冬の森の野鳥の遊戯 甲斐鐵太郎
冬の森の野鳥の遊戯Play of wild birds in the forest冬の森の野鳥の遊戯 甲斐鐵太郎冬の森の野鳥の遊戯 甲斐鐵太郎シメがばさりと降りてくると小さな小鳥たちは退く。木の実をかみ砕くための分厚い嘴(くちばし)で居座ったままヒマワリの種を剥いて食べる。写真のシメはメスだ。メスとオスと違いホホの色が薄く全体として自見だ。2024年03月05日、里のツグミは北へ羽ばたくために賑やかなのに、シメは留鳥であるから高原の山荘で遊んでいる。冬の森の野鳥の遊戯 甲斐鐵太郎梶原医院という相模原市の病院の庭にヤマガラがいて、窓ガラスに写る自分に攻撃を繰り返すのを楽しく見ていた。標高1,500メートル以下にある常緑広葉樹林や落葉広葉樹林に生息するという文書があるが、この場所は標高1,600メートル。標高1,000m以上の場所に生息していても冬季には標高の低い場所へ移動するとウッキペデイアにある。そんなことないんだよ、出鱈目だな。雌雄同色だが頭や喉の白い毛に個体差がある。神社でおみくじを引くのはヤマガラであったのだが現代では恐らくみることはない。冬の森の野鳥の遊戯 甲斐鐵太郎東京都江東区亀戸にある亀戸天神社は菅原道眞をまつる学問の神。1月24日と25日には鷽替え神事があり、木彫りのウソを毎年交換する。悪いできごとをウソにして新年を迎えようというのだ。頬(ほお)が赤いのはオスでメスは腹の色と同じ薄茶色。何羽かで行動するウソの集団であり、この集団のなかでも餌場を争う。写真はやってきたコガラを追い払うウソのオス。ともに嘴を開けて威嚇している。コガラがくわえた餌が宙に舞っている。冬の森の野鳥の遊戯 甲斐鐵太郎写真はゴジュウカラの飛翔のようす。フィフィフィと啼くことになっているが冬場にみるゴジュウカラはこのようすがない。尖った嘴、短い尾、全体として三角形の灰色のゴジュウカラは、餌場ではヤマガラ、シジュウカラ、コガラに対して優位にあり、ウソにも負けない。シメは大きな身体だからゴジュウカラをものともしない。幹を垂直に駆け降りることをするゴジュウカラの手は大きく強い。冬の森の野鳥の遊戯 甲斐鐵太郎餌台のあるコナラの幹を駆け降りるリス。ニホンリスともホンドリスともいう。エゾリスは亜種でともに冬眠せず冬季も活動する。冬季は冬毛となり、耳先の毛が伸び背は灰色になる。夏毛は赤褐色。写真には長い耳先の毛は写っていないうえ全体的に赤毛が勝っている。昨年は冬季雌雄で活動していたがこの年に現れたのはオスかメスのどちらか一方。庭に生えているミズナラとコナラはドングリを実らせる。赤松の木が二本あり、赤松の実をリスは食べることになっている。冬の森の野鳥の遊戯 甲斐鐵太郎庭は標高1,600mにあるから冬に緑の葉を残しているのはシラビソである。この木が庭に突き出した大きなウッドデッキの向こうに10本生えている。八ヶ岳の北横岳と縞枯山シラビソとオオシラビソは縞枯れ現象をおこす。八ヶ岳の行者小屋の前の樹木がこの現象をひきおこしている。山陰の進学校の生徒にこの現象の所以を問うたら公害という答えが帰ってきたのは40年前のことであった。シンボル操作にたけているのが優等生なのだという。優等生たちの危うさを回答から感じたのであった。物事を象徴として理解しそれを操作する危うさであり、優等生の現代人はこのことから離れられない。シラビソを含めモミやトウヒは樹の世代交代は旧木が朽ちたあとに、その倒木から芽を出して成長することが多い。シラビソの林の縞枯れ現象の所以である。八ヶ岳の縞枯山は現在は緑豊かなシラビソの森で形成されている。八ヶ岳の行者小屋の森に現在は縞枯れ現象がある。25年前に山荘が建つころにシラビソは5㎝ほどの太さで人の背丈の3倍ほどであった。10本のシラビソでは縞枯れ現象はおきない。朽ちたらブナかカラマツかシラカバが待っていたように生える。(タイトル)冬の森の野鳥の遊戯 甲斐鐵太郎(本文)雪が何度か降って庭には50㎝の雪が積もっている。ここはシラビソの木が10本ある標高1,600mのロッジ。ロッジとは、ということで次のような身勝手な解釈があった。「丸太で建てられた山小屋という意味の建物。バンガローよりも設備が揃うが、コテージよりは物が少ない印象。自然の中で最低限快適に過ごせる設備が付いている宿泊施設」。 八ヶ岳高原ロッジとは西武が運営していた宿泊施設。現在の経営主体は少し違う。似たような宿で過ごす週末があった。八ヶ岳連峰の東麓の南牧村にあるコメリに立ち寄ったら特別に安いヒマワリの種の大袋があったので二袋調達した。そのヒマワリの種類は野鳥たちの好物であることに心が動いた。 庭にあった水鉢にヒマワリの種を盛り付けるとすぐに小鳥が舞い降りてきた。待ち受けているかのようである。 朝の小鳥の行動は命を燃やしているようだ。ゴジュウカラがきて、コガラ、シジュウカラ、そしてヤマガラがやってきた。バサリとシメが舞い降りる。居座っていたウソが退散する。向こうのミズナラの木にカケスがいるがヒマワリの種には寄ってこない。リスがコナラの幹を逆さ落としで駆け回る。森の野鳥とリスのふるまいが遊戯にみえる。2024-03-05-play-of-wild-birds-in-the-forest-