ホッキ貝のカレー
今日は、初めてホッキ貝を調理した。せっかく「ホッキめし」で有名な山元町の近くにいながら、自分では作ったことがない。今日、ヨークベニマル亘理店に行ったらなんと、活ホッキ殻付が1個¥68しかも「殻むきます!」の表示に既に列が。いやあ、女性店員さんの手さばきの見事なこと!あっという間に剥きながら、アドバイスもしてくださる。「ヒモのほうは、砂をもってる部分だけ取って、よく流水で洗うの。身のほうは、ここに包丁入れて、これ(透明な針のような形のもの)取ったら、中身の黒い糸みたいなのを、よーく流水で洗うの。取り除くところ以外は、捨てたらダメだよ。全部食べられるからね」私は、時々妙に子供に見られる時がある。今回も、いろいろ質問していたら、列の前後の人たちが「がんばらい」と励ましてくれた。明らかに私と同年代の人まで・・・・・・。なんだか、温かい気持ちで帰る。 で、教えてもらったとおりに下ごしらえをする。ここまでやったら、ホッキ飯に挑戦したいところだが、なぜか、カレー。これには訳がある。私の両親は新婚の頃、北海道・室蘭の近くの「虎杖浜」に赴任していた。 漁業の村で、当時は、海が満潮になると幹線道路が 浸水して通れなかったと聞く。両親は、現地の教員宿舎で出会って結婚した新婚の教員夫婦だったが、時々、宿舎の戸口に、カニや魚やホッキ貝が、そっと置いてあったという。教師の初任給など少ないものだから、とてもありがたかった、と両親が昔を懐かしむ。いまだに、置いてくれたのが誰か、分からないそうだ。 当時、田舎の中学生たちは自分の学習机などないし、ちゃぶ台をずっと占領するわけにもいかない。高校受験する中学生達は両親の宿舎で学習したそうだ。母は結構料理上手だが、内陸出身なので、ホッキ貝をどうしたら美味しく食べられるか知らない。 「(ホッキ貝は)カレーにすると美味しいですよ」と教えてくれたのは、その中学生たちだったそうだ。ちょうど、その子達に出す夕食の献立を考えていたときなので、カレーにしてみると、とても美味しかったという。・・・・・・・・そんな話を、この前遊びにきた母がしていった。それを聞いたダンナが、「ホッキ貝のカレー、食ってみたいな」と、3度も言うではないか。無口なダンナが、こりゃ珍しい!チャンスがあったら、作ってみようと、決めていたのだ。おかげで、今日生まれて初めて、ホッキ貝のカレーを、食べた。なんだか幸せな味がした。