赤坂土人形（福岡）

福岡県は郷土玩具の宝庫と言うべき所で、その種類も多岐にわたり、博多人形も加えるならば、日本の一大人形所といえるでしょう。
　
　昨日紹介した、古博多人形、など精緻であでやかな作品が多いのですが、本日紹介いたします赤坂土人形は独特、と言うよりも異質で、素朴な人形が各地にある中でもおそらくその極みに位置するものではないでしょうか。

　筑後市赤坂で作られるこの人形は元来この地の赤坂飴のおまけであったと言われており、現在の作者野口紘一氏も飴の商い（本業）をしており、店内には飴と人形が並んでいるとのことです。
　
　型から抜き出し焼く際には合わせ目からはみ出した土を取り除く物ですが、赤坂人形はそんなことはかまわず焼いてしまい、白く（胡粉）を塗った物に、食紅などでごく簡単に色をつけた（なんと表現すればいいのだろうか）ものです。



　種類はおよそ３０程度で招き猫もそのうちの一つです。

　御覧いただければ、古博多との違いは歴然で説明の必要は無いとも思います。

　共に高さ８センチ程度ですので二つ並べて見るのも一興ではないでしょうか。
　
　ちなみに現在の価格は両者ほぼ同じと言うの、不思議でもありますが、この人形が残っていることがたまらなくいとおしい気がするのも実感です。

　さて、皆様の目にはどううつりましたでしょうか。