
※文中敬称略
※会場内撮影不可。
全国共同制作オペラ「高野聖」
原作】泉鏡花
作曲:池辺晋一郎
2025年11月16日(日)17:30開演(16:30開場)
高崎芸術劇場 大劇場
出演】
城宏憲(上人)
冨平安希子(女)
今井俊輔(親仁・女の家の下働き)
門田宇→原田勇雅(薬売り)※高崎公演のみ
近藤洋平(天秤棒の男)
徳安諒(小児のような男)
高橋洋介(私・聞き手)
石川公美(茶屋の女)
山海塾(舞踏手)
坂東玉三郎(語り・声の出演)
日本オペラ協会高野聖合唱団
大友直人(指揮)
群馬交響楽団
上人(カヴァーキャスト):新堂由曉
女(カヴァーキャスト):湯浅桃子
スタッフ】
台本:小田健也(台本補作:原純)
台本翻訳:家田淳
演出:原純
美術:土屋茂昭
映像:ムーチョ村松
照明:塚本悟
衣装:原純
ヘアメイク:きとうせいこ
振付:蝉丸(山海塾)
所作指導:藤間蘭黃
舞台監督:伊藤潤
演出助手:三浦奈綾
広報画:山本タカト
【主催】高崎芸術劇場(公益財団法人 高崎財団)
【特別協力】北國新聞社、一般財団法人石川県芸術文化協会
【協力】泉鏡花記念館
***
池辺晋一郎先生の作曲したオペラ『高野聖』14年ぶりの再演
すばらしい作品だった!
演出も美しく幻想的で
キャストも役にはまっていた。
原作は泉鏡花のエログロ怪奇小説だが、
オペラになってさらに宗教的に昇華されていたと感じた。
脚本は原作の登場人物の肉づけをさらに膨らました感じで
『女』がまるでワグナーのタンホイザーやパルジファルのヒロインのように聖俗の二面性を見事に描き出した。
冨平安希子さんは、Anne Schwanewilmsのような、 Hochdramatischer Sopran に近いWagnerian Roleも歌える、強靭なドラマチック・コロラトゥーラ・ソプラノ Dramatic coloratura soprano Dramatischer Koloratursopran で
リリカルな超高音域を持ち、
この作品では常に高い音域を歌うことを強いられるが見事だった。

冨平安希子さん(ソプラノ)※撮影:今年6月 Photo: ©Shevaibra, courtesy of the artist
怖しい体験をする上人を演じた城宏憲さんは、ガリガリに痩せて修行僧の雰囲気を出していた。きっと地獄の断食をしたに違いない!彼の役にかける執念を感じた。
謎の男、「親仁(オヤジ)」を演じた今井俊輔さんすごいキャラクターだった。ただ一人お嬢の近くで〇〇されない男の卑屈な嫉妬がギラギラ滲み出ていてその野鄙な感じが油のようにぬらぬらしていた。
確かに彼は上人に限りない憎しみを抱いていた。その下卑た笑いから上人の聖性を否定したいという欲望が煮えたぎっていた。こういうキャラクターできるのは彼だけ?新キャラ爆誕である。
ドラマチック・バリトン。
これ絶対テレビで放送してほしいです。
同じように曲者のキャラクター、薬売りを演じた原田勇雅さんも見事だった。とにかく助平で根性の曲がった男を見事に表現していた!
カヴァリエ・バリトン。
このように聖と俗に分かれるキャラクター設定なのでめっちゃ面白い。正直あの原作の怪談とは違う趣きがある。
聖と俗の中間的存在が語り部の高橋洋介さん。
上人を客観的観点から見ることができる人間。
ドラマチック・バリトン。
指揮も群響も合唱もすばらしかった!(語彙力)
主役の2人は、カヴァーキャストによって支えられていた。

「女」のカヴァーキャスト、湯浅桃子さん(ソプラノ)
Photo: ©Shevaibra, courtesy of the artist
演出は驚くほどいろんな仕掛けがあり、圧倒されるその美世界。
原純さんの美意識の高さにはいつも魅せられている。
最近、玉三郎丈の出演作品も演出されており、グローバルな舞台芸術の世界で活躍している。
音楽的には池辺先生のプログラム冊子の記述によると
再演にあたり大幅なカットを行い、
上人のアリアと上人、女のデュエットを追加した
カットしたために必要になったナレーションを玉三郎丈にお願いした
とのこと

作曲の池辺晋一郎先生
Photo: ©Shevaibra, courtesy of the artist
金沢公演では、玉さまの実体がご出演!ますますすごい世界になりそうです!
(全国共同制作オペラ「
高野聖」金沢公演 11月23日(日)開演 14 : 00)
※詳細続く。