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2022/12/12(月)12:43

Gruppo Nori «外套»&«ジャンニ・スキッキ»

OPERA(2990)

Gruppo Nori Opera vol.2】 G.プッチーニ作曲 オペラ«外套»&«ジャンニ・スキッキ» 原語歌唱字幕付き A公演 2022年12月8日(木) 開場17時30分 開演18時00分 …鑑賞日 B公演 2022年12月9日(金) 開場14時30分 開演15時00分 稲城市立iプラザホール 指揮 杉原直基 演出 三浦奈綾 演奏 ミラマーレ・オペラ室内アンサンブル ※コンサートミストレス 田澤明子 ※オケ中ピアノ 井向結 Aキャスト «外套» ミケーレ 今井俊輔 ジョルジェッタ 神田さやか ルイージ 上本訓久 フルーゴラ 相羽薫 ティンカ 小山健太郎 タルパ 山田大智 小唄売り・恋人男 川崎宇鷹 少女達・恋人女 米田佐和子 «ジャンニ・スキッキ» ジャンニ 鶴川勝也 ラウレッタ 藤井冴 リヌッチョ 岡坂弘毅 ツィータ 杣友惠子 シモーネ 山田大智 ネッラ 山口なな チェスカ 伊藤いずみ ゲラルド 川出康平 マルコ 竹内利樹 ベット 戸村優希 スピネロッチョ・アマンティオ 中原和人 グッチョ 佐藤由基 ピネッリーノ 寺田穣二 ゲラルディーノ 岡坂幸蔵 Bキャスト «外套» ミケーレ 松山いくお ジョルジェッタ 遠藤紗千 ルイージ 上本訓久 フルーゴラ 成田伊美 ティンカ 野村京右 タルパ 小幡淳平 小唄売り・恋人男 川崎宇鷹 少女達・恋人女 脇屋敷美里 «ジャンニ・スキッキ» ジャンニ 今井俊輔 ラウレッタ 坂部愛 リヌッチョ 野村京右 ツィータ 田辺いづみ シモーネ 小幡淳平 ネッラ 長田真澄 チェスカ 正岡美津子 ゲラルド 新後閑大介 マルコ 大島嘉仁 ベット 平岡基 スピネロッチョ・アマンティオ 中原和人 グッチョ 佐藤由基 ピネッリーノ 寺田穣二 ゲラルディーノ 岡坂幸蔵 舞台監督 穂刈竹洋 照明 宮野祥太(ASG) 音響 五十嵐優(五十嵐音響プラン) 美術 山崎亜美(プランニング・アート㈱) 衣装 坂井田操 ヘアメイク 濱野由美子 企画 上本訓久 広報 井向結 主催 特定非営利活動法人ミラマーレ・オペラ 助成 AFF2 *** 稲城のプッチーニ、強烈でした! 三部作から2作をセレクトしてつなげた上演 スター歌手の降臨もありましたが 上本訓久さんの門下生総出演の適材適所のキャスティングが見事でした。 そして演出!演出が瞠目でした。 三浦奈綾さん、才能あります。 また外套で使ったセットをジャンニスキッキにもうまく使いまわししている手腕もおもしろかったです。 音楽もピアノだけではないきちんとしたアンサンブルで各楽器の音色がオペラの内容にはまっていてすばらしかったです。 音楽、演出、キャストとすべてが揃っている公演で個人主宰の団体でこれだけのものを作り出すとはさぞかし大変だったろうと思います。 本日金曜日も公演があります。今井俊輔さんのジャンニ・スキッキが見られます!! *** 外套 Il Tabarro by Giacomo Puccini Libretto : Giuseppe Adami Fach  Michele Fach : dramatic baritone Giorgetta Voice Part : soprano Fach : spinto Luigi Fach : dramatic tenor/heldentenor *** プッチーニの「外套」は実演を見る機会が少なく、今まで実演を見たのは 2017年4月のY's company オペラシリーズvol.1 2018年2月のANCORA 第4回公演地獄めぐりダブルビル 2018年9月の東京二期会の公演「三部作」 2020年のオペラ工房アヴァンティ第3回公演 の4回だけである。 陰惨で後味が悪いのであまり上演されないのかもしれないが ヴェリズモの典型とも言える世界なのでもっと上演されてしかるべきかもしれない。 今回は暗い照明の中セットは船着き場の光景なのだろうが写実的なセットはなく、斜めに伸びる木製の「坂道」が船着き場の荷物の積み込みの坂道を表現しているが、天国へ続く道でもあるのかと思う。もう一つセットが坂道の背後にあってそれはイントレ様のもの。坂道より高い位置にあってステージ上に3つの高さを表現できていることが実に立体的な効果をもたらしていた。 坂道を重い荷物を背負って運んでいく人々は、まさに苦難の人生を生きてなんとか先の天国にたどり着こうとしている人たちのように見える。犍陀多のクモの糸のように。人生の歩みは止まらず苦しみしかない。ミケーレは数年前に失った子供のことが忘れられない。ミケーレは幻影を見る。 ジョルジェッタ:ミケーレ、何を見てるの? 夕日がそんなにきれい? ミケーレ:そうなんだ。 今井俊輔は白いウィッグをかぶって老け作りをしているがそのセクシーな男盛りの魅力はダダ洩れであるw 彼はミケーレを演じさせたら他に並ぶものがいないぐらいはまっている。声は重いドラマチック・バリトンである。この役は私はファン・ポンスの強力な声がデフォルトになっている。 ジョルジェッタは皆に酒を振る舞う ティンカはジョルジェッタと踊るが、その下手さにあきれてルイージが代る ティンカ 小山健太郎さんはリリックなテノールですごくイケメンですばらしかったです。 タルパ「おい、親方が来たぞ!」 タルバはジョルジエッタと踊るルイージを見て、いやな予感を感じている ミミの歌を歌う流しの唄歌い、プッチーニの名作「ボエーム」のメロディが流れる。モーツァルトがドンジョヴァンニの中でフィガロの結婚のアリアもう飛ぶまいぞこの蝶々を奏でるように、プッチーニのいたずらが光っている。 ジョルジェッタ「パリにいたころは幸せだったのに」 ミケーレ「そうだな」 ジョルジエッタはいまだに若い娘なので25歳も年上の夫ミケーレにはもう愛情を感じることができない。自分は自由が欲しい。陸上の楽な生活がしたい。 ジョルジェッタ 神田さやかさんの役への没入ぶりもすさまじく、彼女はリリック・ソプラノだと思うのだが、すばらしい演奏だった。 フルーゴラが現れる フルーゴラとジョルジェッタ タルパが来る タルパ「ばあさん、ここにいたのか。何してた?」 フルーゴラ「猫のことを話してたのさ」 ミケーレが来て来週も来てくれるかとルイージに仕事を振る ティンカが飲んだくれている。ティンカは酒で悲しみを忘れさせていると語り、ルイージは同意する。人生はみじめで将来に希望もないと悲観するルイージ。 ルイージのアリア Hai ben ragione すごい迫力! ルイージは親方の奥さんである若いジョルジエッタに恋していてその気持ちを隠して生きていくのがつらい。船を下りようとさえするが。 ルイージは超難役で、ヘルデンテノールの強靭さが求められる。もちろん最高のスピントテノールの上本訓久さんほどこの役にはまる人はいない。 上本訓久さんは来年2月にタンホイザーの題名役を広島で歌う。 ティンカの妻は娼婦でティンカはそれを忘れたくていつも飲んで酔っ払っている。 フルーゴラとタルバは老齢に差し掛かった夫婦でお互いを支えて生きていくしかないとわかっている。 タルパ「引き上げよう」 ジョルジェッタとルイージ È ben altro il mio sogno! Giorgetta ジョルジェッタ「ミケーレが知ったら殺されるわ」 ルイージ「その方がいい、離れていなきゃいけないぐらいなら」 ジョルジェッタ「あんたと逃げて二人きりになりたいわ」 ルイージが抱擁するがミケーレが現れる ジョルジェッタ「気をつけて!」 ルイージ「親方、俺をルーアンで下ろしてほしいんだ」 ミケーレ「ルーアン、ふざけるな、仕事もないし、あそこはひどい街だぞ」 ルイージ「わかったよ」 ミケーレは去る ジョルジェッタ「どうしてルーアンで降りるなんて言うの」 ルイージ「親方と俺でお前を分け合っているのがいやなんだ」 ついに昨夜口づけしたルイージとジョルジエッタ、今夜も逢引の約束をする。 ルイージはナイフを取り出して見せる 驚くジョルジェッタ ミケーレが現れる。 ミケーレ「どうした、寝に行かないのか?」 ジョルジェッタ「あんたは?」 ミケーレ「俺はまだだ」 ジョルジェッタ「どうして飲んだくれのティンカを首にしないのさ?」 ミケーレ「あいつが飲むのは不貞な妻を殺さないためなんだぞ」 ショックを受けるジョルジェッタ。 Perchè, perchè non m'ami più? Michele ミケーレはジョルジエッタの心が離れているのをわかっている ミケーレ「どうして俺をもう愛してくれないんだ?」 ジョルジェッタ「そんなことないわよ」 ミケーレ「以前はゆりかごに赤ん坊が寝ていて…」 ジョルジェッタ「その話はやめて」 ジョルジェッタ「おやすみなさい。もう眠いの」 ミケーレ「ああ、お休み…」 ミケーレ「浮気女め!」 ミケーレは誰かがジョルジエッタと逢引していることを気づいているがそれが誰だかわからない 逢引の合図のマッチを擦る その光を見てやってくるルイージ ミケーレは背後から太い縄を首にかける。 ルイージはナイフを取り出して抵抗するがミケーレはそのナイフを腕ごと握り彼の太ももに思いっきり突き刺す ぎゃああ! ミケーレはルイージと背中合わせになると全体重をかけて… この殺害シーンがとてもリアルで恐ろしい ルイージは座り込んだままの姿勢で絶命する ジョルジエッタはさっきの会話を後悔して謝りに来る。 しかしそこで見せられたのは… ジョルジエッタは気絶する。 その上にミケーレは○○を倒す。 了。 ジャンニ・スキッキ Gianni Schicchi by Giacomo Puccini Libretto : Giovacchino Forzano 原設定 Gianni Schicchi (age 50) baritone Lauretta (age 21) soprano Zita (age 60) contralto Rinuccio (age 24) tenor Gherardo (age 40) tenor Nella (age 34) soprano Gherardino (age 7) soprano or treble Betto di Signa(貧しくみすぼらしい恰好, 年齢不詳)bass Simone (age 70) bass Marco (age 45) baritone La Ciesca (age 38) mezzo-soprano Maestro Spinelloccio, a doctor bass Ser Amantio di Nicolao, a notary baritone Pinellino, a cobbler bass Guccio, a dyer bass *** ジャンニ・スキッキでのセットチェンジはなく、さきほどの抽象的な坂道とイントレ様の高台が使いまわしされる。 亡くなったブオーゾの寝台を押して天国に運んでいこうとしている一同。 しかしブオーゾはそう簡単に天国に行かしてはもらえない。 遺言状を探す親戚一同 どこから持ってきたか書類をまき散らすゲラルディーノ 親戚一同は皆適材適所なキャスティングで演技も演唱もすばらしかったです。 Il testamento di Buoso Donati! 遺言状は見つかったが結果は残念だった すべて坊さんに寄進されるのだ 怒りを募らせる親戚一同 恋人ラウレッタと結婚したいリヌッチョは知恵者のジャンニを呼ぶ 来るよ 誰が? Gianni Schicchi! リヌッチョのアリア Firenze è come un albero fiorito Rinuccio Fach : lyric tenor Range : F3 to A#/Bb5 Viva la gente nova e Gianni Schicchi! 岡坂さんすばらしい声です。 彼だ! ジャンニと娘。 Rino! 愛し合う恋人たちの再会。 やってきたジャンニに冷たい親戚達。 田舎から来たジャンニを馬鹿にしているツィータは彼の介入を許さない Brava la vecchia! Brava! ツィータはごうつくババアで押しが強く、皆のリーダー的存在である。 一方年長のシモーネはいまひとつ威厳もなく強い意志も感じられない 皆に尊敬されていない ニエンテ、ニエンテ、ニエンテとジャンニが拒否して音楽が不協和音を繰り返す ジャンニの感情を音楽で表現しているプッチーニすばらしい。 この音が鳴ると次はあの名アリアだと期待させる。 私の大好きなお父さん O mio babbino caro Babbo, pietà, pietà ラウレッタ 藤井冴さん、本当にすばらしかったです!感動して涙が出てくるほどでした。 ラウレッタの懇願によりジャンニは思い直し、遺言状を検討する ジャンニはブオーゾになりすまし… 医者をだます ジャンニの鶴川さん、七色の声がすばらしい!ここまでブッフォにやるのはさすがと思わせる。 もう勝ったも同然! Si corre dal notaio 公証人を呼ぶんだ! In testa la capellina 頭にはナイトキャップ、口元にはハンカチ… ジャンニは公証人をだます方法を語り始める… ジャンニがブオーゾに扮して遺言を書き換えようと言うのだ 親戚一同、スキッキを崇め奉り、自分の欲しいものを言う 公証人をだます そしてまんまと… 泥棒め!!!!! 怒る親戚たち ここは俺の家だ 出ていけ! 若い恋人たちのために地獄に堕ちることも辞さないジャンニ 幸せな二人 ジャンニの独白で幕となる。 了。 お疲れ様でした。

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