394673 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

Welcome to My Novel Jewel Box

Welcome to My Novel Jewel Box

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

jewel55pixiv

jewel55pixiv

Recent Posts

Calendar

Archives

April , 2024
March , 2024
February , 2024
January , 2024
December , 2023

Freepage List

Comments

通りすがり@ Re:ブラック・ジャックの優しさ 2005.11.9(11/09) ホットドックを少女におごる場面は最高^_^
王島将春@ Re:ロマノフ王朝の最後 2005.12.2(12/02) はじめまして。福井市在住の王島将春(お…
与太話@ Re:過去と未来で接触し合った飛行機 2009.10.23(10/23) チェロキー(PA-28)は1960年初飛行ですの…
matt@ mzcIVVxHQHOgPzB C2Oocf http://www.FyLitCl7Pf7kjQdDUOLQO…
matt@ LWXUkqTOhhIFxyqleuS t48pUe http://www.FyLitCl7Pf7kjQdDUOLQO…

Headline News

Favorite Blog

さくらの中の神戸ハ… 47弦の詩人さん

パンドラの小箱-Pand… mariko95さん
AGNUS DEI 結城… yasuha☆さん
悠々楽々 peony60さん
Sakura's Diary sakura1259さん

Keyword Search

▼キーワード検索

Shopping List

お買いものレビューがまだ書かれていません。
October 5, 2007
XML
カテゴリ:少女漫画倶楽部

  『汐の声』の主人公佐和は、17歳で悪霊に祟られて死んでしまう。私は、「主人公が死ぬ話」に衝撃を受けた。

 たいてい、物語では、主人公は死なないものだ、と思っていた......というか、そういう話ばかり読んでいたせいなのか。

 佐和が死んだことで、番組企画関係者はその後、テレビ局のあるスタジオに集まる。もちろん、他のスタジオ関係者に気づかれないように......

 彼らは、幽霊屋敷に泊まって3日目、「やらせ」の路線で本格的撮影を始めた時の映像を再生する。

 すると、画面の中から、死の寸前、佐和だけが聞いていた、奇妙な「ドーン、ドォーン、ドォォーン」という音がはっきりと聞こえてくる。

 「何だ、この音は?」

 「うちのが入れたラップ音でしょう」

 「いや、この時は何も音を出していなかった」

 そこで、映像を再生していた担当者が、「そうです。我々は気づかなかったのに、マイクがこの音をとらえていました」と説明する。

 そして、彼は皆のざわめきを静めて、「お静かに!次の画面にご注目下さい」と言う。

 それは、山口舎利が「この家の最大の鬼門は、この風呂場ですね」と言った後、佐和が意見を求められて、次のように話すシーン。

 「ええ......先生方のおっしゃるとおり、このお風呂場は......首をベルトで絞めたあと、手を洗ったんです。あまり力をこめたので、指に血がにじんじゃって」

 これは、佐和自身の言葉ではない。実は、この時、彼女は「例の小さな少女の怨霊」に既に取り憑かれていた。

 その証拠に、彼女がお風呂場をバックにこう発言している時、佐和の背後にワンピース姿にリボンの、愛らしい少女の姿がぼ~っと映っていたのである......!

 スタッフ一同は、すぐにこれは心霊映像だと分かり、恐怖に慄き、騒ぎ出す。そこを映像担当者が「皆さん、落ち着いて!この少女に見覚えはありませんか」と言う。

 そこで、女性スタッフが「私、あの子は見たことがある......でも......嫌、怖い!」と顔を覆ってしまう。

 映像担当者「そうです。局の上層部にこの少女を知っている者がいて、判明しました。この少女は、20年前、子役スターとして一世を風靡した、舞あけみです

 その名を聞いて、皆驚き、「舞あけみ......知っている!でも、なぜ彼女が......?」

 そして、先程の女性スタッフが震えながら、皆に話す。

 「私......変な話を聞いたことがあるわ......あの人......やり手のステージママに薬を飲まされて......小人になったんですって......成長を止める薬を飲まされて......

 その話に一同更に驚く。

 だが、映像担当者は皆に口止めする。「お静かに!とにかく、この番組は放映禁止です。人一人、死んでいるんですからね。あんなに怖がっていたサワさんを馬鹿にしていた結果が......これなんですから。関係者は、絶対に口外しないこと。いいですね」

 そして、誰もいなくなった「果無屋敷」。月のいやに明るい夜更けー屋敷中の戸を「ガラガラガラ......」と開け、誰かが「パタパタパタ......」と走り回る「音」だけがする。

 その後が、ラストシーン。

 その「音」は、小人と化した「舞あけみ」の霊が追いかけ、彼女に取り憑かれて死んだ佐和が泣きながら逃げ回る音なのだ。

 佐和は、死後も泣きながら、孤独感と恐怖に慄きつつ助けを求めて逃げ続けている。

 「ママ......ママ......助けてぇ......みんなどこにいるの......助けて......」

 私はこのラストシーンにぞ~っとした。

 想像力のたくましい私は、「この屋敷では、昼間も、夜も、佐和の泣き声と助けを呼ぶ声が響いているんじゃないかな......佐和の霊も、永遠に浮かばれないまま......」などと、実在しない屋敷が、さもあるかのように考えてしまう。

 このラストシーンが救いがない。

 それでも、最も怖いのは、「舞あけみ」が母を殺害後、顔を上げた時の場面である。この場面は、ラストシーン同様、丸々1頁使っているがー

 何でこんなに怖いのだろう。

 よく考えると、要するに、体が子供なのに、顔が不気味に老け込んでしまっているーという点なのだ。

 この作品に関する感想を検索すると、ほとんどの人が「ホラー漫画では、最高に怖い」と書いてある。

 かの亡くなった中島らも氏も、この場面を取り上げて、「子供の体に大人の顔が乗っているのが怖い」と述べられているそうだ。

 また、次の内容は、アマゾンでの読者レビューを引用したものである。

 ーかつてのインタビューで、作者が「汐の声」のラストは(読者の)誰も怖がってくれないと思った・・と話していて、これ以上怖かったら本を開けられない!と思ったものです。

 他にも様々な意見や感想があった。

 「この漫画はホラー作品では最高です。ある人気漫画サイトのホラー作品ランクでも、『私の人形』と『汐の声』が常に1、2位を争っていました

 「市松人形、やばいっす。どれだけたんすや押入れにしまっても、寺で焼いても、持ち主のもとに戻ってくる。ガッツ市松!カムバックアゲイーン!」(笑)

 また、私と同じような感想をこの本に持つ人がいて、驚いた。

 「私は、『私の人形』の本は以前、朝日ソノラマの豪華本で読んだ。でも、次第にその本自体が家にあるのが怖くなり、捨ててしまった。後日、捨てたことを後悔し、また買い求めて読んだ。また怖くなり、二度と頁を開けない......」(表現に多少、違いはあるかも知れません。すみません^^;)

 私も、このホラー集による実際の怪奇現象を体験した後は、この本は書棚の奥にしまいこみ、硝子扉を閉め、扉の前に分厚い辞書や辞典を積み重ねている。

 それでも、私はその背表紙は硝子から確認できる状態にはしている。

 またある日、突然異変が起きて、その本が書棚から息子の部屋へとワープし、勉強机の上や、布団の上に「人形の表紙を上にして」置かれてしまう......

 それが怖いからなんである。(相当の怖がり方?^^;)

 また、「怖いからやっぱり好き★」と言う人もいた。

 「『汐の声』を読んでからは、この本が怖くてたまりません。それで、私は、この本の背表紙を見えないようにひっくり返して、押入れの奥に突っ込んでいます。それでも、あの本が押入れの中にある、と思い出すだけでもまた怖い。でも怖いのはやっぱり大好き。結局、この本が好きなんです。だから、お薦め。5ツ★!

 私は、検索してみて、随分たくさんの人が、山岸さんのこの本と『汐の声』について、感想を書いていることや、皆一様に「怖い」と超怖がっていることに、不思議と嬉しく?なってしまった......(変ですよね~)

 それにしても、山岸さん自身が、「ラストシーンは誰も怖がってくれないと思っていた」と感じていたとは意外であった。

 読者は皆、「もう読みたくない」というほど怖がっているんである。これは、作者冥利に尽きるんではなかろうか

 ともかく、『汐の声』というのは、作品自体がまず怖くて直視できない、というほどなのだが、これまた多くの人が口を揃えて言っていたように、テーマは「親のエゴの犠牲になった子供」なのである。

 佐和は、「霊媒者」でも何でもないのに、親が娘を芸能界に売り出し、変な名目で稼がせようとしていたーそのエゴの犠牲になってしまった。

 また、彼女を死後も追いかける「舞あけみ」自身も、「愛らしい子役姿を永遠に留めさせなければ、子役スターとして売れなくなってしまう。だから成長を止めなければ」と考えた母親の勝手なエゴの犠牲になった存在である。

 その二人の波長がなぜかぴったり合ってしまったのか。舞あけみが佐和に、「お前は 私だー」と言って襲いかかるのはそのせいなのだ。

 けれども、その襲いかかるシーンも恐ろしい......

  60頁ほどの作品なのだが、5回にも渡って感想を書くことになってしまった。

 私は、この作品が真実怖い。だが、これだけ長々と感想を書いたということは......

 やっぱり私はこの作品が「好き」なんだろうと思う。^^;

 

 

  






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  October 6, 2007 08:43:54 PM
コメント(1) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.