楽天的書斎人の生活

2004/08/16(月)14:01

【返品魔】サービス業の憂鬱と「顧客道」【王子様】

帰省はしないつもりだったのだが、同窓会をやると言われ、急遽実家に戻ってきた。 そこで聞いたホームセンター勤務の同級生の愚痴。 ホームセンターには、いろいろなお客がやってくる。 子どもも年寄りも、男も女も、犬も猫も(!) 当然のように困った客がいる。 (1)返品魔  近所の会社の事務担当の30代女性。  事務関係のこまごまとした物品を毎日のように買いに来ては、その後に買ったうちの1つか2つの商品を必ず返品しに戻ってくる。  その理由というのが、園芸売り場にいる若い男性スタッフに会いたい一心だ、というから恐れ入る。  好きな人に会いたいという気持ちがあるなら、1日に2度買いにくればいいのにね、とスタッフの間でも噂される有名なお客となっているらしい。 (2)王子様  ある日、レジ係の女性スタッフに、「衣装ケース1個もってきて~」とのたまう20代半ばのうら若き男性。  見れば、立派な体格をしている。  衣装ケースなら、売り出し中で大量に平積みしてあるはず、カートに乗せてきていないのは何故だろう?  そう思った女性スタッフが不審に思い「在庫切れでしょうか?」と聞くと、「違うよ、重たいからもってきてほしいんだけど~」と平然と命令する男性客。  仕方なく女性スタッフが衣装ケースをよっこらせと抱えてもってきてあげたのだとか。  それ以来、そのお客のあだ名は「王子様」。  こちらはお客なので、金をはらっているからサービスを受けたいという気持ちは分かるんだけどね、「王子様」。  でも、それってあまりにカッコ悪くないか?  私がそのように感想を述べると、同級生は苦笑しながら言った。 「いや結構いるんだよ、困ったお客がね」  この日記のテーマは男のファッションだが、外見だけでなく、内面もファッショナブルでありたいと思わないのだろうか?  もちろん、男に限らず、女性にもそうあってほしいと願うが、女性の場合、ここまで傲慢な客は少ないように思う。(もちろん、いるにはいるだろうが。)    男性の場合、普段、サービスを提供する側にいることが多く、そのストレスなのか鬱憤ばらしなのか「客だから」「金をはらっているから」という理由で、信じられないほど傲慢な態度をとっている場面に出くわすことがある。  私は常々、いろんな場所で(もちろん楽天でも)「サービスをして気持ちの良い顧客」であることが様々なメリットを生むという経験をしている。  サービスを提供する人にとっても受ける人にとっても、気持ちのいい買いものをすると、何らかの形で良い結果につながる。  故池波正太郎氏が、タクシーの運転手に心付けをはずんでいたのは有名な話だが、それは金満趣味などではない。  タクシーの運転手が、いい気分になり、次のお客、その次のお客にいい気分で接していけば、気持ちのいい人々が増えていく。  そんなポリシーに基づいていた、と記憶している。    私には池波氏ほどのサイフはないが、嬉しいサービスを受けたときにも、それなりのサービスであった時も感謝の気持ちを「ありがとう」という言葉でなるべく示すようにしている。    これが私の「顧客道」だ。  気持ちのいいお客であることで、自分のメリットにもなるし、相手のメリットにもなる。  もちろんその気持ちがまわりまわって世の中のメリットにもなっていく。  「王子様」はお客という立場に甘えた貴族気分を味わいたいようだが、それはもっとも卑しい態度であることに気づく日が早く彼に訪れんことを願う。   ポスター クマ王様 京都の誇る二大雑貨店の一角、INOBUNで取り扱いの「クマ王様」です。 どうせ精神的な貴族を目指すなら、このように愛嬌と余裕を持ちたいものです。 INOBUNオンラインショップはこちら 京都の雑貨店のもう1つの雄 アンジェはこちら

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