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★No020005 風の盆

☆☆☆ おわら風の盆☆☆☆

『越中おわら節(えっちゅう おわらぶし)』は、北陸は富山県(越中国)富山市八尾(やつお)地区の民謡である。
胡弓が入ることで有名。ほか、三味線、太鼓が加わる。
「はいや節」が変化したものとされ、その唄はキーが高く息の長いことなどから日本の民謡では屈指の難曲である。

亡くなった父が、宴席で謡う十八番の民謡だった。
当時、村でも有名な歌い手で自分がまだ中学生の時、実兄婚礼の席で一席唄った生声は今も耳に残っている。




踊りは「旧踊り」と「新踊り」に分かれる。旧踊りは男女共通なのに対して、新踊りは「男踊り」と「女踊り」に分かれる。
市が観光客向けに行う「おわら講習会」や、富山県内の学校の運動会などで踊られているのはこの旧踊りである。
旧に対して新踊りは主に舞台演技用である。
もともと女踊りにだけ唄に合わせた四季の所作が入っていたが、近年では男女混合で踊るときに、ペアを組んで妖艶な所作を入れたりもしている。
なお、この所作は八尾の各町内ごとにいろいろと改良工夫がなされていることも、おわら踊りの特徴の一つである。



『特色』
初秋二百十日の風が吹き始める季節に、越中八尾の「おわら風の盆」は行われます(「風の盆」=祭りの総称)。
毎年9月1日から3日間にわたり行われるこの祭りは昔から多くの人々を魅了してきました。
今や、全国で知らぬ人がいないほど有名な祭りになり、毎年多くの観光客が訪れます。
一方、多くの観光客が訪れる割りには観光化された要素が少なく、
八尾の人々の心と街に深く根付き続けている祭りでもあり、
それが大きな魅力となっています。
編笠の下から 僅かに顔を見せ、揃いの 浴衣に身をつつんだ踊り手達の姿は、とても 艶っぽく優美なものです。
胡弓の哀愁漂う音曲と唄・囃子に合わせ、優美に踊り歩む姿。
ぼんぼりの灯に妖しくてらされた八尾の街並みに沿って夜通し踊る「街流し」。
「風の盆」の魅力には言葉では言い尽くせないものがあります。
 

『歴史』
おわらの歴史は元禄時代に始まるとされています。
現代に至る長い歴史の中で、おわらは進化を遂げてきました。
初期のおわらは、他の民謡と同じく唄だけでした。次に三味線による音曲がつけられました。
おわらでの三味線の奏法は独特のもので、義太夫節や浄瑠璃曲などの影響を受けているという説もあります。
後に太鼓が加わりました。
大正から昭和初期にかけて、おわらは大きな変革期を迎えました。
胡弓が欠かせない楽器となり(使われ始めたのは明治時代末)、新しい踊りが考案され、現代のおわら節の形がほぼ確立しました。
大正8年には「おわら保存会」が誕生。
この会の働きかけで高浜虚子や長谷川伸や佐藤惣之助や野口雨情ら、一流文化人たちが多数来訪し、おわらに新風を吹き込みました。

『おわらの語源』
おわらは、ニ百十日の厄日の台風を払い鎮め、五穀豊穣を願う祭りです。
語源については諸説ありますが、文化年間、庶民生活の実態をダイレクトに唄った歌詞に改めた際、新しい詞の間に「おおわらい(大笑い)」の言葉を挟んで踊ったという説です。
また、「大藁」の語が「おわら」に変化したという「大藁節説」もあります。
この「大藁」とは、藁の束が成長する、すなわち豊作を祈願した言葉です。








『越中おわら節』 富山県民謡


(歌われよーわしゃ囃す)
八尾よいとこ おわらの本場 (きたのさーどっこいさのさ) 二百十日を おわら 出て踊る
来たる春風 氷が解ける うれしや気ままに おわら 開く梅
わたしゃあなたに あげたいものは 金の成る木と おわら 卵酒
虎は千里の藪さえ越すに 障子一重が おわら ままならぬ
仇やおろかで 添われるならば 神にご苦労は おわら かけやせぬ

恋の病も なおしてくれる粋な富山の おわら 薬売り
そっと打たんせ 踊りの太鼓 米の成る木の おわら 花が散る
見たさ逢いたさ 思いが募る 恋の八尾は おわら 雪の中
狭いようでも 広いは袂 海山書いたる おわら 文の宿
話するなら 小松原の下で 松の葉の様に おわら こまごまと

おわら踊りの 笠着てござれ 忍ぶ夜道は おわら 月明かり
お風邪召すなと 耳まで着せて 聞かせともなや おわら 明けの鐘
待てど出てこず 出る時ゃ会えず ほんにしんきな おわら 蜃気楼
鳴くなこおろぎ 淋しゅうてならぬ お前一人の おわら 秋じゃなし
私ゃ野山の 兎じゃないが 月夜月夜に おわら 会いにくる

二百十日に 風さえ吹かにゃ 早稲の米喰うて おわら 踊ります
唄で知られた 八尾の町は 盆が二度来る おわら 風の盆
唄の町だよ 八尾の町は 唄で糸取る おわら 桑も摘む
花や紅葉は 時節で色む 私ゃ常盤の おわら 松の色
軒端雀が また来て覗く 今日も糸引きゃ おわら 手につかぬ

城ヶ島から 白帆が見える 白帆かくれて おわら 松の風
白歯染めさせ 又落とさせて わしが思いを おわら 二度させた
私ゃ朝顔 朝寝の人に 丸い笑顔は おわら 見せやせぬ
盆が近うなりゃ 紺屋へ急ぐ 盆の帷子 おわら 白で着しょ
あなた今着て 早お帰りか 浅黄染めとは おわら 藍足らぬ

おらっちゃ若い時ゃ 田んぼのギャワス 人に踏まれて おわら ぎゃくぎゃくと
八尾おわらを しみじみ聞けば むかし山風 おわら 草の声
鹿が鳴こうが 紅葉が散ろうが 私ゃあなたに おわら 秋(飽き)がない
城ヶ島から 礫を投げた 恋の思案の おわら 紙礫
お前来るかと 待たせておいて どこへそれたか おわら 夏の雨









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