BRIGHT ART

2012/04/19(木)01:16

ワールド・トレード・センター

私の好きな映画(36)

9・11をテーマにした「ワールド・トレード・センター」公開された。 物語は、いつもと変わらない日常の風景から始まる― 2001年9月11日、午前8時40分過ぎ、あるはずのない旅客機の機影がマンハッタン上空を横切った。やがて起こる巨大な地響き― ニューヨークのシンボルともいえる2つのタワー、世界貿易センター北棟にアメリカン航空11便が、そしてユナイテッド航空175便が南棟に激突した。 港湾警察官のジョン・マクローリンとウィル・ヒメノのは同僚とともに現場に駆けつける。 誰もがあまりの惨状に呆然と立ち尽くすしかなかったが、遭難者の救助にビルの内部へ向かう。 しかし、次の瞬間、ビルは轟音とともに崩落し、二人は地中深く瓦礫の下敷きになり身動きがとれなくなってしまう。極限状況の中、二人は互いに励ましあい、愛する家族のために最後まで希望を捨てず、奇跡の生還を果たすのだ。  今回、撮影にあたりニューヨークとニュージャージーの港湾局警察が全面協力。 ポートオーソリティのバスターミナルでは初となる撮影が許可され、小道具にいたるまで細部まで再現されている。 ワールド・トレード・センターの地下ショッピングモールのセットは、実際にあそこに行ったことがある人は、セットとは思えないほどリアルに再現されていると感じるだろう。 そしてビルが倒壊するシーンもCGとわかっていながらも、圧倒されてしまう。劇中に使われているCNNなどのニュース映像や倒壊したビルを見て、自分の中で風化しつつあった事件の悲惨さを改めて実感させられる。  オリバーストーン監督は今回、あえて政治色を極力抑え、2人の警察官の救出劇を実話に基づいて迫真に描き,「勇気」「生還」そして「支え合って生きている」という現代人が忘れてしまったことを伝えたかったという。 その言葉の通り、「ワールド・トレード・センター」絶望的な状況の中でも「希望」を捨てないとか、自分の命をかえりみず「助け合う精神」、生還を信じ「祈り」続けること。 どちらかといえば、人間と人間のつながりの原点に立ち返れるような、ハリウッドが好みそうなヒューマンドラマだ。  米同時多発テロの惨事を映画で振り返る余裕が米国民にようやく出てきたようだという意見もあれば、時期尚早という意見もあり、アメリカでは賛否両論、大きく意見が分かれているようだが、これまで「ケネディ元大統領暗殺を扱った「JFK」やウォーターゲート事件の「ニクソン」など政治色が結構強い映画を撮ることで有名なオリバーストーン氏が監督とあってどんな切り口であの大事件を描くのか楽しみだった。

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