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カテゴリ:計量と計測を考察する「計量エッセー」
強い欲求をもっているとニーズは自ずと分かるものらしい 写真はアンチークなライティングディスク (タイトル) 強い欲求をもっているとニーズは自ずと分かるものらしい (本文) 読みたい本がない。自分の興味の対象にそっくり当てはまっていて書かれて いることのすべてにうんうんと頷(うな)ける本はない。多くの人がうんうん とうなづく本はベストセラーになる。ノーベル文学賞の候補にあがる村上春樹 の本を無理に読んでも面白いと思わない。大江健三郎だってそうである。その ように言う人が多い。それでも村上春樹の本は売れる。村上春樹は英語で考え て英語の文章をまずつくってそれを日本語にしているらしい。だから川端康成 にある日本の情緒、日本語の感性は欠落している。 ある人は難しく考えなくてもニーズ(需要あるいは欲求)がわかるという。 自分が思っていること、自分が欲求していることがそのままニーズであること は多い。市場調査を費用をかけて実施して、上がってくる情報を分析してそこ からニーズを探るということがなされるが、はたしてこの方式で市場対応は成 功するのか。企業のニーズ対応に現場主義というのがある。現場から上がって くる欲求はニーズであることが多いから下手な市場調査よりはまともであるこ とが多い。 人というのは自分に都合がよい情報だけを取り入れる。その人にとってはる かに役に立つ情報がいくつも寄せられても、自己の観念の世界に閉じこもって しまうと世間と接触していても外界とは無縁になって思考は自分の勝手な世界 をぐるぐる回っている。精神科の病院に入院している人は大概このような考え 方をしている。 開発力に富んだ人は市場を調べてニーズを探っているのではない。ビル・ゲ イツもエジソンも自己の欲求によって新しい市場をつくりだしている。いま日 本の産業社会でアレッと思う分野で事業を成功させている人々はその現場にい たら何時とはなしにそれをしていたということのようだ。 人の観念は経済社会を非常に単純にとらえている。いろいろな産業と大企業 そして役所、銀行と。流通と製造と。第一産業、第二次産業、第三次産業など と。そのように考えてしまうが社会と産業をつぶさに見ていくと驚くほどにさ まざまな職種があって人はさまざまな働きをしている。昆虫をカブトムシ、ク ワガタ、カマキリ、セミとして考えてしまうのが普通であるが、草むらにも土 のなかにも驚愕するしかない変な虫が沢山いる。セミやカブトムシなど昆虫の 総数と対比させると太平洋の浮く小舟にも値しないほどである。 物事に一生懸命に取り組んでいたり、強い欲求をもっているとニーズは自ず
と分かるものらしい。世の中にないものならそれを自分でつくってしまえ、あ るいはサービスをつくれ、ということになる。計量器産業で成功している事業 家の多くがそのようであるようにみえる。昆虫の世界にセミとカブトムシしか 見ない人には昆虫の世界は見えない。同じことが経済と産業の世界にもいえな くはないか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年10月20日 18時48分38秒
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