起土人形(愛知)三河系の古作は以前紹介しましたが、今も愛知近郊ではいくつかの三河の流れを汲む人形が作られております。今日ご紹介する起(おこし)の土人形もその一つで、名古屋市と岐阜市中間あたり、尾西市で作られております。 起土人形の始まりは、明治の初めに名古屋の御器所(ごきしょ)で人形作りを学び、起で窯を築いたといわれています、また当地まで三河人形の行商人が足を伸ばしてきたためその要素も取り入れて現在の型が出来たと思われ、猫以外にも千にも及ぶ型があるといわれており、猫も型大きさなど多種にわたります。 初代佐右衛門から途絶えず続く作者は、現在五代目の中島一夫さんです。 特徴は多彩な色彩で、これは三河ではあまり見られないもので、特に起の白は雲母(きらら)といわれる顔料が使われており、真珠のような輝きがあり、これは他では見られないもので、起の見分けはすぐに覚えられます。 写真の猫は高さ22cmほどで、起では珍しい金色ですが、手足の白は、輝く光沢をもっています。 形も三河系ほど安定を感じませんが、ほかの型では三河独特の末広がりのフォルムが多く見られます。 顔立ちはきつね系統でとがった耳などは明らかに三河の影響を表しています。 鮮やかな、色使いの中に素朴さもあり、力強い形は多くの愛好者の人気です。 近年、廃絶のうわさもありましたが、今も健在です。 福次のレア度☆☆、型により違いますが、写真の型は珍しい方ではないでしょうか。 ジャンル別一覧
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