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カテゴリ:推薦図書
月曜火曜とゴロゴロしてる間に読んだ漫画の感想を。
★しりあがり寿 レヴォルトコミック1「ア○ス」 全1巻 ソフトマジック 写真がなかったので、自分のを撮りました。 これね、凄い作品ですよ。 このブログでも何度か書いてますが、しりあがりさんの「真夜中の弥次さん喜多さん」シリーズが 素晴らしいのはもう、変わらない事実ですが。 この「ア○ス」も相当凄いです。買ったのは大分前なのですが、読んだのは今回が初めてで。 今まで何で読まずに置いておいたんだろう!って後悔してます。 本当に凄い作品。 真夜中の~の方が、読みやすいです。バランスは取れてると思う。 真夜中の~の方が、たくさんの人に受け入れられるだろうと思う。 「ア○ス」は、嫌いな人は嫌いだろうなぁと思うけれど、読んでみる価値はあると思うなぁ。 ちなみに、このタイトル、正式には何と読むのか分かりません。書いてないから。 「編集部では『アマルス』と仮に呼んでいる」と書かれていますが、正確には何と読むのか不明。 でも読み方なんてどうでもいいのですよ。 ・・いや、本当は知りたいけど。 でもいいの。 それより読んだほうがいいよ。 しりあがりさんの作品の中では、シリアスなタイプの作品です。 話のはじめは、ナオミ(仮)がある朝、重要なことに気づいてしまうところから始まる。 自分が「サミシサ」を感じていて、「トモダチ」を欲しがっていること。 そして、その気持ちを感じているのは本当は自分ではなく、自分の脳みそであること。 そして、その脳みそは、暗い頭蓋骨の中に閉じ込められていて、逃れられないのだということに。 だから、ナオミは、脳みそのトモダチ探しの旅に付き合うことにする。 それが第1話。 そこからはひたすらナオミが脳みそのトモダチ探しをするんだけれど。 そこは書いちゃったら面白くないから書かないけれど、最後、終わり方が悲しい。 本を閉じた後、暫く裏表紙見つめちゃったよ。裏表紙には何にも書いてないんだけれどね。 解説の方の文章も良い。ちょっと奇をてらった感じもあるけど、分かりやすい。 ナオミが自分と文通する「手紙」と、ストレンジャーアラウンドヒアの「出会い」が特に 好きだなぁ、わたしは。 なんとなくだけど、本当になんとなくだけれど、この本は、餅コさんが描いたんじゃないかって 感じがするよ。いや、本当はしりあがりさんが描いてるんだけどさw 餅コさん、勝手にすみません。失礼だったらごめんなさい。 全体的に、誰でも気づいてないだけで、こういう世界に生きてるんだろうなと思った。 ナオミのように、気づいてしまったら、こうなってしまうのであって。 気づいていないことの幸せを感じた。 多分、気づいてしまったら、世界全部がこういう風に見えるのかもしれない。 ちょっと怖い。 ア○ス、装丁も凝ってて楽しいです。 穴だらけの表紙から、いろいろ思うこともあったり。 流石です。 ★しりあがり寿 レヴォルトコミックス2「瀕死のエッセイスト」 全1巻 ソフトマジック 瀕死のエッセイスト 続いてもしりあがりさんの作品。上の「ア○ス」とシリーズものらしい。 話はつながってないけれどね。 この作品は、そのタイトル通り、瀕死のエッセイストが、日々、死と生について、考えたり 考えさせられたりする話。 ア○スとテイストは違うけれど、おそらく、しりあがりさん側の思うところは同じなのだろうと 思います。 凄く些細なことで、日常的なことだけれど、そこからいろんなことが見える。その気になれば。 生も死も凄く身近なもので、生はともかく、死について考えることは不謹慎だとか不吉だとか されてしまうけれど、でもそれだって、誰の人生にも必ず、もう絶対、死が待っている限り、 考えるのは自然なことで当たり前なことで、必要なことで、それの何がおかしいの? というようなしりあがりさんの考えから書かれてるのだと、勝手にわたしは思ってるのですが。 これももう読んでもらうしか、凄さを伝える方法はないのですけれどね。 こっちは結構、読んだあと希望が見えるような作品です。 いろんなところで、「あぁ、そうか~」と思った。 そういうもんなんだな~って。 楽になったというか。 別にわたしなんぞ、何か大層なものを背負ってるわけでも何でもないけれど。 元々めちゃ気楽に生きてるけれどw これも装丁綺麗だよ♪ ちなみに、今読んでる「オーイ!メメントモリ」は、この作品の続編的作品です。 また感想書きますが。 ★伊藤潤二「怪奇カンヅメ」 全1巻 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス 朝日ソノラマ 怪奇カンヅメ 怪奇カンヅメの名の通り、伊藤潤二さんの短編作品の詰め合わせになってます。 収録されているのは *仲間の家 *なめくじ少女 *隣の窓 *漂着物 *ご先祖様 *異常接近~ニアミス~ *怪奇ひきずり兄弟◎次女の恋人 *怪奇ひきずり兄弟◎降霊会 の8作品。 この中で、今回わたしが初めて読んだのは、「仲間の家」「ご先祖様」「異常接近」の3本のみ。 伊藤さんの作品の感想を書くたびに書いてますが。 伊藤潤二の作品のあらすじを説明することの意味はこの世には存在しないので それは省きますが、既読の作品も含め、どの作品も完璧な伊藤潤二の世界にありました。 どの話も、奇妙なことがおこる理由が全くないのですよね。いつも通り。 何の理由もなく突然奇妙なことが起こったり、もう既に何の理由もなく奇妙なことが起こってる。 それで何も解決しないまま終わる。 そのパターン。 同じパターンでこれだけバリエーションがあるのが伊藤潤二の凄いところ。 たとえばなめくじ少女では、少女の舌がナメクジ化して行くのだけれど、その理由が見当たらない。 少女の父母が家に大量にでたなめくじをやっつけるシーンはでてくるものの、それが原因の 呪いとかそういう話では全くないらしいし。 それにしても、なめくじ少女、めちゃ気持ち悪い~ 絵が気持ち悪い~ 是非読んでみて欲しい。気持ち悪いから。 ↑これ、以前書いた感想そのまま引用してたりするんだけどw ホント、伊藤潤二作品はぶれないね。本当にこれだけ作品書けるのが凄いよ。 他の作品にも一応触れます。 仲間の家。 これは現実にちょっとありそうな話ですね。 現代においても、もしかしたら秘密裏にこういう活動してる人が居ないとは言えないよね。 幽霊かどうかは置いておいても。 何の理由もなく、話が起こって、何の解決もないまま終わる、流石の伊藤潤二作品。 隣の窓。 これはもう、隣のおばさんの造形の凄さに尽きるね・・・怖いよ~ 窓が近づいてくるというその発想も怖い! 漂着物。 これは、わたしの夢の原因ですよ!ペンギンの腐った死体の夢の!! この話では、海岸に何か分からない巨大生物の死体が打ち上げられて、その中に人がいっぱい 詰まってるという話なのですが。 これ読んで、今更ながら深海の気味悪さ、奥深さを知った・・・怖い。 ご先祖様。 これね~一番イヤだよ~こんなこと思いつく伊藤潤二の脳みそが怖いよ! 書いちゃうと初めて読む人が面白く読めなくなっちゃうから書かないけど、凄いよこの発想! 異常接近。 これはね、ちょっと伊藤潤二らしくないというか、アンマリ面白くない・・ ありきたり感は否めないというか。 ひきずり兄弟シリーズ。 これはもはやコメディだね^^めちゃ不快だけど笑えるw 伊藤さんて、どこまで本気なのかわかんないよね。 笑わそうとしてるのか、怖がらそうとしてるのか、その境界があやふやなところが魅力なんだけど♪ でもこのシリーズとか、双一シリーズとかは、やっぱり笑いがテーマだよね? 全部を通して言えることだけれども。 やっぱり伊藤さんの作品は、理由がないところが怖い。 何の理由もなく日常じゃないことが起こる。 その人が被害にあう理由も何もない。 そういう不安定さが怖いんだよね! 絵が神経質なところも恐怖感を煽ってるよね!! 伊藤さんとしりあがりさんは、もはやわたしにとって、神様みたいな存在です。 信仰の対象って意味じゃないけど。 こんな凄い人が居るんだ!って思う。毎回毎回。 脳みそどうなってるんだろう? 何かわたしから勲章を贈りたい気持ちです。 しりあがりさんはともかく、伊藤さんはどういう人なのかが分かるようなものが(たとえば TVに出たりだとか、雑誌のインタビューに答えたりとかそういうのが)ないから、妄想は 膨らむばかりです。 とりあえず今日はここまで! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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そんなこと言われたら私は買ってしまいますよ!!w
でも遥さんが良いと感じた作品であるなら、何かを感じた作品であるなら、感性が刺激される素敵な世界がそこにはある感じがする。…私は素敵じゃないですけどもね~。 * 「気づかない」ことで得られるものってありますよね。 * 自分が他の人からどう見えているのか、ちょっと気になります。俗っぽい女です。 (2008年12月10日 22時09分11秒)
バラバラにされるのも分裂するのも嫌ですが、あの美貌と悪女っぷりが素敵です。
餅子さんが描いた様な本!どんな内容か気になります! 「ア○ス」の○の部分の文字が気になりますね~。 (2008年12月11日 03時45分47秒)
餅コさん
是非、餅コさんに読んでいただいて、感想聞きたいです^^ なんかこう、・・・そうか・・・・って思う作品でした。 餅コさんぽいというよりも、餅コさんが描いたっぽい、という感じです。 その違い、伝わりますかしら? (2008年12月15日 23時54分30秒)
鈴亞さん
惹かれますよね! 作中に出てくる人たちだけでなく、読者もとりこにされてしまう・・・ 富江に出会いたくはないですよねw ア○ス、お勧めです。 でも、影響されそうな精神状態の時には読まないほうがいいかも。 (2008年12月15日 23時56分17秒) |