北アルプス連峰の鹿島槍ヶ岳について 文章 夏森龍之介
北アルプス連峰の鹿島槍ヶ岳についてMt.Kashimayarigadake in the Northern Alps北アルプス連峰の鹿島槍ヶ岳について文章 夏森龍之介北アルプス連峰の鹿島槍ヶ岳について 文章 夏森龍之介鹿島槍ヶ岳は二つの頂に分かれた双耳峰になっている。11月に大町温泉郷付近から撮影。一つの頂(いただき)であったのが山頂が崩れ落ちて二つあるいは三つの頂になった山がある。山頂が崩れ落ちて二つあるいは三つの頂になった山が二つ連なっている。この二つの山は大町市の市街から眺められる。田植えの時期が来たことを伝える「種まき爺」の雪形が出る爺ヶ岳(じいがたけ 標高2,670m)と鹿島槍ヶ岳(かしまやりがたけ 標高2,889m)である。鹿島槍ヶ岳には鶴の雪形が現れる。鹿島槍ヶ岳の鶴の雪形は大冷沢の源頭部に現れるので古くは鶴ヶ岳と呼ばれた。鹿島槍ヶ岳の山頂部の崩壊は里の耕作に影響した。これを収めるためにイカズチの神様の鹿島明神を勧請(かんじょう)した。鶴ヶ岳から名称が鹿島槍ヶ岳に変わった由来だ。山肌が雪の斜面に露出するのがこの二つの山の雪形である。北アルプス連峰の鹿島槍ヶ岳について 文章 夏森龍之介鹿島槍ヶ岳は二つの頂に分かれた双耳峰になっている。左が北峰、右が南峰。日本の山岳には氷河跡が遺されている。立山の雄山(おやま)直下の山崎カールが有名だ。薬師岳の東斜面には氷河地形の薬師岳圏谷(カール)群がある。穂高連峰にあるのが涸沢カール。涸沢カールの壁の最高点は、槍・穂高連峰の奥穂高岳(標高3,190m)でカール壁上端からの比高は約900mあり日本最大。日本には現在も生き続けている氷河がある。氷河の定義に当てはめると紛れもないということで近年になって氷河として認定される動きが続いている。2012年4月に日本雪氷学会が剱岳の三ノ窓雪渓と小窓雪渓、立山の雄山(標高3,003m)東面の御前沢(ごぜんざわ)雪渓、剱岳(2,999m)東面の三ノ窓雪渓と小窓雪渓が2012年6月にそれぞれ「三ノ窓氷河」「小窓氷河」「御前沢氷河」を呼称とすることで同意。極東の氷河の南限がカムチャツカ半島とされていたのが日本の立山連峰となった。2018年1月には北アルプス(飛騨山脈)の一部である鹿島槍ヶ岳のカクネ里(かくねざと)雪渓が氷河とされた。現地調査による論文が複数の研究者の審査の後に学会誌「地理学評論」(2018年1月号)に掲載されたことで確定した。カクネ里雪渓が日本では4例目となる氷河となった。この論文をまとめた調査団は、富山県上市町に位置する剱岳の池ノ谷(いけのたん)雪渓と、立山町にある立山内蔵助(くらのすけ)雪渓も氷河と判断しており、2019年に氷河と確認された唐松岳の唐松沢雪渓(長野県白馬村)も合わせると、日本国内の氷河は7カ所となる。カクネ里雪渓の名の由来は平家の落武者の隠れ里が転訛したもの解釈されるが氷河に人は住めない。北アルプス連峰の鹿島槍ヶ岳について 文章 夏森龍之介白沢トンネル出口に忽然と現れる北アルプス。左から五竜岳、唐松岳、白馬鑓ケ岳。北アルプス連峰の鹿島槍ヶ岳について 文章 夏森龍之介左手が鹿島槍ヶ岳。右端五竜岳。4月9日に白馬村の白沢トンネル出口で撮影。北アルプス連峰の鹿島槍ヶ岳について 文章 夏森龍之介左端の鹿島槍ヶ岳の雪渓は氷河と認定された。五竜岳の遠見尾根の横にみえる唐松岳の唐松沢雪渓も氷河に認定された。2020年現在、日本の氷河は7つ。写真は左から鹿島槍ヶ岳、右にずっと行って尾根が北に延びているのが五竜岳。扇状の山が唐松岳、右端が白馬鑓ケ岳。ここに二つの氷河があり、山の向こうに五つの氷河がある。鹿島槍ヶ岳(かしまやりがたけ 標高 2,889 m) 鹿島槍ヶ岳は、富山県黒部市、中新川郡立山町および長野県大町市にまたがる後立山連峰の標高2,889 mの山。中部山岳国立公園内にある。後立山連峰の盟主とされる。 山頂は南峰と北峰からなる双耳峰で、吊尾根と呼ばれるなだらかな稜線で繋がっている。飛騨山脈。所在地は富山県黒部市、立山町、長野県大町市。五竜岳(ごりゅうだけ 標高 2,814 m) 五竜岳は、飛騨山脈後立山連峰にある標高2,814 mの山。山体は富山県黒部市と長野県大町市にまたがり、山頂部は富山県側に位置する。男性的な山容で、日本百名山の一つ。「竜」のみを旧字体にして五龍岳と表記されることもある。旧字体による表記は「五龍嶽」。 飛騨山脈。唐松岳(からまつだけ 標高 2,696 m) 唐松岳は飛騨山脈の後立山連峰にある長野県北安曇郡白馬村と富山県黒部市にまたがる標高2,695.9 mの山。別名が上犬ヶ嶽。剱岳、立山、鹿島槍ヶ岳と並び日本では数少ない氷河の現存する山である。所在地は 長野県北安曇郡白馬村、富山県黒部市。白馬鑓ケ岳(はくばやりがたけ 標高2,903 m) 鑓ヶ岳は、飛騨山脈の後立山連峰にある標高2903mの山。長野県と富山県の県境に位置する。北アルプス南部の槍ヶ岳と区別するために、一般には白馬鑓ヶ岳またはこれを略して白馬鑓と呼ばれる。ただし、非公式の読みであるが「はくばやりがたけ」あるいは「はくばやり」と読まれることも多い。白馬岳(しろうまだけ 標高 2,932 m) 白馬岳は、飛騨山脈北部の後立山連峰にある標高2,932 mの山。長野県と富山県とにまたがり、中部山岳国立公園内にある。 所在地は長野県北安曇郡白馬村、富山県黒部市、下新川郡朝日町。種類: 褶曲・隆起北アルプス連峰の鹿島槍ヶ岳について 文章 夏森龍之介南峰鹿島槍ヶ岳の山頂から北東に広がる谷にあるカクネ里(かくねざと)雪渓。中遠見山付近(北東側)から望む。鹿島槍ヶ岳の山頂部は雲に隠れている。右手の白い花をつける樹木はナナカマド。7月のカクネ里(かくねざと)氷河のようすである。平成27年度に氷河であるかどうかを確かめる現地調査が、カクネ里雪渓(氷河)学術調査団により行われ氷河であることが確認された。氷河の定義が再確認されたことによって日本の山岳地域にある氷河は七つとなった。七つの氷河は別項のとおりだが立山(雄山)東面の御前沢(ごぜんざわ)雪渓、剱岳東面の三ノ窓雪渓、同じく小窓雪渓などである。氷河(ひょうが)は、山地では重力、平坦な大陸では氷の重さによる圧力によって塑性流動する巨大な氷の塊である。氷河は、山がちな、または傾斜した地形に複数年にわたって氷や雪が堆積し万年雪が圧縮されることでできる。下部には過去の氷期にできたものが融けずに残っている場合もある。氷河は侵食、堆積を活発に行い、独特な氷河地形を生む。地球の気温と氷河は連結していて海進、海退の原因となる。陸上に見られる氷河は南極氷床、グリーンランド氷床を最大級として総計1,633万 平方キロメートルに及び、陸地面積の約11%を覆う。氷河には発達地域による2種類の形態がある。山岳地に形成される山岳氷河と南極大陸とグリーンランドの広大な面積を覆う大陸氷河だ。山岳氷河の温度は一年を通して、表面から底部まで氷の融点付近にある。極地の氷河は水の激しい昇華冷却により常に氷点下にあり融解しない。亜極地の氷河の表面は季節により融点付近に達し溶けた水がいくらか氷河内部に流れ込むが氷河の底部は常に融点以下である。氷河の小規模なものは山岳地帯の谷間に存在するので谷氷河(valley glaciers)と呼ばれる。日本にある氷河はすべて谷氷河である。現在の富士山は若い山であるから氷河はない。深い谷があれば氷河をつくることができたであろうが夏には雪が消えてしまう。若い山であるためにライチョウも棲まない。放鳥したライチョウは富士山に棲めなかった。北アルプス連峰の鹿島槍ヶ岳について 文章 夏森龍之介左手は爺が岳で三つの耳があるのだがここからは二つ。右奥は鹿島槍ヶ岳の双耳峰。鹿島槍ケ岳の向こう側にカクネ里(かくねざと)氷河がある。11月に大町温泉郷付近から撮影。北アルプス連峰の鹿島槍ヶ岳について 文章 夏森龍之介鹿島槍ヶ岳は二つの頂に分かれた双耳峰になっている。左が北峰、右上の表記の後に内蔵助大雪渓が、そして剣岳の池ノ谷(いけのたん)雪渓が氷河と認定された。なおカール跡と現在認定さてている氷河とは異なる概念である。北アルプス連峰の鹿島槍ヶ岳について 文章 夏森龍之介白沢トンネル出口2000年に入ると四角になった。なぜ四角になったか確かめていないが円い出口はサイクリストの心に残る白沢トンネルであったのだ。北アルプス連峰の鹿島槍ヶ岳について 文章 夏森龍之介現在は長野市に組み入れられた旧鬼無里村を超えて白馬村に抜ける峠道の出口の白沢トンネルの向こうに突然あらわれる後立山連峰の雪景色。トンネルの出口は以前は円かった。自転車雑誌の「ニューサイクリング№150 1977年5号 「峠特集」の表紙となったトンネルと山岳風景。サイクリストはこの景色に魅せられて夜行列車に乗車し、夜明けとともに自転車を組み立てて走り出した。北アルプス連峰の鹿島槍ヶ岳について 文章 夏森龍之介大汝山の避難小屋の東の方角にある鹿島槍ヶ岳付近から朝日が昇ってきた。7月18日午前4時39分だ。北アルプス連峰の鹿島槍ヶ岳について 文章 夏森龍之介鹿島槍ヶ岳の左わきに朝日が昇ってきた。7月18日午前4時49分だ。大汝避難小屋まえで撮影。北アルプス連峰の鹿島槍ヶ岳について 文章 夏森龍之介上空に月が残る大汝山と直下の大汝避難小屋。7月18日午前4時過ぎだ。大汝山(おおなんじやま、標高3,015m)直下にへばりつくように据えられた大汝小屋。すぐそばを内蔵助の雪渓が尾根筋に盛り上がる。内蔵助の雪渓は驚異的に巨大である。そしてこの内蔵助雪渓は氷河であることが確認された。大汝山(おおなんじやま、標高3,015m)は、富士ノ折立(ふじのおりたて、標高2,999 m)雄山(おやま、標高3,003m)の三峯を立山本峰(たてやまほんみね)と称する。大汝山はこの最高標高峰。北アルプス連峰の鹿島槍ヶ岳について 文章 夏森龍之介大汝避難小屋からは剣岳(標高2,999m)が手が届くほどのところに見える。剱岳(つるぎだけ)は飛騨山脈(北アルプス)北部の立山連峰にある。剣岳が朝日で少しだけ見えるようになる。剣岳に朝が来た。剣岳登山の人はヘッドランプを灯して午前3時ころから歩き始める。剣岳登山は天候が安定した午前中に終えたい。剣岳の三つの雪渓は分厚い万年氷が流れ落ちる氷河であることがわかった。北アルプス連峰の鹿島槍ヶ岳について 文章 夏森龍之介写真は7月18日、朝日があたる立山連峰の雄山(おやま、標高3,003 m)山頂である。大汝山とは30分ほどの距離にある。立山とは雄山(おやま、標高3,003 m)、大汝山(おおなんじやま、標高3,015 m)、富士ノ折立(ふじのおりたて、標高2,999 m)の3つの峰の総称。立山(雄山)東面の御前沢(ごぜんざわ)雪渓は氷河と認定されている。(タイトル)北アルプス連峰の鹿島槍ヶ岳について 文章 夏森龍之介(本文) 日本の北アルプスである後立山連峰の山、鹿島槍ヶ岳を主題として写真と文章で思いのたけを注いでみた。鹿島の槍ヶ岳ということで、この地が鹿島地域かと想像していた。鹿島槍ヶ岳には鶴の雪形が現れる。鹿島槍ヶ岳の鶴の雪形は大冷沢の源頭部に現れるので古くは鶴ヶ岳と呼ばれた。鹿島槍ヶ岳の山頂部の崩壊は里の耕作に影響した。これを収めるためにイカズチの神様の鹿島明神を勧請(かんじょう)した。鶴ヶ岳から名称が鹿島槍ヶ岳に変わった由来であった。尖った山に槍の名を付すのが習いである。白馬の槍型の山には鑓ケ岳の名が付いた。穂高連峰に連なる槍ケ岳と区別するために登山が盛んになってから白馬鑓ケ岳と名前をふった。 後立山連峰の白銀を棚田に映し出すことで世に知れた鬼無里(きなさ)の棚田がある。白馬村や小川村との境にある鬼無里村は長野市と合併した。長野市から白馬村に向かって走り、鬼無里の細い山道を登り切った白沢トンネルの向こうに後立山連峰の白銀がいきなり広がった。晴天の霹靂ともいえる劇的な北アルプスの山々の出現であった。左手から順に鹿島槍ケ岳、右に五竜岳、唐松岳、白馬鑓ケ岳と連なっている。 善光寺の御開帳を訪ねて白馬村に抜ける4月9日、土曜日の昼頃のことである。スポーツサイクル雑誌の峠越えサイクリングの醍醐味として取り上げられる一番手が鬼無里から白馬村に抜ける道のトンネルの先に出現する景色である。その昔はトンネルの出口は円い形をしていた。何時しか四角になっているのであった。果たしてここは、あのトンネルとあの峠と、その先に広がる北アルプスの景色なのかといぶかる。何かの都合でトンネルの出口が拡大し同時に四角に変わった。 立山の大汝山の山頂にあるといってよい大汝避難小屋から東の方角に穏やかにそびえたる鹿島槍ヶ岳は三角形をしている。安曇野の大町温泉郷付近からの鹿島槍ヶ岳は南峰と北峰からなる双耳峰である。山が風化などさまざまな要因で崩れて二つの頂をもつようになったとされている。富士山の大沢崩れの大きな切り込みは、この山が鹿島槍ヶ岳のような双耳峰になると思わせるが果たしてどうか。そのようになる前に富士山は山体崩壊するのではないか。 東、南、西の三方からの鹿島槍ケ岳の写真を撮影した。7月18日午前4時49分、大汝避難小屋の東の方角に鹿島槍ケ岳が一際大きく見えていて、その左手に朝陽が昇った。地球が息づいていて厳かに朝を迎えたという雰囲気に誰に向かってか感謝の気持ちが起こるのであった。11月の安曇野からの鹿島槍ケ岳はいち早く白銀の山となって二つの峰が紺碧の空に伸びあがる。鬼無里から抜ける白沢トンネルの向こうに突然にあらわれる鹿島槍ケ岳と後立山連峰のもう少しで3,000mの峰々は圧倒的な感動を人にもたらす。鹿島槍ケ岳の北東斜面のカクネ里(かくねざと)雪渓は現存する氷河であることがわかった。日本の現存氷河は七つあり、カクネ里(かくねざと)雪渓はその氷河のうちの一つである。(写真と文章は文筆家 夏森龍之介)北アルプス連峰の鹿島槍ヶ岳について 文章 夏森龍之介富士山と日本にある7つの氷河 文章 夏森龍之介地球温暖化論争の雑記帳(データベース)by計量計測データバンク編集部2021年ノーベル物理学賞は物理法則により地球の気候を再現した真鍋淑郎氏ら三人ロンドンを流れるテムズ川が1677年氷結したのを描いた絵画 犬と子供がはしゃいでいる地球温暖化論争 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