ラインケ狐の日記

2011/10/01(土)21:23

ヨゼフ・ラダの「きつねものがたり」

この本がお勧め!(98)

途切れ途切れではありますが、自分はずっとドイツ語の勉強をしてきました。 実は今もお休み中。今は情報処理試験の勉強をしているから。 もう歳なんで残念ながら2教科並行は無理っす。 「なんでドイツ語を勉強しているの?」と、かつて通っていたドイツ語教室の先生から聞かれたときには、えー、理由なんて特にねーよ、とは思いながらも 「ドイツ文化、あるいは中欧の文化に興味があるからです」みたいに答えにもならないことを答えておりました。 子供ながらに魔笛の『夜の女王のアリア』を聴いたときの衝撃とか、アニメのハイジに出て来たスイスから南ドイツ辺りの風景とか、いろいろきっかけはあったんだろうけど、本当に子供の頃、中欧的な世界に強く惹かれるきっかけになったのがこの本↓であること、それは間違いありません。 きつねものがたり 著者:ジョセフ・ラダ 価格:1,575円(税込、送料込) 楽天ブックスで詳細を見る 領主様、森番、きのこ狩りの子供たち、賢い狐、 肉屋のシペイリクさん、、、 いや、そんなの、ロシアにも南仏にもあるでしょ、と言われりゃそうかも知れないけど、どちらかと言うと、ミッテル・オイローパー的な感じがするじゃないっすか、、、 ただしこの本の原書はチェコ語で書かれています。とはいっても子供にチェコ語とドイツ語の違いなんて判らんし、そもそもチェコ語って日本でどうやって勉強すればよいのか。 そんなこんなで、つまり「この本に出てくる世界がすごく気に入った」というのがそもそもの始まりで、ボヘミアだったりチェコだったりオーストリアだったりドイツだったりするきわめて曖昧でいーかげんな、いわゆる中央ヨーロッパ的なイメージに惹かれ、ドイツ語をやり始めたわけです。 きっかけとなったとなったこの本は、出会った小学校時代から思い出しては読み返しておりました。 しかも作者のヨゼフ・ラダとは嬉しい再会もあった。 高校時代、本屋さんで岩波文庫から出ているハシェクの「兵士シュベイクの冒険」をたまたま手に取ったら見覚えのある挿絵。 「あっ、この挿絵は『きつねものがたり』の人の絵だ!」  その棚にあった「兵士シュベイクの冒険」全4冊、即買いですわ。 さらにこの「きつねものがたり」では、イワン・クロウスキーさんが書いた「ヨゼフ・ラダのこと」というあとがきも実はひそかに気に入っているところです。 わかりやすいきれいな文章で書かれているんだけど、これはイワン・クロウスキーさんがご自分で日本語で書かれたもの。 ネットなんぞない時代、ガチンコの冷戦時代、東側に住んでいながらこれだけの日本語を習得できる人がいるんだ、ということに感動。 ならば、自分の生活にまったくドイツ語なんて関係ないけど、自分だってもっと語学スキルを上げることは出来る筈、と励まされます。 お勧めしたい児童書は数多くあれど、自分が一番熱心に読み続けた本、今でも時々読み返す本、といえば、、、 それはこのヨゼフ・ラダ作・絵「きつねものがたり」です。 にほんブログ村

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