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2017/09/03(日)23:09

小堀勇介日本凱旋初ソロコンサート

OPERA(2957)

Photo:©Shevaibra, courtesy of the artist ​​小堀勇介テノールリサイタル​​ 2017年9月2日(土)18:30開演(18:00開場)  高輪プリセスガルテン内 "アンビエンテ” <出演> 小堀勇介(テノール) 久保山菜摘(ピアノ) *** 今日は珍しくダブル・ヘッダー。 ソワレは世界のコボリの日本凱旋初ソロ・リサイタル。 お聴きするのは先日の加来さんとのデュオ・リサイタル以来でしょうか? 今日はピアニストにソロも演奏させず男一本勝負!でした。 まじロッシー二 神でした。 High Cは当たり前 High D まで飛び出す。(小堀さんご本人の談では、本日の最高音はHigh Dだったということです。ご指摘恐縮です。) アジリタは自在でオリジナルヴァージョン。 セミラーミデからイドレーノのアリア ロッシー二のオテロからロドリーゴのアリア チェネレントラからドン・ラミーロのアリア どれも世界レベル! ペーザロで聴いたルネ・バルベラ ちょっと前のファン・ディエゴ・フローレスレベル! モーツァルトもマイクル・スパイアーズが得意そうなイドメネオのアリア レアで超絶技巧のものがほぼだった。 ピアニストの久保山菜摘さんもとてもすばらしく、小堀さんのペースに完璧に合わせていました。 たくさんのファンを着実に獲得しているのも嬉しいことですね。 後藤春馬さんや山口義生さんら仲間の歌手も駆けつけた。 先日の国立音大OBのメリーウィドウで、ボグダノビッチを演じたバリトン島田恭輔さんにもお会いできた。師匠が同じで福井敬さんだそうです。 お疲れ様でした。 詳細リポート お待ちください。 *** Mozart: Idomeneo, 'Fuor del mar'  モーツァルト「イドメネオ」から   イドメネオのアリア♪嵐の海を抜けてもこの胸にはまだ海が  ご一緒に鑑賞させていただいた「名古屋のおやじ」さんがプログラムを見て驚いていたが、本当に1曲目からこの難しい曲を持ってきた!普通の歌手はたいてい、リサイタルの第1部は歌曲で占められるのだが、いきなりこれ。  ご本人が前回のリサイタル後にソロリサイタルは「ロッシーニ尽くしだ」とおっしゃっていたので、大変楽しみにしていたが、期待をはるかに超える超難度技巧の楽曲ばかり。   'Fuor del mar'は大変長い曲で難しいアジリタも。  最高音は A。(ニコライ・ゲッダ)  イドメネオ歌い終わってマイクを手にする。ご本人のトークをメモをもとに記述させていただきます。 小堀「今日はいきなりヘビーな曲で始まりました(笑)。このリサイタルのコンセプトはおいおい説明していきます。」(ひとしきり「イドメネオ」の薀蓄を語る) 小堀「この曲は神への怒りに満ちたアリアなんです。次の曲も怒ってます。(客笑)ネガティブな世界へ皆様をお連れします(客爆笑)。次の曲「なりゆき泥棒」は新国立劇場オペラ研修所で、ドン・アルベルトを歌わせていただいた。」 D'ogni più sacro impegno - Occasione fa il ladro - Rossini  ロッシーニ「なりゆき泥棒」から   ドン・アルベルトのアリア♪どんな神聖な誓いであろうと  アジリタがスゴイ(悲鳴)。軽やかなロッシーニのアジリタはやはりすばらしい!  早くも高音が。B(♭シ)でしょうか。  Yijie Shi の音源では 最高音Bでした。  マッテウッツイの音源ではアジリタで最高音HighC 締めは最高音B.   小堀「ロッシーニのアジリタはモーツァルトに比べると、自由度が認められている。Mozartはすべて装飾音も楽譜に書かれている。Rossiniは歌手の力量に任せているのです。」 小堀「一年間ボローニャに留学して今年帰国。ソロリサイタルをようやく開くことができた。1年間現地でベルトルッツィ(?)先生に師事した。その成果をお見せする場だ」 Don Giovanni: "Dalla sua pace la mia dipende"  モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」から  ドン・オッターヴィオのアリア♪私の平穏は彼女のそれに依っている(小堀訳)    最高音はG  透明な声。ゆっくり歌う。アジリタも非常にゆっくり回す。  前回の静岡国際オペラコンクールの本選で歌った曲。 小堀「ちまたの演出家はドン・オッターヴィオが嫌いなのかもしれません。(客笑)でも彼はジョヴァンニの友達なのです。理性的で自らジョヴァンニに手を下さず、司直の手にゆだねようとする。皆さん、ドン・オッターヴィオを応援してください(客笑)」 小堀「次はバロックです。僕の声種と違うのですけど歌わせてください。『オルフェオとエウリディーチェ』のフランス語の響きが好きです。これはズボン役のメゾのために書かれている曲だが、ウィーン版はテノールのために転調されて書かれた。これもテノールのために書かれたものです。」 Gluck:Orphée et Eurydice - 'J'ai perdu mon Eurydice'  グルック『オルフェオとエウリディーチェ』から  ♪エウリディーチェを失って(フランス語)  悲しみと慟哭の歌唱。あまりにも入り込んでいる。汗をふく。 小堀「バロックは即興をやってもよかった。通奏低音だけが書かれて、自由な伴奏を創って演奏していた。当時の演奏家のレベルは高かったと僕は思う。」 小堀「イタリアでアカデミア・ロッシニアーナに入って研修していた。ロッシーニを勉強していたのだ。ロッシーニの「オテロ」に出てくる総督の息子役のロドリーゴ(テノール)は、ヴェルディの「オテロ」には登場しない(など薀蓄を語る)。」 Rossini,Otello "Ah come mai non senti"  ロッシーニ「オテロ」から  ロドリーゴのアリア♪ああ、なぜ何も感じないのだ  Che ascolto? ahimè, che dici?  アダージョ Ah! come mai non senti pietà de' miei tormenti? del mio tradito amor!   アップテンポ  スゲー!!!  High C → B → High C → High C  (フローレスで確認しました) Bravoが飛び交う中第一部終了。続く。 第2部  マスネの「マノン」からスタート Manon - En fermant les yeux  マスネの「マノン」から  ♪瞳を閉じれば僕にはそこに見える(フランス語)    最高音はA。夢見るように歌う。 小堀「マスネは天才だと思う。この伴奏にこの旋律で創り出す世界。僕は大学院を終了するときにマスネの「マノン」を勉強した。僕はイタリアものもフランスものも好き。これが僕の(音楽活動の)2つの柱と考えている。後にドイツ語ものも、と考えているが、柱はこの二つだ。」 小堀「「連隊の娘」はびわ湖ホールで歌った。High C(ツェー)9連発です。」 Gaetano Donizetti:La Fille du Regiment - "Ah! mes amis, quel jour de fête!"  ドニゼッティ「連隊の娘」から  トニオのアリア♪ああ、友よ!なんという祝宴の日  軽やかに 9 times High C 決めました。お客さん大興奮。 小堀「第二部はポジティブなアリアを集めました。次の「セミラーミデ」はあまり上演されないオペラですが、それはなぜかというと、すべての役が超絶難しいので歌える歌手を集めるのが大変だからです。」 Gioacchino Rossini from Act I, Scene 1 of the Italian opera Semiramide   Idreno : Ah dovè il cimento  ロッシーニ「セミラーミデ」から  インドの王子、イドレーノのアリア♪ああ、試練はどこに    最高音 High D  これがまさにすごい!アジリタの嵐。  私のメモでは   High C → High C → High D → H → High C →  HからのHigh C(?)  フローレスの音声では、  High C → High C → High D → H → High C   ブラウンリー   High C → High C → High D → H → High C → H → HからのHigh C → High C → High C   すみませんがブラウンリーと小堀さんが同じだったかはちょっとわかりません。 小堀「ロッシーニを歌うのはアスリートだと思ってます。ここの筋肉が常にひくひく動いている。 Gioacchino Rossini "Si, ritrovarla io giuro" La cenerentola  ロッシーニ「チェネレントラ」から  ドン・ラミーロのアリア♪必ず彼女を見つけ出すと誓う  ペーザロでのコンサートでも歌った曲。北米でこの役で公演しているはずなので、役柄的にもこなれている。演技が入っていた。  H → High C → High C、  ゆっくりのアダージョ。  そしてアップテンポに、アジリタ。アジリタの二回目は自由に変えている。すごい!  High C → 最後の前 High C →からの→High D(?)  フローレス  H → High C → High C   アダージョ  High C → 最後の前 High C→ 最後:High C  ブラウンリーも上記同様 ルネ・バルベラはやはり最後にHigh Dを散りばめてます。 Romeo and Juliet, Gounod: "Ah! lève-toi, soleil!"  グノー「ロミオとジュリエット」から  ♪ああ、昇れ、太陽よ 小堀「ロミオとジュリエットはベッリーニの「カプレーティとモンテッキ」よりグノーのほうが好き。ジュリエットのバルコニーの下で歌うセレナーデ。学部の卒業試験で歌った曲です。」  最高音は B。 アンコール:日本歌曲4曲  表現力がすばらしい!ピアノもすばらしい!!  おつかれさまでした。

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