思い出のエロ本
皆さんは思い出の品を大事に保存していますか?僕はですね。不要なものはバンバンとなんの躊躇いも無く捨てていく人間なんですよ。でもね。昔持ってたものを、時を経てなつかしく思い出されたりするものです。その時などはその思い出の品を再び見たいものです。例えば、昔クリアしたゲームを急にやりたくなりましたと。そこで「あのゲームは確か押入れに・・・」と押入れをあさり、見つけ出し「懐かしい~」などど言いながらゲームに興じたりするものです。在りし日の感慨に浸りながら。それに対して、僕なんか「あれは捨てたな!」とか平気で言い切れますから。どんなに懐かしくてももう再び思い出の品と対峙することは叶わないのです。僕の幼馴染の親友である橋本君は僕とは対照的でして、もう思い出の品はなんでもかんでも保存しておく人物でした。そんな思い出ぽろぽろなジブリみたいな橋本君が中坊ん時言ってました。「そんなに捨てたらいつか後悔するぞ。」ってね。「いらない。いらない。捨てる。捨てる。」とかって中学生の僕はつっぱってたと思う。そんで中学生の時の宝ものってエロ本だと思うんです!!やっぱり中学生ってのはエロの塊みたいな人種じゃないですかー。エロの塊の癖してエロ本を買うのは非常に恥ずかしく手に入れるのに苦労するものです。故にエロ本が一番の宝物だったと思う。下手したら命より大事だった。エロ本は。そんな大事なエロ本でも飽きたらなんの躊躇いも無く捨てる中坊の俺。まあ正確には本ですから古本屋に売ってたのですが。そんなある日、あるエロ本を古本屋に売りつけました。「いつか後悔するぞ」いつか聞いた橋本君の言葉がフラッシュバックします。しかし反抗期の僕はこのエロ本にはもう飽きたんだよ!売っぱらうんだよ!!売って新しい魅惑のエロ本を買いに行くんだよ!!といったような傲慢な態度で変なおっさんである所の古本屋の店長に本を売りました。それから数年が経ち、僕は高校生になりました。まあ高校生になっても住んでる地域は変わらないわけで同じ古本屋に通ってはいました。変わったことと言えば僕の周りでも、もうエロ本とかは中学時ほどは見なくなり彼女が出来たり変なことしたりと興味は他に移ってました。んでこの古本屋にはもっぱら漫画本を買いに行ったりしてたのです。そんなある日、この古本屋のエロ本が陳列されたコーナーで僕は懐かしい品に遭ってしまったのです。数年前に読んだ懐かしのエロ本。感慨に浸って僕は気づいたらそのエロ本買ってた。んで家に帰って読んだら、びっくりしたね。「ギャース!!」とかって叫んでたかも。下手したら。もうほんまにびっくりよ。なんたって僕が中学ん時売った本そのものだったからね。見覚えのある落書きとか発見しちまったしよ。ってことは何?ボクチンは昔売ったものを何年かたって自分で買い戻したわけかいBoy!!?しかもエロ本を!!アホか俺は。なにやっとんねんな俺。「いつか後悔するぞ」橋本君の格言が今よみがえります。あんときゃ、ほんまに後悔したな。(泣それですぐさまそのエロ本捨てた。それからまた数年たった今日の僕はこう思うのです。「あのエロ本懐かしいな~また読みたいな~」「いつか後悔するぞ」また橋本君の声が聞こえてきそうです。