書評

2006/01/06(金)19:51

真田太平記 第七巻 「関ヶ原」

歴史・時代小説(97)

今年もよろしくお願いします。年末は継之助のドラマがあった。 大河ドラマの新選組もそうだったのだが、幕末好きと周りから認識されて いる私は、「絶対見てるでしょう?」と良く言われたが、結局一度も観なかった。 理由は、自分の中にあるイメージと配役があまりにも違うからである。 特にあの土方が受けつけなかった。などと書くとかなりの女性ファンを敵に まわすのだろうが、それはそれで致し方ないことである。 ことに、思い入れの深い人物であるなら、尚のことイメージは大事にしたい。 大河ドラマに関しては、最近では「利家とまつ」以来観てない。 という訳で、来年の「巧名が辻」は多分観ることだろうと思う。 と言って、良妻賢母の話が好きな訳ではない。 配役が良かったからである。 今回の「巧名が辻」の配役は http://www3.nhk.or.jp/taiga/cast/cast.html 織田信長:舘ひろし 蜂須賀小六:高山善廣 これが決めてです。かなり良い。 さて、肝心の 真田太平記 第七巻 「関ヶ原」である。 ______________________________________________________________ まあ、家康の狡猾さが西軍を滅ぼしていくのだが、自分が好きな武将の 負け戦を読むのは毎回辛いものである。 立花宗茂、島左近、宇喜多秀家、大谷吉継、島津義弘など、数え上げれば 切がない。 不思議と東軍の武将の戦ぶりには魅力がない。 立花宗茂は関ヶ原の戦いに参加すらさせてもらえなかった。 もし、参加していれば立花軍一軍だけで家康の首をさらっていたことだろう。 島左近は三成への憎悪の為、東軍ほとんどを一手に引き受けて闘った。 宇喜多秀家の家臣団は福島正則を数度撃退した。 島津義弘は前進撤退という、日本戦史にこれ以外ない撤退を 敢行し、井伊直政に致命傷を与えたほどである。 大谷吉継はこの小説では、ある意味関ヶ原の主人公である。 小早川の裏切り後の、平塚為広との会話は涙無しでは読めない。 多勢に対し果敢に戦った武将は美しいのであると思う。 そう、それを戦国時代最後に立証するのは、真田幸村である。 ______________________________________________________________ 真田太平記 池波正太郎 作品 司馬遼太郎 作品

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