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読書感想日記

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[小説] カテゴリの記事

全10件 (10件中 1-10件目)

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夜のピクニック（恩田陸）

○内容情報（「BOOK」データベースより）高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して８０キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するためにー。学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。○感想高校時代。青春を彩る行事の一ページ。懐かしく、淡い思い出にひたる気分になります。毎年恒例の行事も、高校時代最後のものとなると思い入れも変わってきます。一日かけて歩く、歩行際。その一日が、たんたんと描かれていくのですが、それがまたいいです。風景が、頭の中に思い浮かんできて、あたかも実際にその場面も歩いているかのような思いにも・・。朝から歩き、日が暮れ、夜になるとまた気力がみなぎってくる。そして、仮眠をとって、朝が来ると清清しい気持ちになり、しかしこの行事が終わってしまうのだという寂しさもある。ラストは、ほんとによかったねえ！と、素直に登場人物に感情移入している自分がいました。最後まで、大事に大事に読んでいきたい、心地よくて素晴らしい内容でした。そして、青春時代の気持ちをうまく表現した作品でした。思い出す青春時代クリック応援をお願いします

2013.05.13

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向日葵の咲かない夏（道尾秀介）

○内容（「BOOK」データベースより）夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。 ○感想衝撃作に出会いました。しばらくの間、心の中に残りそうです・・。なんともやりきれない気持ちになってしまいます。同級生の自殺や動物殺害、先生の奇行、3歳の妹・・、ゴミ屋敷、お母さんの嫌がらせなど。序盤より、どれも切なく、胸が締め付けられるような内容。しかし、謎が次々に現れる展開の速さに、どんどんと引き込まれていきます。そしてラストにかけて、次第に明かされていく謎。それが、救いようの無いラストにつながっていきました。小説だからできた内容ですね。映像化は難しいですね。息苦しい内容ですが、小説だからできたこのミステリーの展開だと思います。小説の醍醐味が十分に味わえました。しかし、しばらくの間は、せつなさがあと引くだろうなあ・・。これこそ傑作！しかしトラウマ注意クリック応援をお願いします

2013.04.15

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残虐記（桐野夏生）

○内容（「BOOK」データベースより）自分は少女誘拐監禁事件の被害者だったという驚くべき手記を残して、作家が消えた。黒く汚れた男の爪、饐えた臭い、含んだ水の鉄錆の味。性と暴力の気配が満ちる密室で、少女が夜毎に育てた毒の夢と男の欲望とが交錯する。誰にも明かされない真実をめぐって少女に注がれた隠微な視線、幾重にも重なり合った虚構と現実の姿を、独創的なリアリズムを駆使して描出した傑作長編。柴田錬三郎賞受賞作。 ○感想ページ数も少なく、読みやすい文章だったのですが、内容が内容だけに読み進めるのに時間がかかりました。監禁事件の被害者だった少女が事件をきっかけに、性的人間に変貌。現実なのか、フィクションをからめた手記なのか、結局事実は、あいまいなまま。しかしそこが、また良かったのかもしれません。虚構とリアルが織り交じった内容で。性的人間の妄想なのかもしれなが、それが妙にリアルで、現実そうだったのでは、思わせることもあるけど、事実は闇の中・・。謎だらけなんですよね。そんな表現が上手ですね。読者にも空想をゆだねるというか・・。独特などろどろとした世界観。好き嫌いが分かれそうです。トラウマになる人もいるかも・・。まさに残虐な内容です。虚構と現実　トラウマ小説クリック応援をお願いします

2013.04.07

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ジョージ・ジョースター（舞城王太郎）

○内容（「BOOK」データベースより）ジョナサン亡き後、カナリア諸島ラ・パルマ島でエリナと暮らす少年ジョージ・ジョースターは、リサリサと愛を誓い。成長してパイロットとなり世界大戦の空を駆る。その一方、日本では福井県西暁町のジョージ・ジョースターが運命とともに杜王町へ向かう…。超ドドド級スケールで描く「舞ジョジョ」ここに誕生。 ○感想職場の同僚より借りた、ジョジョの小説シリーズの最新作。以前借りた2作品がとても面白かったので、今回も期待していたのですが・・・・。なんともな内容・・・。何でもありな展開・・・。はちゃめちゃすぎる、作者の妄想世界ともいうか・・・。正直読むの疲れました。相当苦労して読んだ作品・・。辞書のような分厚いページ数にもうんざり・・。この世界観にはまる人いるのかなあ。独特な世界観が好きな人にはいいかもしれませんが、私は全然駄目でした。さあ次は、ようやく『エッジ下巻』が読めるぞ！奇妙な世界観炸裂！価格：1,995円（税込、送料込）クリック応援をお願いします

2013.02.17

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The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day（乙一）

○内容（「BOOK」データベースより）「ジョジョの奇妙な冒険」20周年記念。乙一×JOJO、第4部杜王町を舞台に、渾身　の小説化。○感想職場の同僚より、ジョジョシリーズを新たに借りました。マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』の小説版。今回は、第4部の世界感の中で、物語は進んでいきます。以前読んだジョジョの小説は、能力バトル全開の格闘ものという展開でしたが、今回はサスペンスタッチの内容で進んでいきます。様々な登場人物の話が、絡み合い、次第にそれらがつながっていく展開にワクワクしていきます。またマンガのジョジョの登場人物も出てきており、そこにもワクワク。しかし、ちょっと納得ができない部分もありました。小説を読み進めて、感情移入してきたところで、突然、『ジョジョの奇妙な冒険』の読者としての視点で描かれる文章がありました。そこが、なんだか違和感があり、冷めてしまうような感じになりました。ラストはせつない気持ちにさせられました。とても印象に残る内容だっただけに、上述した部分の違和感が、惜しかった作品だと思います。クリック応援をお願いします

2012.12.24

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恥知らずのパープルヘイズ　-ジョジョの奇妙な冒険より（上遠野浩平）

○内容（「BOOK」データベースより）舞台は第5部完結の半年後。“裏切者”パンナコッタ・フーゴのその後どうなったのか。 ○感想職場の同僚から借りた小説。漫画『ジョジョの奇妙な冒険』を好きな人には、たまらない内容になっています。漫画のジョジョの第5部の登場人物、フーゴを主人公にした内容。漫画でのフーゴは、心情や過去等、多くを語られること無く、裏切り者のような形で、いなくなってしまった人物。しかし小説内では、そんなフーゴの心情や過去、活躍する場面がみられます。実際に描かれていた漫画内の一場面と平行しながら、小説の内容が展開していく場面もあったりと、ジョジョ好きは、思わずニヤリとしてしまう場面もあります。また、能力バトルも面白い。漫画を読んでいるかのように、スタンド能力が想像できるのがすごい。とにかくジョジョ好きには最高の作品です。クリック応援をお願いします

2012.12.12

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閉鎖病棟（帚木蓬生）

○あらすじ（「BOOK」データベースより）とある精神科病棟。重い過去を引きずり、家族や世間から疎まれ遠ざけられながらも、明るく生きようとする患者たち。その日常を破ったのは、ある殺人事件だった…。彼を犯行へと駆り立てたものは何か?その理由を知る者たちは―。現役精神科医の作者が、病院の内部を患者の視点から描く。淡々としつつ優しさに溢れる語り口、感涙を誘う結末が絶賛を浴びた。山本周五郎賞受賞作。 ○感想私も精神科病棟に勤務しており、タイトルに関心を持ち、読ませていただきました。精神科病院という、とてもデリケートな内容ですが、病院内の内部を描き、患者の過去や人間関係、日常生活や悩みが描かれています。小説内では、患者さんは、あだ名で描かれており、どこが愛嬌のある描写ですが、普段の生活からは、想像もできない、壮絶な過去を背負った患者さんたち・・。夜中に手旗信号を送り、家族の面会を希望している患者さんがいたりと、家族との関係の複雑さが痛いほど伝わってきます。何十年という長期入院の患者さんがほとんどで、家族との関係が疎遠の人もほとんど・・・。その様な生活の中、どこか片隅で、家族を待ち続け、矛盾した気持ちで、退院を希望している・・。とても切ない気持ちで一杯になってきます。そんな生活描写がタンタンと進んでいくのですが、あたたかく、やわらかい文章で、とても読みやすかったです。作者が、現役の精神科医という事で、患者さんの気持ちを汲み取った、優しい気持ちの伝わってくる、とてもいい内容でした。最後は、ほんとぐっと来る、読後感の良いものでした。皆さんにおすすめできるとても良い作品です。クリック応援をお願いします

2012.11.23

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少女（湊かなえ）

○あらすじ（「BOOK」データベースより）親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えたことのある敦子は、死体を見たら、死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考える。ふたりとも相手には告げずに、それぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く―死の瞬間に立ち合うために。高校2年の少女たちの衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー。 ○感想映画『告白』をみておもしろかったので、以前よりこの作者に関心をもっていました。そして、今回始めて読んだのが、この作品。リズム感のある、台詞回しや文章で読みやすかったです。色々な伏線も張られており、それらの謎が分かってくるという展開もありましたが、ミステリーのおもしろさを感じるというところまではいきません。なんだか、偶然につながりすぎているなあ、という違和感もありました。でも、おもしろい展開ではありました。しかし、『告白』の衝撃にはかなわない、。なんだか物足りなさも感じてしまいました。クリック応援をお願いします

2012.09.29

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重力ピエロ（伊坂幸太郎）

○あらすじ（「BOOK」データベースより）連続放火事件の現場に残された謎のグラフィティアート。無意味な言葉の羅列に見える落書きは、一体何を意味するのか?キーワードは、放火と落書きと遺伝子のルール。とある兄弟の物語。 ○感想おしゃれな言い回し、偉人や哲学などの言い回しが、ちりばめられ、なんだかおしゃれな気分にもなりました。謎を追求して、それが次第に明らかになっていく、おもしろい展開では、ありましたが、ミステリーとしては、浅い気もしました。ラストの展開が読めてしまいましたが、兄弟の素晴らしさ、家族の絆の深さ、爽やかな感動を得ることが出来ました。クリック応援をお願いします

2012.07.26

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永遠の０（百田尚樹）

○内容（「BOOK」データベースより）「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。天才だが臆病者。想像と違う人物像に戸惑いつつも、一つの謎が浮かんでくる―。記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。涙を流さずにはいられない、男の絆、家族の絆。 ○感想　おもしろいと軽々しく評価できないない、しかし、心に深く刻まれ、とても印象に残った小説です。　戦争という重々しい内容のため、読み終わるまでに、時間を要してしまいましたが、多くの人々に読んでいただきたい、とても素晴らしい内容です。　特攻隊と言うと、天皇のため、国のために死んでいった、いわば洗脳教育を受けたテロリストと同様の人たちと思われる方も多いと思いますが、多くの人々が、生きることに対して貪欲で、家族や愛する人たちへの思いが、誰よりも強いと感じられる人たちだったのです。　その中でも、宮部久蔵という人は、誰よりも、生き残って家族の下へ帰るんだという思いが、強かった人。　そのような人を、特攻隊員までに追い込んでいくという、日本、そして戦争という状況、現在の生活を送っている私たちには、想像も出来ないようなすさまじい状況です。　そして、ラストに向けて、少しずつ明らかになっていく、宮部久蔵の人物像、そして今を生きる家族たちとの奇跡的な関係・・。　胸がとても熱くなります。普段の生活において、軽々しく戦争の話題を出し、ましてや笑いのネタにしてしまったかもしれない日常、自分自身がせつなくなり、考えさせられました。　2013年には岡田准一主演で、映画化されるという事も聞きました、多くの人たちに見ていただきたい、後世に残していかなければいけないと思う、とても素晴らしい作品です。

2012.07.08

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