カメラ店のウインドウの「オリンパスF」に憧れてみていたのです(執筆 横田俊英)
1、「ミノルタSRTスーパー」は 黒塗りの金属の感触がよいことで満足している 黒塗りの金属の感触がよいことで満足しているミノルタのカメラ「ミノルタSRTスーパー」の試写をしているところです。この一眼レフカメラは私の友人がその昔大学生の分際で持っていたものです。それはスーパーではなくその前のモデルでした。2、私が求めてきたのには8mmF2.5レンズが付いていてほんのわずかの値段でした 私が求めてきた「ミノルタSRTスーパー」は28mmF2.5レンズが付いていてほんのわずかの値段でした。「3,000円では無理ですよ、安くしておきますけど」という店主の言葉があったのです。お店の看板のように3台の黒塗りのこれがウインドウに陳列してあったのです。好き者を引きつけるに十分な内容がこの黒塗りの「ミノルタSRTスーパー」にはあるのでしょう。3、ニコンのFTNとかキャノンのFTbとかが同時代のカメラです 平べったくて大きく重い「ミノルタSRTスーパー」のボディーはこの時代のカメラを特徴づけております。ニコンのFTNとかキャノンのFTbとかが同時代のカメラです。大きくて重いのです。ですから山に持って行く気にはなりません。わたしはオリンパスが出した小さな一眼レフカメラ「OM-1」を選定したのです。「OM-1」や自動露光の「OM-2」は販売終了後に静かな作動音や小ささなどからその良さが見直されたのです。私の「OM-1」はニコンが追加されたことから弟にわたりました。4、ミノルタSRTスーパー」は黒のレンズに黒のボディーでなかなかの風格です ミノルタのレンズ鏡胴はペイントではなくアルマイトのブラック処理です。「ミノルタSRTスーパー」のブラックペイントの塗りは薄塗りです。ペイントの層が薄いのです。キャノンのF1は厚塗りでこれは見事なものです。「ミノルタSRTスーパー」は黒のレンズに黒のボディーでなかなかの風格です。開放測光のこのカメラの絞り値のボディーと測光回路への連結をみていると、この時代のニコンやキャノンやオリンパスはそれぞれに苦労しているなと思います。ペンタックスもスクリューマウントで開放測光を実現しましたが、その後バヨネット式のKマウントに変更しております。5、ボディーに埋め込まれたスイッチを操作するのに骨を折ります 「ミノルタSRTスーパー」は外装に突起物を付けないようにするために苦労した後があり、その痕跡が露光計のスイッチです。ボディーに埋め込まれたスイッチを操作するのに骨を折ります。ともあれそうした苦労が概観を簡素かつ優美なものにしております。高松宏之というジャーナリストで情報機器の業師は「ミノルタSRTスーパー」の前のモデルの「ミノルタSRT」を欲しいと言っております。自身が買った「キャノンFT」の時代のカメラだからであり、ニコンかキャノンかミノルタかと悩んだのでした。キャノンも最初は「FL」というモデルを選んだのですが、その後のモデルの「FT」に翌日に変えてもらったというのです。中古カメラだったのですが当時の高校生には贅沢な買い物です。6、通学の行き帰りにカメラ店のウインドウの「オリンパスF」を憧れてみていたのです 高校生だった私は「オリンパスF」というハーフサイズの一眼レフカメラが欲しいと思っておりました。東大の化学の入学試験で満点を取る友人はカメラはニコンだと言っておりました。「オリンパスF」は一眼レフなのにペンタブリズムの三角の突起がないのです。通学の行き帰りにカメラ店のウインドウの「オリンパスF」を憧れてみているのが精一杯のことでした。この当時私の目にはニコンもキャノンもミノルタも全然目に入りませんでした。「オリンパスF」が他の一眼レフカメラに比べて安かったということもあり、何とか買えそうだと考えていたこともあるのでしょう。買えない高級機のことなど考えなかったのです。7、「SRTスーパー」にはこの時代のカメラに要求された機能がすべて付いている 取扱説明書がないまま、また取り扱いの方法を調べないままで私は「ミノルタSRTスーパー」を使っております。何だかおかしいと思ってあちこちいじっていたら絞り込みボタンを押していては測光ができないことがわかりました。ちょっとした冒険のようで面白いものです。「ミノルタSRTスーパー」にはこの時代のカメラに要求された機能がすべて付いております。TTLの測光機能、絞り込みボタン、セルフタイマー、ミラーアップ装置などです。ASAとDINの換算表が裏蓋に付いているのは親切を通り越していて無駄なことでした。8、ペイントの剥がれ方が持ち主の使用の痕跡になるからいいのだ 大きくて重いという1970年代のカメラを写真を撮る遊びに使うのもいいものです。黒塗りのカメラはそのペイントの剥がれ方が持ち主の使用の痕跡になるからいいのだ、ということをカメラ店の店主は私に説いて「ミノルタSRTスーパー」を安く売らない歯止めにしたのです。この言葉は2,000円価格の上乗せになりました。重いからこのレンズもいい、ということも同じです。9、写真はパソコンにデータとしても保存するのが当たり前になりました 36枚撮りのフィルムをサービス版でプリントすると安くはないお店では2,000円を支払います。カメラはそうした写真代に比べたら随分と安くなりました。写真がデジタルカメラの時代になるとプリントして保存するという行為が今までとは違う意味を持つようになりました。写真はパソコンにデータとしても保存するのが当たり前になりました。写真は映像の記録ですが、デジタルカメラの映像はイチニ、イチニのデジタル数値になっております。映像も情報であり、情報はデジタルになっていて、デジタルは空中を飛んでいきます。何が何だかわからなくなってしまいます。