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2018年12月13日
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SIの七つの基本単位のうち四つ、すなわちキログラム、アンペア、
ケルビン、そしてモルは物理定数を用いて再定義されることにな
っていて、このことが計画どおりに採択された。

国際単位系(SI )と7つの基本単位の正体
副題(質量だけは国際キログラム原器で定義され130年ほど使われてきた)

 SI基本単位の定義の多くは、例えば長さはメートル原器から「光の速さ」という物理定数にもとづく定義に置き換わってきた。

 質量の単位キログラムは、国際キログラム原器という金属の加工物の質量としてで定義されていて、130年に及んで使われてきた。原器の質量変動は小さいとはいえ測定技術の向上との関係では無視できない状態になってきた。基礎物理定数の一つであるプランク定数にもとづいたキログラムの定義にすることが現実のものとなりつつあったが、最後の一押しのところで足踏みしていた。

 日本のほか世界の幾つかの計量標準機関がプランク定数をより精密に決定することを通じてキログラムを定義する研究開発が続けられてきた。条件が充足されれば2018年11月に開かれる第26回国際度量衡総会においてプランク定数にもとづいた質量の単位キログラムの新定義が採択されることになっていた。

 物理定数を基礎にして計量単位を定義にすることで技術が進んでも定義を変更することなく、より精密な基準を確保することができ、このことを通じて測定の精密さを向上させることができる。

 質量測定においては1キログラムというキログラム原器から分割して導き出す方式になる微小質量の測定領域で、新しい測定方式や測定器が開発されることが期待されている。このことが微小質量を直接に測定することのほか、ナノテクノロジー領域に新分野を開くことにつながる。

第26回国際度量衡総会で国際単位系(SI)の基本単位キログラム、アンペア、ケルビン、モルが再定義された

 2014年11月に開かれた第25回国際度量衡総会では、国際単位系(SI)の将来の改定を決議を採択していた。2011年開催の第24回国際度量衡総会過去の決議を踏まえてのものであり、国際度量衡委員会(CIPM)のSI改定のための道筋が明示されていた。

 SIの七つの基本単位のうち四つ、すなわちキログラム、アンペア、ケルビン、そしてモルは物理定数を用いて再定義されることになっていて、このことが計画どおりに採択された。2018年11月に開かれた第26回国際度量衡総会でキログラム、アンペア、ケルビン、モルが再定義された。

 新定義となった四つの基本単位のキログラム、アンペア、ケルビン、モルは、それぞれプランク定数(h)、電荷素量(e)、ボルツマン定数(k)、そしてアボガドロ定数(NA)の確定値にもとづくことになった。この結果、SIのすべての七つ基本単位が、物理定数の式で表現された。

アボガドロ定数の高精度化がキログラムの再定義につながる

 光の波長を精密に制御にすることによってシリコン球体の形状をナノメートル領域で計測する装置を開発することでアボガドロ定数の高精度化に成功した。独立行政法人 産業技術総合研究所は、フランス、イタリア、オーストラリア、ドイツ、イギリス、アメリカ合衆国、欧州委員会の計量標準研究機関との国際研究協力(アボガドロ国際プロジェクト)により、アボガドロ定数の高精度化に成功させている。

 アボガドロ定数は1モル(mol)の物質に含まれる原子や分子などの数である。物理学や化学の分野で用いられる基礎物理定数の一つ。アボガドロ定数の高精度測定ができると、国際キログラム原器で定義されている質量の単位を、原子一個あたりの質量に基づいて再定義に道を拓くことができる。

 アボガドロ国際プロジェクトではシリコン(ケイ素)の同位体の一つである28Siだけを濃縮した結晶を製作し、その密度、格子定数、モル質量を測定して、X線結晶密度法によりアボガドロ定数を決定する。

 産業技術総合研究所(産総研)では、新開発した光の波長をチューニングするシステムを備えたレーザー干渉計により質量1kgの28Si単結晶球体の形状を1ナノメートルの精度で測定し、その体積と密度を決定した。

 国際研究協力によって得られた格子定数およびモル質量の値と密度の値を組み合わせることで、アボガドロ定数をこれまでより一桁良い精度(3×10-8)で決定できた。

 産総研などによるアボガドロ定数高精度化は、2011年10月に開催された第23回国際度量衡総会において、国際キログラム原器を将来廃止し、基礎物理定数によるキログラムの再定義を実施する合意につながった。

国際単位系(SI)は、7つの基本単位(m、kg、s、A、K、cd、mol)とその組立単位などでつくられている

 国際単位系(SI)は、長さ、質量、時間、電流、温度、光度、物質量に対応する7つの基本単位(m、kg、s、A、K、cd、mol)とその組立単位などでつくられている。

 出発点は近代度量衡の礎となる1875年のメートル条約の成立といえる。1889年の第1回国際度量衡総会では、メートル原器とキログラム原器がそれぞれ長さと質量の単位として定められた。金属は物資としての安定性に優れた白金とイリジウムの合金であるが、ここには鉄などが極微小ながら紛れ込んでいた。質量変動の要因がなんであるかはわかっていない。

 長さの単位メートルは2度の定義改定があった。1960年のクリプトンランプの波長への定義移行と国際メートル原器の廃止、1983年の光が真空中を伝わる行程の長さを基準にした新定義への移行の2度である。

質量の単位キログラムのプランク定数による定義の背景

 キログラムの定義においては、その誕生から130年ほど経過した現在でも、国際キログラム原器が基準として用いられている。国際キログラム原器はパリ郊外にある国際度量衡局(BIPM)に保管されている。世界の質量標準は国際キログラム原器との定期的な校正によって値付けされた各国のキログラム原器との比較の連鎖によって維持・管理されている。

 表面汚染や損耗などの影響により、国際キログラム原器の質量の長期安定性は50 µg 程度である。1 kg に対して相対的に5×10-8のわずかな変動幅である。近年の計測技術としてはは無視できない大きさである。このようなことでキログラムの定義もメートルと同じように基礎物理定数によって定義することが国際度量衡委員会(CIPM)などで検討されてきた。

 キログラムの基礎物理定数を用いた再定義案としては、原子の数から質量を決めるアボガドロ定数に基づくもののほかにも、相対論と光電効果から光子のエネルギーと質量を関連づけるプランク定数に基づくものが検討されていた。

 2つの定数を国際キログラム原器の長期安定性(5×10-8)を上回る精度で決定することがキログラムの再定義のための条件とされた。

 レーザーによるメートルの再定義が、ナノメートルオーダーでの正確な長さ測定を可能とし、原子レベルで物質を制御する「ナノテクノロジー」の土台を築くことになった。基礎物理定数による質量標準によって、原子レベルでの正確な質量測定の基盤技術などを通して、「ナノテクノロジー」を含む先端科学や産業技術に大きな変革をもたらすことにつながる。

シリコン球の形状と密度の精密測定によってアボガドロ定数を高精度に決定

 シリコンは高純度、無欠陥の大型単結晶を比較的容易に得ることができる。シリコンは物理的性質がよく知られている。

 現行のモルは 質量数12の炭素原子(12C)によって定義されているが、12Cとシリコン原子との質量比は高い精度で測定されている。シリコン結晶を用いても1モルの物質に含まれる原子や分子などの数であるアボガドロ定数を高精度に決定できる。

 シリコン結晶の格子定数を測る実験がまず始められた。1987年にシリコン結晶を真球に近い球体に研磨する技術ができるようになった。このことはシリコン結晶の密度を高い精度で測ることにつながる。

 産総研では、数十ナノメートルの真球度で超精密研磨された質量1kgのシリコン球体の形状を測定するレーザー干渉計を開発した。1994年には世界で最初に真空中でシリコン球体の密度を測ることに成功する。空気の屈折率の影響を受けることなく密度を測定することで固体密度の世界最高精度で測定した。

質量とエネルギーが 等価だからプランク定数とアボガドロ定数の二つの定数の相関によってキログラムを定義できる

 国際単位系(SI)の基本単位のなかには他の基本単位に依存しているものがある。光と温度はまったく異なる現象と思われたが、その本質はエネルギーの一形態である。質量はエネルギーと等価である。

 関係ないと思われていた現象のそれぞれ付与された単位も、現象が相互に関係するなら一方の単位を別の単位で肩代わりすることができる。「基本」単位と思っていたの単位が「組立」単位だった。

 この相互作用は、単位系を強固にする検証手段になる。質量とエネルギーが 等価だからこそ、エネルギーの単位であるプランク定数と原子等、粒子の個数 に関わる単位であるアボガドロ定数の二つの定数の相関から質量の単位であるキログラムを定義できる。

 定義の改定前後に値に変動が生じないように、基本量と結びつけられる定数は慎重に評 価することになる。定数の膨大な桁数は、メートルやキログラムとつじつまを合わせるためのものである。

 メートルは光の速さで規定されるようになった。メートル法の起源となった長さの単位メートルは地球外周の4万分の1とした。海の上や山の凹凸などのことがあるから北極点から赤道までの子午線の距離に沿うとする距離を測ってこれに代えた。地球を計ってそれを綺麗な区切りの数字で割って1メートルとするという政治策でもあった。

2018-12-12-voi-3- identity-of-international-unit-system-si-and-7-basic-units-

【参考】日本計量新報論説ほか
第26回国際度量衡総会でキログラムほかSIの基本4単位の定義を改定
(副題)「キログラムの大きさは、プランク定数hの値を正確に6.626 070 15×10-34 J sと定めることによって設定される」

キログラムの定義改定を実現したプランク定数測定の方法
(副題)プランク定数測定のためのワット・バランス法とX線結晶密度法

国際単位系(SI )と7つの基本単位の正体
副題(質量だけは国際キログラム原器で定義され130年ほど使われてきた)

プランク定数で規定された質量標準はシリコン球の質量計測で実現される
副題(地球を10mの凹凸に見立てられる真円度のシリコン球は物質量を体現)


質量と重量の違い及び質量の単位キログラムの定義変更
2018年11月16日開催の国際度量衡総会で質量の単位キログラム(kg)を定義変更

【質量と重さ(重量)の区別】
質量と重さ(重量)を混用してはならない(執筆 岩田重雄 元日本計量士学会会長)
気になる計量の言葉づかい「足せるものと足せないものがある





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最終更新日  2018年12月13日 21時11分41秒
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