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このごろ思うこと

このごろ思うこと

人はオリジナルな体験をしている 2004・6

 天候に恵まれた土曜日、孫の学校の運動会が行われました。広々としたグラウンドの上には、万国旗と一緒に、全生徒一人一人が描いた旗が風に乗り、心地よさそうにはためいていました。小学1年生から中学3年生までが、各クラス赤・青・黄色の三つに分かれ、縦割り3チームで勝利を競い合います。

  応援合戦に続いて、各学年の50m走が始まりました。もちろん1位から3位まではチームの得点になるので、みんな頑張って走ります。でもレース前、先生は語りかけます。「人と競争するんじゃない。去年の自分、昨日の自分に負けないよう、今の自分の力を精一杯出し切って走るんだぞ・・・」と。毎年50m走では一人一人のタイムを計り、順位に関係なく記録賞が出ます。一年ごとに自分の成長、変化を実感できるよう配慮してくださっているのです。

  私は学校までの道々、のんびりやさんの孫に「よういドンとピストルがなるけど、ドンという音が聞こえたらすぐに走り始めるのよ」と話しました。孫は何度かスタートダッシュの練習をしながら、学校へと向かいました。その助言が功を奏したのか前半はリードしていましたが、後半スピードが落ち、次々に抜かれてとうとう最下位になってしまいました。

  くやしがる姿・・・、でもくやしさも悲しさも思いっきり感じ、感じつくすことはとても大切です。その小さな体と心で、色々な体験をし、いろいろな事を感じている孫。えらいね。よくやってるね。愛しさがこみあげてきました。

  次はダンス「世界にひとつだけの花」。1・2年生合同でずっと練習してきた成果を発表します。曲も全員で歌って吹き込んだオリジナルバージョンです。歌詞のとおり、一人一人とても個性的でのびやかで存在感があって素晴らしかったです。孫も幼稚園時代のお遊戯からは想像できないくらいスムーズな動きで楽しそうに踊っていました。

  全生徒がバトンをつなぐ色別対抗全校リレーはこの学校恒例のメインイベントです。最後まで抜きつ抜かれつの白熱したレースになりました。走っている子供の顔を見て「○○ちゃん、△△くん、◎◎ちゃん頑張れ!」と実況アナウンスする生徒の顔と名前をほとんど覚えていらっしゃる教頭先生。走り終えた子供も皆、自分のチームを懸命に応援します。

  その他、玉いれなどの競技を終え、午前の部だけで1・2年生は終了。家族でお弁当を食べたあと、クラスに戻り、皆で精一杯やり遂げた事を祝してジュースで「やったぜ! いぇーい!!」と乾杯。どの子もそれぞれ最高の顔をしています。順位も、緊張も、疲れも忘れて笑顔、凛々しい顔、誇らしげな顔。子供達をやさしく包み込む木漏れ日がまるで祝福してくれているようでした。

  天真爛漫な子供達の姿が教えてくれます。人は誰でもオリジナルな唯一の存在であると・・・。他の人と比べる必要もないし、他の何かになる必要もない。ありのままの自分を受け止め、認め、愛してもらえれば、安心して個性や能力を発揮し、いきいきと今この瞬間を生きることができるようになるのです。

  大多数の人は幼少期から比較され、ありのままの自分を認めてもらえず否定されることによって、劣等感やコンプレックスを植えつけられて育ち、恐れや不安、欠乏感を育てていきます。傷つくことを恐れて自分らしさを押し込め、他人の顔色をみて生きることが当たり前のようになっています。そうしていることさえ感じなくなっています。

  でも、そのブロックが限界までくると苦しくて、自分の感情をコントロールできなくなり、自分に何が起こっているのか解らなくなり、パニックを起こしてしまう方もいらっしゃいます。他人と違っていて当たり前なのです。違う体験をしようとシナリオを描いてきているのですから。それがあなたの存在理由なのです。

  今まで創り続けて来たたくさんの、重いブロックを脱ぎ捨てるステップが待っています。本来のオリジナリティーあふれる、ユニークな自分自身に還るステップです。もういらなくなった重荷をひとつずつ手放していけば、ありのままの自分を受け入れ、愛することはどんどん簡単に、自然にできるようになります。自分であることが幸せ、今ここにいることが幸せ・・・と。


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