ…」と返答が。 うれしそうに 「来いよ、仲直りだ!」というドン・ジョヴァンニ。 ここは初日はレポレッロの返事が遅すぎて、ドン・ジョヴァンニがマントを怒って投げ捨てるという小芝居を打たなければいけなかったが、きょうは早めに返事した。なのでドン・ジョヴァンニはマントを脱ぐ途中で振り返って台詞をしゃべった。3日目はどうなるのでしょうか。 もう絶好調のサイモン。 「金やるからさ」と紙幣を渡す。その手をパタパタパタと小刻みに揺らしている(ほらほらほら、みたいに。)(客爆笑)。 レポレッロはもう1枚、またもう1枚とまきあげて客爆笑。 また女をたぶらかす策略を話すドン・ジョヴァンニ。 ドン・ジョヴァンニは嗅ぎタバコを取り出すと、思いっきり吸い込む。 エルヴィラが窓辺で歌う。服を着替えてきた二人。 ドン・ジョヴァンニは壁の影で、膝を付き、両手で太ももを何度も叩く。さあいっちょやるか、みたいな(笑)。 寝転んでだらしないかっこうでエルヴィラを誘惑する歌を歌う。 「俺って天才…」と歌いながら。 興奮したエルヴィラが下に下りてきて、ドン・ジョヴァンニの格好をしたレポレッロと抱き合う。レポレッロは調子に乗って抱きつくやら、腕にキスしまくるやら。 さて、と大声を上げて二人を追い出したドン・ジョヴァンニ。 帽子を脱いで壁に激しく投げつけて、エルヴィラの女中を誘惑する歌を歌いだす。 ここ、ほんとに不思議な感じのシーンなのだ。思い出した。 ここはヴォルフラムなの。タンホイザーの。声も歌い方も、あの歌合戦でよわっちく歌うヴォルフラム。声が小さくて、別人になりすまして歌っている、という演技。 マンドリンは弾かない。 他の人は朗々と歌うが、サイモンはシーンごとに、強弱、声の質まで変えて歌っている。ほんとに不思議な人。サイモン。 銃を手にしたマゼットが仲間と登場。 慌てて帽子を深く被ったドン・ジョヴァンニ。 追っ手を分けて分散させようとする。    ♪フェリテ、フェリテ(やっちまえ!) ここで、初日はショルダーバッグに突っ込んだ剣が、彼がぐるぐる回るときに飛び出したが、きょうはなし。初日のはアクシデントだったのか? 否。絶対そんなはずはない。もしそうだとしたら即興でどくろの握りを袖口に隠す芝居をしたサイモンは天才。 皆がいなくなり、ドン・ジョヴァンニはマゼットに、 「で、やつをどうするんだ?」 「殺してやるさ」 「殴るぐらいじゃダメなのか?」 「八つ裂きにしてやる。」 「(ふ~ん)で、武器は?」 「これとこれさ。」 ドン・ジョヴァンニはマゼットの銃を取り上げ、ピストルも取り上げる。ピストルは遠いところにほおる(客笑)。 ドン・ジョヴァンニは態度を豹変させると、罵倒しながら、マゼットをめった打ち。おまけにべっ!と唾を吐きかける。ピストルを拾って下手に逃げる。逃げ足、はやっ! 「痛いよ~」 姦計にはまりぼこぼこにされたマゼットを慰めるツェルリーナ。マゼットは倒れた振りをしているが、そっと彼女を伺っては、また倒れてる振りをするのが可愛い。 レポレッロはつかまってすべてが暴露される。 レポレッロは 「あ~あれ何だ!」と大声出して、そのすきに反対方向へ逃げる。古い手口やね~。 ここからアリアの応酬合戦が始まる。 どうぞやってください。 ドン・ジョヴァンニさんはジャンプに備えてお休み中です。 さあ、墓場だ。 墓場 月明かり。明るい。今までで一番明るいのではないか。 墓の上に飛び乗るドン・ジョヴァンニ。 「昼間より明るい!」と上を見上げる。墓の上に仁王立ちになり、月明かりに照らし出されるドン・ジョヴァンニ。 「まだ夜中前だろう。」と訳されていたが、台本は「まだ2時前」。 そこへレポレッロ。 ドン・ジョヴァンニは墓の影に隠れる。 「主人を忘れたのか!」 ぶつぶつと文句を言いながら隣に座るレポレッロ。 「おもしろい話を聞かせてやる。俺をお前と思い込んでる女を誘惑してたんだ。こんなふうに愛撫するんだ。」 と言いながらレポレッロの膝の上に頭を乗せて、足首にキスキスキス(笑)。 「よくもそんなことを!」 「ペルケ・ノ?」(いいじゃん) 「俺のかみさんだったらどうすんだ~!!」 取っ組み合いになる二人。ドン・ジョヴァンニは大笑い。 そこへ亡霊の声が。 「その笑い声も夜明けまでだな」 「キ・ヴァ・ラ、キ・ヴァ・ラ、!(誰だ!)」 剣を抜くドン・ジョヴァンニ。 騎士長の墓の上に飛び乗る。 「おい、この墓はコメンダトーレ(騎士長)のだぞ。レポレッロ、墓碑銘を読め!」 と墓の上からサイドの墓碑銘を剣で指す。ドン・ジョヴァンニはひらりと騎士長の墓の上から隣の墓に大きなジャンプ。すごい。 しぶしぶ墓碑銘を読むレポレッロ。 「やつを晩餐に招待しろ。」 「いやですよ!」 「お前も殺してやろうか!」 ドン・ジョヴァンニは剣を抜くと、鞘とクロスさせて、レポレッロの首を挟むようにする。かっこいい~ これ初日は見られませんでした。サイモンが剣を落としたので。 レポレッロ「あっしではなくて、このだんながですよ、そ、そ、その…」 「ちゃんとしゃべれ!」 ドン・ジョヴァンニは剣でレポレッロをつんつん突き刺す。 ドン・ジョヴァンニ「モーリ!(死ね!)」 レポレッロ「晩餐に招待したいと…うなずいたぞ!!」 ここで、ドン・ジョヴァンニは騎士長の墓の上でひらりとジャンプし、石像の頭のほうに回る。狭いところで大変そう。ここで彼はバランスを崩したが石像の頭を持って落ちないようにした。ここで足を痛めたのかな~サイモンさん。 ドン・ジョヴァンニは自分で聞く。 「晩餐に来るのか?」 騎士長の声が突然響く。 「シー!(行くとも!)」 びっくりして墓から落ちるドン・ジョヴァンニ。 「退散しよう!」墓場から逃げるように去る2人。 晩餐。 給仕係が料理を運んでくる。椅子に座ってタバコをふかしている使用人をどやしつける給仕係。ドン・ジョヴァンニが現れる。なんかカジュアルな格好。白いシャツに青いズボン。はだし。 手には紙幣をたくさん握り締めていて、歌いながらばらまく。金を拾うのに必死の使用人たち。 このシーンのムードとは程遠い美しい楽団の音が流れる。 レポレッロは当時流行の楽曲の名を言う。「コーザ・ラーラ」 スープを例のごとく、鍋から飲むドン・ジョヴァンニ。パンをスープ鍋につけて食べている。 レポレッロ「リティガンティ!」 レポレッロが盗み食いをし始めると、ドン・ジョヴァンニはテーブルの上に乗って、はだしで、どんどん近付いてくる。 ここの二人の会話は、楽団が演奏する音楽の替え歌のようにして歌われる。 また曲が変わって、今度は レポレッロ「今度は有名な曲(フィガロの結婚の一節)だな…」 とオケピを覗き込む。お客爆笑。 ドン・ジョヴァンニ「口笛を吹け!」 レポレッロ「できません」 ドン・ジョヴァンニ「コゼ?(なぜ?)」 レポレッロ「料理長の腕がいいので俺も食べたかったんです。」 ドン・ジョヴァンニ(真似して)「料理長の腕がいいので俺も食べたかったんです、(だとこら~!)」 野菜とシーフードの大皿の中身を大量にレポレッロに投げつける。 大騒ぎしていると、エルヴィラが登場。 ドン・ジョヴァンニ「なんだなんだ?」 エルヴィラ「生活を変えて。」 ドン・ジョヴァンニ「ブラーヴァ!(いいともさ)」 完全に馬鹿にしている。 エルヴィラをいじめるドン・ジョヴァンニ。楽しそう。テーブルまで連れてきて、野菜を投げつけ、テーブルの上に立って、高い位置からワインを(水)だーっと上にかける。 ドン・ジョヴァンニ「女性に、美酒に乾杯!」(悪魔だ~) エルヴィラ駆け去る。 ぎゃ~っ。エルヴィラの悲鳴。 見に行くレポレッロ。 まともにしゃべれない。 「ターターターター」と石像の歩く音を真似する。 ドン・ジョヴァンニは豪胆。自分で扉を開け放つ。 ゾンビ~~ 思わずあとじさるドン・ジョヴァンニ。 ドン・ジョヴァンニ「食事を一名分用意しろ!」 ドン・ジョヴァンニは後ずさりながらテーブルに近寄り、手前の椅子にぶつかってダーンと倒す。初日は倒れなかったような? そして、パンを二つに割ると、天に向かって投げ上げる。十字を切る。お祓いをしているのだ。それからワインを注いで、天に向かって差し上げ、それに唾をべっ!と吐く(うわ~)。 しかし甲斐もなく亡霊は退散しない。 亡霊はテーブルにがっちゃんと不規則な動きでやってくる。 ドン・ジョヴァンニはテーブルの前の方にじりじりと回るが、だんだん体の自由が効かなくなってくる。テーブルにしがみついてやっとこさ立っている。 「お前は俺の晩餐に来るか?」 ばつ、ばつ、ダメとドン・ジョヴァンニに合図するレポレッロ。 「俺は卑怯者じゃない、行くとも!」 「それでは誓いに腕を出せ」 その手をつかんだ瞬間、床に崩れ落ちるドン・ジョヴァンニ。焼け付くように内臓が痛い。苦しくてシャツをはだけてかきむしる。のたうちまわる。 「ペンティティ!(悔い改めよ!)」 「ノ!(嫌だ!)」 「シ!(ハイと言え!)」 「ノ!(嫌だ!)」 騎士長が手を放す。絶叫と共に苦しむドン・ジョヴァンニ。 ついに地獄の窯が開いた。 真っ赤な背景で、巨大などくろの天使が現れる。 晩餐のテーブルが地面にめり込んでいく。平らになるまで。まるで魔法のよう。 「苦しい、苦しい」と叫ぶドン・ジョヴァンニ。 身をよじって、のけぞらせて、断末魔の苦しみ。 レポレッロが駆け寄るが、どくろが鎌をふりおろした瞬間、 「ああーーっ!」と絶叫し、絶命する。 レポレッロも叫ぶ。 復讐を果たした5人が現れ、歌う。 マゼットが遺体に近付いてくると、寄らせまいとレポレッロがかばう。しかし、マゼットは哀れむように何か小さな数珠?みたいものを彼の傍らに投げた。 今度はエルヴィラ。エルヴィラには身をどけて悼ませてやるレポレッロ。 エルヴィラは修道院に入る、と歌う。 もうちょっと結婚は待ってねと歌うドンナアンナ。 あたしたちは家に帰ろうと歌うツェルリーナとマゼット。 死体は無残にもどくろの墓場にうち捨てられる。 レポレッロは大きく腕を拡げて肩をすくめる。 暗転。 全幕了。 明るくなるとシャツのボタンをとめたサイモン。 きょうはすごくうれしそう。 笑っていて、(初日は微笑むといった感じ) カーテンコールで前に進み出る時に足をポーンと前に蹴りだした。 お疲れさまでした。 やはり初日と2日目はこんなにも違うのね。 殺気、緊張感ではやはり初日は別格のものがあった。見終わって吐きそうになった。 2日目はおもしろく、こなれていた。

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