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今戸焼(東京)

 東京がまだ江戸と呼ばれていた頃、隅田川のほとり今戸に瓦を焼く職人が住まいしておりまして、瓦の合間に生活雑器や人形などを作ります。
 これが今日の今戸人形の始まりでございまして、今戸人形とは呼ばずに今戸焼きと呼ぶ方も多いようで。
 招き猫もここで始まったという説がございますが、確かなことは判りません、しかしながら、今土焼きに猫が多いのも事実であります。
 ご多分に漏れず、戦争をはさんで空白期間があるものの、戦後は白井家が制作いたします。
 現在は白井靖二郎氏が制作しておりまして、近郊の神社の授与物などにも見られます、中でも今戸八幡(現在の今戸神社)で授与される二体白い招き猫が並んでいる物は縁結びのお守りとして人気があるようです。

 さて写真の招き猫が、白井家の今土焼きで、飾り気の少ない(ほとんど無い)すがたは、シンプルですが、品を感じさせます。白黒ともに左右があり、対にも出来ます、型はこのほかにもいくつかあり、大きい物は火入れ(タバコの火付け、手あぶりに用いる)から写真の高さ6センチ程度の物まで多彩で、ピーピーといって猫の下にふいご状の笛がありそれを上下するとピーピーと音のなる物まであります。

今戸人形(東京)


 京都伏見と並んで東西の横綱ですから、存続は安泰とおえるでしょう。またかつては安価な物であった点も伏見と同様で、今現在の価格は、それなりになってしまいました。
 専業で人形を作るにはやむをえないんでしょう。
 
 各地の人形が、今戸、伏見、三河のいずれかに影響を受けているのは事実で、招き猫の庶民文化への浸透には欠かせなかったという意味でも、これからも長く愛され続けるに違いありません。




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