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坊ノ谷土人形(静岡)

 さて、今回紹介させていただくのは、現存する三河系猫で、坊ノ谷土人形といいます。
 この人形は明治の初期から昭和のはじめごろまで作られておりましたが、趨勢を極めた後次第に売れなくなり、いったんは廃絶いたしました。

 幸いなことに、当地には「雪だるまの会」という郷土玩具の研究会があり、当地の玩具の復興に尽力されており、埋もれていた人形が坊ノ谷土人形として復興されました。

 型を保存していた高木亀次郎さんの手により再び世にでることになったのです。
 正確な復元年度はわかりませんが、昭和61年ごろには多種の人形が作られています。

 製作者、高木亀翁は、明治三十九年生まれ、ともに作業する奥様も明治四十四年生まれ、九十歳を超えるご高齢ですが、年齢を感じさせないたくましさで作業にはげまれ手いました。(現時点で亀翁は逝去され、奥様が制作されていますが、後継者については不明です)

 写真の作は亀翁(高木亀次郎氏)最晩年の作で、高さ約15cmの小品です。(三河系は比較的多き物が多く、坊ノ谷では60cmを超える招き猫も制作されています)

坊ノ谷土人形(静岡)


 形は先日紹介しました三河系古作と似て、安定感を感じさせる物です、特徴は黄色と黒の虎縞があしらわれ、大胆で豪快な筆遣いで描き込まれている点で、作者の年齢を考えると
荒さも味の内といえるでしょう。

 黒に金の縞が入った猫もあったようですが、福次郎は持っておりませんが、小品とはいえ、亀翁健在のうちにこの品を手に出来た事は幸運です。

 「雪だるまの会」は近年「金谷土人形」も復興させるなど
精力的な活動を続けており、金谷の猫も三河系ですが、坊ノ谷とは違い、おとなしく女性的な印象です。




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